北海道空知郡南富良野町にある道の駅「南富良野」に開業した米国マリオット系ブランドのホテル、フェアフィールド バイ マリオット北海道南富良野(Fairfield Hokkaido Minamifurano)の宿泊記です。
このホテルについては、ウインターシーズンに大化けする可能性を秘めています。
フェアフィールド バイ マリオット北海道南富良野 Fairfield Hokkaido Minamifurano
北海道にある179市町村のうち、「富良野」の名を冠する市町村は道北エリアに4つあります。
富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町。
一般的に「富良野」の三文字が想起させる、風に揺れるラベンダー畑や『北の国から』の景色があるのは、富良野市、上富良野町、中富良野町です。
南富良野町には富良野の名こそ付くものの、わたしたちが想像する「富良野」とは異なるうえ、南富良野から富良野市中心部までは隣町といえど車で片道約40km、中富良野町のファーム富田までは約50㎞あります。
麓郷でこだましていたさだまさしさんの歌声も、南富良野町まで届くかは風向き次第。
南富良野町のカントリーサインに描かれるのは、人造湖のかなやま湖。
日本最大級の淡水魚イトウが生息しており、キャンプ場・カヌーのアクティビティが人気です。
最寄り駅はJR根室本線の幾寅駅。
映画『鉄道員(ぽっぽや)』の舞台「幌舞駅」のロケセットが残っています。
道の駅「南富良野」が面するのは国道38号線。
芦別から富良野、十勝帯広を抜けて釧路までつづく北海道の大動脈のひとつ。
峠を越えることにはなるものの、北は富良野・美瑛、東は十勝方面へアクセスできます。
道の駅「富良野」から国道38号線を挟んだ向かいにある宿泊施設、フェアフィールドバイマリオット北海道南富良野(Fairfield Hokkaido Minamifurano)。
ハウスメーカーの積水ハウスが「Trip Base 道の駅プロジェクト」と題した事業は、日本各地の道の駅で展開、北海道内では「花ロードえにわ」「長沼マオイの丘」「南富良野」の3ヶ所にあります。
Trip Base 道の駅プロジェクトのフェアフィールドホテルについては、館内にレストランがありません。
「宿泊特化型」ということで、食事やその他体験は道の駅や地域のお店を利用するというスタイル。
総客室数は78室。
客室にスイートルームはなく、全室がキングサイズベッドまたはツインベッドのツインルーム。
建物は3F建て、客室の向きは南向きと北向き。
道の駅の宿泊施設フェアフィールド南富良野が、その秘めた可能性を最大化させるのは、冬。
北海道には大小「110ヶ所」を超えるスキー場があり、そのうち「スキー場単体で20を超えるコース」を持つスキーリゾート・施設はわずか「8ヶ所」しかありません(aoitripが趣味で保管している北海道スキー場データベースより)。
フェアフィールド南富良野は、その中の3ヶ所「富良野スキー場」「サホロリゾートスキー場」「星野リゾートトマムスキー場」の中間付近に位置しています。
国設南ふらのスキー場、新得山スキー場まで含めれば、一滞在で合計5か所のスキー場をホッピングすることも不可能ではありません。
ただし、雪道の運転ですからリスクもあります。
富良野が属する上川管内の年間降雪量は「600cm」を越えます。
仮にスタックしても、笠松のとっつぁんが馬ぞりで助けに来てくれることはないので、ロードサービスの加入および十分な装備を車に搭載しておくことは最低条件です。
道の駅 南ふらの
北海道内には日本の都道府県で最大の「120を超える道の駅」が点在しており、その特色は様々。
道の駅 南富良野は、日本のアウトドアブランド「モンベル」の道内最大級ストアが宿泊施設の新設に伴うようにオープン。
隣にはレストランとお食事ができる小さなお店が連なっており、フェアフィールド南富良野が誕生する前よりも食事の選択肢が増えました。
スタンダード キングルーム Standard 1 King
宿泊する客室はスタンダード キングルーム(Standard 1 King)。
広さは21㎡。
ベッドルーム
窓際に冷蔵庫、最大2人掛けのソファ、円形テーブル。
キングサイズベッドの両端にA型コンセント、USBの充電口があります。
クローゼットはなく、客室扉隣の壁にフック、ハンガー、折りたたみ式バゲッジラックの用意があります。
黒松内産のミネラルウォーター、ドリップコーヒー、紅茶のティーバッグの用意があります。
こちらはマリオット上級会員の特典でいただいた、南富良野の特産品「バタじゃが」。
レセプション脇にある売店で買うこともできます。
備え付きの靴乾燥機は、水辺のレジャーや冬場に重宝しそうです。
バスルーム
洗面台周辺は、省スペース設計。
洗面台前のスペース一箇所で、洗面台、トイレ、シャワーブースへの移動経路を兼ねています。
