台北の市街地の東にある緑豊かな山、四獣山。
四獣山のひとつで市内から最もアクセスしやすい山が、象山(Elephant Mountain)です。
中国語ではシャンシャン(Xiangshan)。
台北101からわずか1.3kmの距離にある高さ183mの象山山頂からは、台北101および台北市内の風景を望めます。
台北市内から象山へ向かうトレイルコースが象山自然歩道(Elephant Mountain Hiking Trail)です。
この記事では象山の地図やアクセス・ルート、山頂からの景色については初めて訪れた「2011年5月」の写真・再訪した「2017年9月」の写真を比較してご紹介します。
象山の場所・行き方・アクセス
象山の地下鉄最寄り駅は、MRT淡水信義線の終点「象山駅」2番出口。
象山へアクセスする場合の入口は、主に3つあります。
ルート名称 | 補足 | 象山駅から六巨石までの所要時間目安 |
1.北星賓宮歩道 | 中強公園南側の登山道 | 約25分 |
2.市療歩道 | 臺北市立聯合醫院松德院區の脇にある登山道 | 約40分 |
3.永春崗歩道 | 永春崗公園 | 約50分 |
初めて訪れた時のルートは「北星寶宮步道から六巨石までの往復のルート」、2度目を訪れた際には「北星寶宮步道から六巨石を抜けて一線天に立ち寄り永春崗歩道から下山するルート」で行きました。
初めての台湾旅行で短期滞在(2泊3日や3泊4日)の場合は「北星寶宮步道で六巨石まで行きUターンするルート」を推奨します。
時間に余裕があれば、一線天まで足を伸ばして帰ってくるのも良いでしょう。
先出の象山自然歩道の「案内マップ」はMRT象山駅2番出口を出た目の前正面にあります。
象山自然歩道入り口までの案内看板が随所に設置されており、迷う心配はありません。
象山自然歩道 Elephant Mountain Hiking Trail
台北市内から象山の山頂までのルートは登山道です。
足元はすべて石畳で舗装されています。
傾斜は急なので登り下りには注意。
象を模したモニュメントも随所に増えていました。
実はベンチなので、ひと休みしましょう。
階段の途中で四獣山歩道の踏み石を発見。
四獣山(しじゅうさん)とは獅子、虎、豹、象を指します。
明朝末期から伝わる伝説によれば、台南でオランダ軍を撃退した明朝の軍人 鄭成功が「4つの獣が空で悪さをしている」のを発見。
宝剣で退治したところ、4つの山になり「四獣山」という名前が名付けられました。
六巨石 Six Giant Rocks
象山の頂上付近にある六巨石(Six Giant Rocks)に到着。
その名の通り、6つの巨大な岩がゴツゴツと並んでいます。
巨大岩の上によじ登り、背景に台北101を入れて撮影するのが定番。
現地の案内によれば「この巨大石は1800万年〜2200万年前の堆積砂岩によってつくられた」。
展望台からの写真。
2017年9月撮影。
象山の由来は山の形が寝ている象の姿に似ていることから名付けられており、北方面にその「象の鼻」を確認できます。
象山山頂からの夜景
2011年5月の夕方を訪れた時の写真(夕景・夜景)。
巨大な岩の上から撮影するのがベストポジションです。
刻々と沈む夕日を眺めながら、夜を待ちましょう。
夕日が沈む方角には台湾桃園国際空港があるため、離着陸する飛行機と夕焼けのコラボも楽しめます。
Nostalgic Taipei!
2011年に撮影した台北の夜景。
先ほどの写真(2017年9月)と比較すると、高層ビルが圧倒的に少ない。
わずか数年でこれだけ眺望が変わるとは!
数年後に再訪し、台北の街並みの変遷を見てみるのも面白そうです。
一線天
巨大な岩石が山の斜面で踏みとどまり、岩石と岩石の間に人1人通れる隙間が残った一線天(A Thread of Sky)。
湿度が高く蒸し暑い一日でしたが、岩と岩の隙間は断熱性が高いために涼しい。
おわりに
象山自然歩道の頂上付近や山中では、東京23区にはまずいないであろう大きな蝶やカタツムリなどを見ることもできました。
都心部にこれほどまでに緑豊かな山が残っているのは驚くばかり。
象山へのルートは自然歩道のため、もちろん無料です。
出版社側には紹介するメリットが少ないためガイドブックでは取り扱いが小さく、その分だけ訪れる価値があると思います。
個人的には、台北101の展望台から見る風景よりも、象山の六巨石から見る夜景の方が、苦労して登った分もあり格別でした。
事前に天候をチェックしたうえで、象山から望む美しい台北市内の景色をお楽しみください。