奄美大島マングローブ原生林とカヌーツアー

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望

奄美大島の住用にある黒潮の森マングローブパーク(Forest in Black Current Mangrove Park)

マングローブ原生林をカヌーで漕ぎ進む、カヌーツアーに参加してみました。

黒潮の森マングローブパーク Forest in Black Current Mangrove Park

黒潮の森マングローブパーク

奄美大島の中部、住用(すみよう)にある、黒潮の森マングローブパーク(Forest in Black Current Mangrove Park)

淡水と海水が混ざる「汽水域」の生態系であるマングローブ原生林
マングローブは熱帯・亜熱帯の河口のみに見られる生態系です。

奄美大島のマングローブは八重山諸島の西表島に次ぐ日本国内2番目の規模のマングローブかつ、日本最北端にあるマングローブ原生林となります。

入園料とカヌーツアーの料金

黒潮の森マングローブパークの入園料

マングローブの生態系を学べる「マングローブ館」への入園料は大人500円、子供300円。

「マングローブ原生林カヌーツアー」に参加する場合は1人2,000円。
その中には入園料の500円が含まれています。

「マングローブ展望台」のみの見学の場合は無料です。

マングローブ館

黒潮の森マングローブパークのマングローブ館

住用川と役勝川が合流する河口にあるマングローブの広さは約71ha、東京ドーム15個分。
マングローブを構成する植物は30種類あり、300種類以上の珍しい生き物が生息しています。

マングローブの大方は「オヒルギ」と「メヒルギ」の2種。
それぞれの特徴を事前に知っておくと、カヌーを漕ぐ際もより一層楽しめそうです。

オヒルギとメヒルギ

オヒルギの解説

オヒルギの根は根元はドレッドヘアーのような形状で、周りの泥のなかに「膝根」と呼ばれる膝を曲げたような形状をして根が張り巡らされています。
葉っぱの先はシャープで尖った形状。

メヒルギの解説

一方、メヒルギは根が「板根」と呼ばれる平板状になっており、葉っぱが丸いのが特徴です。

アマミノクロウサギ

奄美大島 アマミノクロウサギの標本

こちらは国の天然記念物にも指定されている奄美群島の固有種「アマミノクロウサギ」の標本。
わたしたちがよく目にする耳の長いウサギは長い過程の進化により生まれたもので、耳の短いアマミノクロウサギはいわばウサギの原型なのだとか。

奄美大島に固有種が多い理由

約1000万年前、現在の琉球列島が連なる場所はユーラシア大陸に繋がっていました。
その後プレートの動きにより大陸から引き裂かれ、現在の琉球列島の形ができます。

中国大陸にいた生き物が地殻変動により琉球列島に取り残される。他方の中国大陸の方は全滅してしまう。
結果、奄美大島には固有種が多くなったといいます(奄美大島の固有種は植物124種、動物29種)。

奄美群島とは|環境省 奄美野生生物保護センター

マングローブ展望台

マングローブ展望台の入り口

奄美大島のマングローブ原生林

奄美大島のマングローブ展望台

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望

右手前が役勝川、左手の2本が住用川です。
2本の川が合流し、奥の住用湾を経て海に注いでいます。

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望

マングローブ展望台からのマングローブ原生林の眺望(パノラマ)

パノラマ写真

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マングローブ原生林カヌーツアー

マングローブ原生林カヌーツアー

マングローブ原生林のカヌーツアー。

所要時間は1時間。事前予約が必要となります。
パークの総合受付でお金を支払い、カヌー発着所へ。

カヌーツアーのご案内(出発時間・料金)

マングローブ一帯の干潮時と満潮時における「干満の差は約2m」。
干潮の時間帯はマングローブのアーチに囲われた細い水路にアクセスできない可能性もあります。
事前に干満の時間帯を調べておくことを推奨します。

www.tenki.jp/wave/10/50/223.html

貴重品はコインロッカーに預けられます(100円)。
仮に荷物をカヌーに持ち込んで紛失や水没をしても、当然自己責任。

一眼カメラをカヌーに持っていくか悩みつつも、水没のリスクを恐れて諦めました。
この先の写真はすべてiPhoneで撮影した写真となります。

マングローブ原生林カヌーツアー

奄美大島マングローブ原生林カヌーツアー

奄美大島マングローブ原生林カヌーツアー

奄美大島マングローブ原生林カヌーツアー

奄美大島マングローブ原生林カヌーツアー

奄美大島マングローブ原生林カヌーツアー

オヒルギの葉の部分をよく見ると、黄色く変化した葉が見えます。

奄美大島のマングローブのオヒルギ

海水に浸かるマングローブの植物は、塩分を一度ろ過。
ろ過しきれなかった塩分を古くなった黄色い葉に送り、その葉を落とすことで塩分濃度を調整している。

落ちた葉は微生物に分解され、それをカニや貝が食べ、さらにそれを食べるために鳥や魚が集まってくる。
そして、鳥の糞がマングローブの栄養になるという見事なサイクル。
海と陸のキワで、海と陸の生き物が生きるための食物連鎖が成り立っているというわけです。

NHK「ブラタモリ」でタモリさんとアナウンサーの方がオヒルギの黄色い葉をかじるシーンがあります。
真似してやってみると、確かに塩っぱい。

ちなみにガイドさんによると上の写真の葉は有毒なので、かじってはダメなのだとか。

黒潮の森マングローブパークの場所・行き方・アクセス

名瀬市内から路線バス「古仁屋」行きに乗り「マングローブパーク」停留所で下車(所要時間約20〜30分)。
または「西仲間」行きの終点で降り、徒歩7分。

バス会社の「しまバス」のウェブサイトのリンクを張っておきます。

shimabus.co.jp/

マングローブパークまで車でアクセスする場合の所要時間目安は以下の通り。

名瀬港:33分(21.4km)
奄美空港:71分(49.1km)

おわりに

マングローブの間をカヌーで漕ぎ進む体験は想像以上に面白く、1時間2,000円のツアーはかなりコスパが高いように思います。

奄美大島のマングローブには不思議な生き物がたくさん。
リュウキュウアユ最大15cmになるヤエヤマヒルギシジミ、それを食べようと攻撃するノコギリガザミ、求愛するために片側だけ大きいハサミを振り下ろすシオマネキ、横だけでなく前後に移動できるコメツキガニ、ミナミトビハゼなど。

1時間のカヌーツアーではマングローブに住む生物を間近でみることは叶いませんでした。
また、一眼レフで撮影できなかったのも心残り。

今回参加した黒潮の森マングローブパークのカヌーツアーは1時間のみですが、隣にあるマングローブ茶屋の方では2時間のサバイバルコースもあるようです。

黒潮の森マングローブパーク
マングローブ茶屋


奄美大島 土盛海岸のムラサキオカヤドカリ
奄美大島の土盛海岸 ムラサキオカヤドカリのパラダイス