ベッドルームと対面型になっているものの、スライド式ドアで開閉できるため、目隠しできます。
シャワーブースのみで、バスタブはありません。
シャワーのタイプは2タイプ、レインシャワーとハンドシャワー。
アメニティ
ロビーラウンジ
1Fのロビーラウンジには、ソファ席、コワーキングスペースのように各席に充電用コンセントが用意されたテーブル席、テラス席があります。
バードフレンドリーのコーヒー豆を使用したWMFのコーヒーマシン、緑茶・ほうじ茶のティーバッグ、インスタント味噌汁の用意があり、24時間利用できます。
電子レンジ、トースター、製氷機は埋め込み式。
ロビーラウンジは、訪日観光客が増えれば交流のきっかけになりそうな場所です。
日本人はシャイな人が多いのでまったくイメージが湧かないものの、例えばアメリカや台湾、タイなど、それぞれの国の言葉が聴こえてくれば、どこのスキー場へ行ったとか、どこを巡ったかなどの会話が生まれそうです。
ロビーラウンジ南側のテラス。
ラベンダー畑の向こうに見える斜面は、国設南ふらのスキー場です。
ラベンダーが綺麗な紫の絨毯を見せるまでには、幾度か極寒の冬を乗り切る必要があるでしょう。
シンボルツリーのナナカマドは、肌寒くなる季節に真っ赤な実をつけて、秋の訪れを告げます。
1Fのランドリー。
スキー板・スノーボード板置き場
ホテル宿泊者駐車場にある平屋は、スキー板・スノーボード板置き場・屋根付きバイク置き場です。
扉の開閉には、ルームキーをタッチ。
建物の中にはエアコンが付いているので、湿度管理は問題なさそう。
簡易的な建物ではあるものの、梁剥き出しにマリンランプのペンダントが連なっています。
南北に採光用のFIX窓が付いており、室内は明るいです。
ロッカーはダイヤル式のロック付き。
フェアフィールド バイ マリオット北海道富良野の場所・行き方・アクセス
道央自動車道「三笠IC」から車で103km、約1時間50分
旭川空港から車で77.7km、約1時間20分
とかち帯広空港から車で99.5km、有料道路で約1時間20分
新千歳空港から車で126km、有料道路で約1時間50分
ホテルの駐車場への入り口は、道の駅から国道38号線を挟んだ西側にあります。
カーナビがある場合はマップコード「550 324 120*46」を入力してください。
感想・総評
「通り道」で一泊するだけの宿泊ではなく「滞在拠点」として二泊以上する際の使い道として、富良野・美瑛以外にも簡単にアクセスできそうな立地に見えるものの、そこは試される大地、北海道。
大雪山国立公園の然別湖へのアクセスは決して悪くありませんが、おそらく然別湖を訪れたらタウシュベツ橋梁跡がある糠平湖まで行きたくなるはず。
さすればもう一本峠道を超えて走行距離100kmを超えるため、もはや峠道を引き返して南富良野へ戻る理由が見当たりません。
十勝地方をじっくり楽しむなら「帯広に泊まれば良いのでは」の声が聴こえてきます。
こちらは、NHK連続テレビ小説のロケ地巡り、清水町にある北海道ガーデン街道「千年の森」ぐらいが目一杯に見えます。
さりとて、北海道のロードトリップにおいては、脳裏に焼きつくような印象的なシーンは往々にして目的地ではなく道中にあったりするものです。
緯度が高い北海道の夏は日が長いですから、十勝方面から南富良野に戻る道中に幻想的なマジックアワーの空に出会えるかもしれません。
帯広まで片道約100㎞を要するものの、峠道は狩勝峠くらいなもので、あとは十勝平野を抜けるまっすぐ一本道。
新得側までいけば国道38号線沿いにお店が点在しているため、北海道ガーデン街道巡りの後にお食事もできます。
帯広までであれば、滞在拠点としても使えます。
もうひとつ提案として、占冠村トマムの雲海テラス。
以前リゾナーレトマムに3泊宿泊した際に、早朝の雲海テラスで雲海を見られたのは一度だけでした。
雲海予報を確認して、雲海発生確率が高ければ雲海を見に行くのも選択肢のひとつ。
最低でも3時30分には、目覚ましアラームをセットしてください。
すべては訪日観光客の動向次第かもしれませんが、スキー場がオープンする時期については宿泊予約が取れない可能性はもちろん、それに伴い宿泊料金が大きく跳ねる可能性もあり得ます。
星野リゾートトマムや新富良野プリンスホテルの滞在ももちろん良いですが、朝食ビュッフェよりも新雪のパウダースノーを優先したい方にとっては、相当に重宝する宿泊先でしょう。
今回驚いたのは、富良野のラベンダー園が見ごろを迎える7月の週末とはいえ、フェアフィールド道の駅シリーズの駐車場が埋まっていたこと。
「富良野」ブランドが長年築いてきた、揺るがない強さを感じさせました。
「北海道」「十勝」「富良野」「美瑛」、これらは、どこへいっても別格です。
住所:〒079-2403 北海道空知郡南富良野町幾寅555-1
電話番号:0167-56-7555
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜11:00