モンテウルグル キリスト像の建つ旧要塞(サンセバスティアン,スペイン)

サンセバスティアン モンテウルグルのキリスト像

美食の町、スペイン北部バスク州のサンセバスティアン。

美味しいピンチョスを求め、バルを梯子して周る…といっても、現実には連続3、4店舗が限界!

お腹がいっぱいになったら、モンテ ウルグル(Monte Urgull)へ足を運んでみてはいかがでしょう?
サンセバスティアン旧市街の裏手にある山です。

モンテウルグル Monte Urugull

サンセバスティアンの市庁舎とモンテウルグルのキリスト像

サンセバスティアン旧市街の裏側。
鬱蒼とした緑に隠れた砦の頂点に建つ、キリスト像。

モンテウルグル(Monte Urgull)の歴史の始まりは、ナバラ王国時代の12世紀に建築された軍事要塞Castillo de la Mota(モタ城)。
その後、周囲に防御壁と砲台が設置され、スペイン独立戦争の際にはサンセバスティアンを占領したフランス軍とイギリス軍・ポルトガル軍が戦火を交えた戦い(Siege of San Sebastián、1813年)の舞台となります。

1813年サンセバスティアン包囲戦の進軍ルート(パブリックドメイン)

サンセバスティアン包囲戦の進軍マップを見てみると、現在のサンセバスティアン 旧市街があるエリアは星型のバロック式要塞が築かれていたことが分かります。
連合軍が略奪・炎上させて破壊したようです。

サン・セバスティアンの急襲、デニス・ダイトン(英語版)作

サン・セバスティアンの急襲、デニス・ダイトン 作(パブリックドメイン)

サンセバスティアン モンテウルグルのキリスト像

現在、山頂にある旧モタ城跡には、キリスト像「Sagrado Corazón(1950年)」が町を見守るように静かに佇みます。

モンテウルグルのマップ

モンテウルグルのマップ(※クリックで拡大します)

モンテウルグルの入り口は4箇所。
旧市街のサンタマリア教会(Basílica de Santa María)、サンテルモ博物館(San Telmo Museum)、港の脇道、西側のPaseo Nuevo(Construcción Vaciaの近く)。

今回はサンタマリア教会の脇にある細い路地から山頂を目指します。
サンセバスティアンの公式サイトによると、こちらは最も古い歴史を持つ道だそうです。

案内図にはバスク語、スペイン語、フランス語、英語の4ヶ国語の表記がありました。

サンタマリア教会の脇にあるモンテウルグルの入り口

修道院を横目に石畳の坂道を歩いていく。

ゲートが開いている時間は8:00〜21:00。冬季は8:00〜19:30分。

壁や案内図には落書き。旧市街と比べると少し雰囲気が良くありません。
いえ、ほとんど晴れることがないという天気のせいかもしれない。

西のモンテイゲルドと比較すると、観光客は少ないです。

モンテウルグルへつづく石畳の道

モンテウルグルへつづく石畳の道

モンテウルグルへつづく石畳の道

ビスケー湾から吹きこむ激しい海風に揺られる、赤・緑・白のバスク州旗。

隧道の壁には、バスク十字のラウブル(Lauburu)が入ったプレートが打ち付けてありました。

Begiratokiko baluartea(Baluarte del Mirador)

Begiratokiko baluartea

Begiratokiko baluartea

モンテウルグルの中腹にある展望台、バスク語でBegiratokiko baluartea(スペイン語:Baluarte del Mirador)。

南東方面にサンビセンテ教会とZuloaga Plazaを望む。
教会の右手にあるテラコッタの屋根の一帯がサンセバスティアン旧市街です。

Zurriola hondartza

東に目を向ける。

ビスケー湾に注ぐウルメア川の奥には、Zurriola hondartzaビーチ。
サーファーが集うビーチのようです。

南側の樹木の間からはラ コンチャ ビーチ(La Concha)が見えます。

つい数時間前まではお天気が良く、たくさんの人で賑わっていました。

サンセバスティアンのモンテウルグル

展望台を出て側道に入り、頂上へ歩を進めます。

Gobernadorearen bateria(Batería del Gobernador)

バスク語でGobernadorearen bateria(スペイン語:Batería del Gobernador)

1719年〜1728年に建設された砲台です。
砲台は二層になっており、下層(Lower)は北東の海側、上層(Upper)は南側の旧市街に大砲を向けていたようです。

外壁からオーバーハングした見張り台。

Motako gaztelua(Castillo de la Mota)

モンテウルグル山頂のMotako gaztelua(Castillo de la Mota)へ。
旧市街を歩き出してからちょうど45分です。

サンセバスティアン モンテウルグルのキリスト像

上を見上げると、高さ12mのイエス キリスト像(Sagrado Corazón)。

モタ城の入場時間は夏季8:00〜20:00、冬季8:00〜19:30。

サンセバスティアン モンテウルグルのCastillo de la Mota

現地看板の説明によると、ナバラ王国時代となる12世紀に建築された軍事要塞モタ城は、四角い形の塔だったようです。

サンセバスティアン モンテウルグルのCastillo de la Mota

サンセバスティアン モンテウルグルのCastillo de la Mota

サンセバスティアン モンテウルグルのCastillo de la Mota

モンテウルグルから望むラ コンチャ ビーチの眺望

南側のラ コンチャ ビーチがよく見えます。

北側には小さな礼拝堂(Capilla del Santo)がありました。

ゆっくり写真を撮影しながら往復するのにかかる所要時間は、2時間弱。

モンテイゲルドの方が見晴らしがよく開放感がありますが、モンテウルグルの鬱蒼とした雰囲気もまたよいものです。

モンテウルグルの場所・行き方・アクセス

サンセバスティアンは雨が多いと聞いていましたが、本当です。
お出かけの際は突然の雨に備え、折り畳み傘やゴアテックスのレインコートを用意しておくことを推奨します。


サンセバスチャン モンテイゲルド展望台からの眺望
モンテイゲルド サンセバスティアンの高台から望むラ コンチャ湾(スペイン)

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