2010年、東京国際空港の新国際線ターミナルとしてオープンした羽田空港国際線旅客ターミナル。
出国手続き前の3階出発エリアからエスカレーターで4階に上がると、江戸の町並みを再現した「江戸小路(えどこうじ)」が現れます。
お食事やお土産の販売を行うエリアです。
その奥、国際線ターミナルの4階と5階を結ぶ、訪日観光客が喜びそうな「檜でできた橋」が完成しました。
「はねだ日本橋(Haneda Nihonbashi Bridge)」です。
はねだ日本橋 Haneda Nihonbashi Bridge
1603年に架けられた日本橋を再現した橋
「はねだ日本橋」は、1603年(慶長8年)に現東京都中央区に架けられた日本橋をベースに復元した檜製の橋です。
羽田空港国際線旅客ターミナルの出国前エリア4階にあります。
パンフレットが設置されており、日本語と英語で併記してあるので、訪日外国人の方も内容を見ながら楽しめます。
江戸幕府開闢とともに創架された日本橋。江戸の中心、日本の中心にある橋として、旅人達が行きかう五街道の起点として、当時の人々に愛された橋でありました。現代の江戸・東京の旅の起点であるこの羽田空港国際線ターミナルに当時の日本橋を復元した「はねだ日本橋」。旅への架け橋として、どうぞご贔屓に。
羽田から旅立つ旅人への、粋なメッセージ。
日本橋を起点とする五街道とは「東海道、中山道、甲州道中、日光道中、奥州道中」を差します。
はねだ日本橋のスペック
全長と幅は「当時の日本橋の2分の1スケール」。
細部は同じ寸法・形状・素材で再現しており、ディテールまでこだわっています。
― | はねだ日本橋 | 19世紀前半当時の日本橋 | 備考 |
全長 | 25m | 約51m(28間) | 半分の長さを再現 |
幅 | 4m | 約8m(4間2尺) | 半分の幅を再現 |
用材 | 檜 | 檜・槻 | すべて檜による木造橋で再現 |
橋脚 | 4本 | 8本 | 半分の本数で再現 |
宝珠柱 | 394Φ | 394Φ | 宝珠柱・高欄等は実物と同じ寸法で再現 |
擬宝珠 | 銅製 | 唐銅製 | 形状は、現存するものと同形状で再現 |
檜製のため、橋の上を通りかかると「檜の香り」が漂います。
橋はゆるやかに傾斜しているため、3階チェックインカウンター側から見たときの曲線美が美しい。
そちらからの景観も見どころです。
はねだ日本橋の宝珠柱(Orb-topped newel post)の直径は394mm。
擬宝珠(Orb cap)も銅製で、旧日本橋を見事に復元。
橋脚も檜製で、桜とのコラボレーションが見事です。
江戸図屏風
壁面には、国立歴史民俗博物館所蔵の「江戸図屏風(Edo period folding screens)」より、「江戸内各所の賑わうシーン」をピックアップ。
江戸時代初期の江戸近郊の景観です。
江戸小路側から「浅草、寛永寺、神田周辺、日本橋、江戸城、京橋・新橋周辺・増上寺、八丁堀・築地周辺、富士山」の並びに。
はねだ日本橋の場所・行き方・アクセス方法
この「はねだ日本橋」ですが、地方のシャッター商店街並みに閑散としています。
人がほとんどいません。
理由は明白で、いかんせん場所が悪すぎる。
加えて、行き方が分かりづらい。
はねだ日本橋へのアクセス方法は3種類あります。
- 4階のレストラン&ショップエリアの「おこのみ横丁」の通路から
- 3階の出国前エリアの左端エスカレーター(orエレベーター)から
- 5階のTIAT Sky Road→お祭り広場から
一番分かりやすいのは、4階のおこのみ横丁の通路から向かうルートだと思います。
後付けで作っているので難しい話かもしれませんが、せめて「はねだ日本橋を渡って江戸小路へ行く」動線にしてほしかった。
お祭り広場
はねだ日本橋の5階側に隣接する「お祭り広場」。
お祭りの櫓(やぐら)と赤ちょうちんがライトアップ。
赤い傘と腰掛け、50㎡程度の空間があります。
訪日観光客の方がメッセージを書いてお札を飾る場所も。
メッセージボードのお札はで自販機で購入可能。
1個500円と金額は少々高め。
照明の光量も考えてつくられた「はねだ日本橋~お祭り広場」区間は、落ち着きがあり良い雰囲気を醸し出しています。
おわりに
はねだ日本橋は、日本出国前に日本を感じられるスポット。
所要時間15分ほどで周れます。
羽田空港国際線旅客ターミナルを利用する際は、ぜひお早めに空港を訪れて「はねだ日本橋」周辺を見学されてみてはいかがでしょうか。