パラドール デ カルモナ宿泊記|Parador de Carmona

パラドールデカルモナから望む朝日

カルモナ旧市街の最東端に位置するパラドール デ カルモナ(Parador de Carmona)に宿泊。

丘の上のバルコニーからは、アンダルシアのどこまでも続く地平線を見ることができました。

パラドール デ カルモナ Parador de Carmona

パラドール デ カルモナのホテル外観

パラドール デ カルモナ(Parador de Carmona)は、カルモナ旧市街最東端の丘の上に建つ、スペインのパラドールホテル
総部屋数123部屋。

パラドール公式の小冊子によれば、7世紀にムーア人(イスラム教徒)の王タイファが築いたイスラム宮殿の跡地に、14世紀になりカスティーリャ王ペドロ1世がムデハル様式の城を建設。
グラナダのアルハンブラ宮殿を模倣したセビージャのアルカサル同様、王のお気に入りの場所だったようです。

パラドールデカルモナのホテル外観

1492年のレコンキスタ後、カスティーリャ両王の時代にも外部に砦が追加されたりしたようですが、1504年と1755年の2度の地震により壊滅的な被害を受け、荒廃。

1976年、敷地の東側にヒスパニック・ムスリム様式にて新しい建物を建築し、パラドールホテルとして開業。
古城の建物をそのまま再利用しているわけではありませんが、丘の上からの眺望は当時と大きく変わらないであろう…と思えるほどの絶景が広がっています。

マルチェナ門 Alcázar de la Puerta de Marchena

カルモナのPuerta de Marchena

パラドールホテルの正面ゲート。
馬蹄形のマルチェナ門(Alcázar de la Puerta de Marchena)。

カルモナのPuerta de Marchena

ホテルの建物と古城の遺跡との間からヒマワリ畑が見えます。

パラドールデカルモナのホテルエントランス

エントランスの上部中央にはカスティーリャとレオンの紋章を両脇から支える二頭の獅子。

レセプション チェックイン

パラドールデカルモナのロビー・レセプション

ホテルの正面エントランスを入ってすぐ左手にレセプション。
建物は4階建て、レセプションは3階部分になります。

チェックイン時刻よりも30分程早めではありましたが、早めにお部屋に入れてもらえました。

パラドールデカルモナ カルモナの象徴 八角星

レセプション上部に吊られている照明の形状。

カルモナのバス広場から徒歩でホテルまで向かわれた場合、実は既に2回見ている可能性があります。
1箇所はPuerta De Sevilla前のロータリー。
もう1箇所は南側の眺望が良い展望台、Mirador Carmona。

こちらはカルモナの象徴である八角星(estrella de ocho puntas)を立体にしたもの。
遊びゴコロがあって良いですね。

パラドールデカルモナの内廊下

床、巾木、コーナーに入った鮮やかな幾何学模様のタイルがイスラミックな雰囲気を演出してくれます。
エレベーターに至ってはデザイン重視でボタンを奥に追いやっているほど。

カルモナ Alcázar del Rey don Pedro 1886年のマップ

Alcázar del Rey don Pedro 1886年のマップ(※クリックで拡大します)

内廊下には1886年当時のAlcázar del Rey don Pedroの敷地平面図が掲載されていました。

パラドールデカルモナ

客室番号のタイルも手作りで可愛らしいです。

パラドールデカルモナのルームキー

さて、ここでひとつ難関にぶつかりました。
このパラドールホテル、ルームキーは昔ながらの物理キーなのですが、全然開けられない。

何度トライしても開かないので、最後はハウスキーパーさんにお声がけして開けてもらうことに。
一度ドアを引っぱってから鍵を回します。
慣れれば簡単ですが、これは知っていないと開けられないかも。

スーペリア ツインルーム Superior Twin Room

パラドールデカルモナ スーペリアツインルーム

30㎡のスーペリアツインルーム(Superior Twin Room)

パラドールの客室は割と質素なしつらえが多い印象がありますが、カルモナのパラドールは足元(巾木部分)に青い幾何学模様のタイル、上部の廻り縁の凹凸が、華やかな印象を添えている気がします。

パラドールデカルモナのフロアマップ

今回は南向きの客室。
404号室です。

ベッドルーム

パラドールデカルモナ スーペリアツインルーム

パラドールデカルモナ スーペリアツインルーム

パラドールデカルモナ スーペリアツインルーム

壁にかかる水彩画にはPuerta De Sevillaが描かれていました。

両開きの窓の外側についた木製の扉にも、八角星のデザインが何重かに施されています。

パラドールデカルモナの窓からの眺望

扉を開けてみると、窓の外には素晴らしい景色が広がっています。

パラドールデカルモナのバルコニー

暑く照りつける太陽を隠すように。
しっかりとした庇の付いたバルコニーからは、まだ完全な見頃を迎えていないカルモナのヒマワリ畑が見えました。

パラドールデカルモナのバルコニー

パラドールデカルモナのバルコニー

どこまでも続く地平線。

直線距離で約180km離れているとはいえ、あの向こうがアフリカか…。
とかく乾燥しているアンダルシアの大地。

パラドールデカルモナのバルコニー

そうそう。朝日は何処から出現するのか?
アプリで調べてみたところ、この南面のバルコニーからは見ることができない。

この後にホテル内を散策したところ、朝日鑑賞に適した素晴らしい場所を発見しました。
そちらは後ほど!

パラドールデカルモナのクローゼット・セキュリティーボックス

パラドールホテルは宿泊ホテルによってスリッパがあったりなかったりするのですが、カルモナはスリッパがありませんでした。

パラドールデカルモナのミニバー

ミニバー。

客室には電気ケトルや無料のお茶、コーヒーといった類のものが一切ありません。

バスルーム

パラドールデカルモナのバスルーム

パラドールデカルモナのバスルーム

バスルームのタイルは大判ではありますが、一部アクセントとして青い八角星のタイルが入っています。

パラドールデカルモナのトイレ

アメニティ

パラドールデカルモナのアメニティ

アメニティ類はパラドールおなじみのセット。
シャンプー類、くし、シャワーキャップはありますが、歯磨きセットや剃刀は置いてません。

パティオ Patio

パラドールデカルモナのパティオ

パラドールデカルモナのパティオ

レセプション階にあるパティオにやって来ました。

パティオの回廊にはテーブルがあり、カフェメニューを注文できます。
アンダルシア地方の名物料理「サルモレッホ」をはじめとした軽食もあります。

パラドールデカルモナのサルモレッホ

トマトの酸味とイベリコ豚のベーコンの塩気がよく合う、サルモレッホ。

テラス Terrace

Padador de Carmona

Padador de Carmona

パラドールデカルモナのテラス

テラスでも食事が可能です。
ただし、パティオも含め外にはハエが結構いるので、お食事であれば室内をおすすめします。

さて、上の写真の右奥に建物からオーバーハングしたバルコニーが見えます。
展望バルコニーへ足を運んでみます。

4F東面の展望バルコニー

パラドールデカルモナの4F東面のバルコニー

最上階4Fの東側。
宿泊者であれば誰でも出入りが可能なバルコニーが付いています。

このバルコニーからであれば、東面のヒマワリ畑の咲き具合もざっくりと確認できるでしょう。

パラドールデカルモナの4F東面のバルコニー

パラドールデカルモナの4F東面のバルコニー

レストランの外にあるテラスも。

朝日の鑑賞場所はこことする!

プール Pool

パラドールデカルモナから見るひまわり畑

パラドールデカルモナのプールはホテルの東面、遥か下に見えます。

スペイン語でプールはピスチーナ(piscina)。

途中には四阿までありました。

カルモナのサボテン

プールへつづく道ということもあり、庭にはしっかりと手入れが施されており、なかなかお目にかかることがない植物も鑑賞できます。

パラドールデカルモナのホテルとプール

レストラン

パラドールデカルモナのレストラン

パラドールデカルモナのレストラン

夕食はパラドールのレストランで。

鱈の揚げ物(Bacalao frito)が美味しかったです。
メインは€20弱。

朝食

パラドールデカルモナの朝食

ハモンイベリコ、トルティーヤ デ パタタ、アンダルシア地方の料理など朝食メニューは充実しています。

パラドールデカルモナの朝食

訪れるタイミングが良ければ、窓側の座席からヒマワリの遠景を見ながら朝食を食べられるかもしれません。

パラドールデカルモナの朝食

パラドールデカルモナの朝食

パラドールデカルモナの朝食

朝日鑑賞 Sunrise

パラドールデカルモナから望む朝日

パラドールデカルモナから望む朝日

パラドール デ カルモナの最上階テラスから見る朝日。
水平線ではなく、地平線の向こうから出てくる太陽。
最後に見たのはいつか?

パラドールデカルモナから望む朝日

パラドールデカルモナから望む朝日

朝の太陽の柔らかい光にほんのりと照らされたヒマワリ畑。
何と美しいこと。

1582年の天正遣欧少年使節(伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノ)、江戸時代に仙台からヨーロッパへ向かったガレオン船「サン ファン バウティスタ号」に乗った支倉常長一行もこの城に立ち寄っています。
彼らもこの水平線の向こうから上がる朝日を見たでしょうか?

ところで、高温低湿のカルモナの朝は、冷えこんでいてとても寒い!
もし朝日を観賞する場合、何か羽織れるものを持ってくると良いです。

1番の問題は、このテラスの扉が内側から閉められない。
2人以上で訪れ、1人が扉がガタガタ鳴るのを止めていなければなりません。
1人の場合はスタッフさんに内側から閉めてもらい、30分後に開けてもらうとかの約束をした方がよいかも?
凍え死なないことを願います!(本当に寒いです)

パラドール デ カルモナの場所・行き方・アクセス

パラドール デ カルモナはカルモナ旧市街最西端のPuerta De Sevilla門から徒歩10分。

ただし、手荷物と上り坂を考慮すると15〜20分くらいみておいたよいかもしれません。

感想・総評

ホテルの建物は全体的に新しく、ありのままの姿で残っている古城ホテルとは趣旨が異なるかもしれません。

カルモナはセビージャからバスで約50分。
日帰り観光も十分可能です。

しかし、その場所にかつてイスラム宮殿とカステーリャ王の城が建っていて。
同じような地平線が広がり同じような朝日が見れたことに変わりはなく、その点に愉しみを感じられそうであれば、きっと滞在を楽しめるホテルだと思います。

住所:Alcázar s/n, 41410 Carmona, Sevilla, Spain
電話番号:+34 954 14 10 10
チェックイン:14:00〜
チェックアウト:7:00〜12:00

カルモナのホテル一覧をチェック|Booking.com

<< カルモナ旅行の目次ページに戻る