バルセロナのグラシア通り(Passeig de Gràcia)に面するガウディ建築の集合住宅、カサ ミラ(Casa Milà)へ。
カサミラ Casa Milà
バルセロナのグラシア通りには、19世紀後半から20世紀初頭に建築された著名な建物が多数並びます。
その中のひとつが、アントニ ガウディ建築のカサミラ(Casa Milà)。
スペイン語で「採石場」「石切場」を意味するラ ペドレラ(La Pedrera)の異名を持つその建物は、まるで岩山をくり抜いて作られたかのようなユニークな風貌をしています。
曲線を描く石造りの外壁。
異なる窓枠、ライン、窓の大きさ。
交差点から対角にそのファサードを見上げれば、経済合理的という言葉の対岸にある建物だということがすぐに見てとれます。
カサミラの施主は実業家のペレ ミラと妻のルゼー セギモン。工期は1906年〜1912年。
メインフロアは施主の住まい、他はアパートとして賃貸に。
妻のルゼー セギモンは1964年に亡くなるまでカサミラに住み続けました。
1984年に「アントニ ガウディの作品群」として世界文化遺産に登録。
カサミラ(La Pedrera)の入場料、公式サイトからの予約方法は下記記事をどうぞ。
ファサード Façade
直線・直角がない流線型の壁面。
バルコニーにある欄干の素材は鉄。
バルコニーの形状・大きさそのものがすべて異なるため、同じ形はありません。
コートヤード Courtyard
マンションの入り口を抜けると、円形のコートヤードへ。
ねじれながら張った蔓植物のような階段部。
森の中を舞う蝶々の模様から着想を得たと思われる、正面玄関。
住民が出入りするゲートは両端に。
中央部は車の出入り口。
現代では集合住宅に車の出入り口がある光景はごく普通ですが、20世紀初頭の当時は斬新なアイデアだったようです。
屋上 Roof Terrace
エレベーターに乗り、カサミラの屋上へ。
建物の屋上なのに高低差があるため、何とも不思議。
本物の採石場のよう。
ローマの兵士の兜を装着したガーディアンは、すべて煙突。
屋上部に吹きこむ風を煙突部に取りこみ、気圧差により煙を排出するという仕組み。
北東の方角10ブロック先にあるサグラダファミリア、受難のファサード。
グラシア通りの並木の先にはガウディが建築したカサバトリョの姿も。
約4.6km北西にサグラット コール教会。
屋根裏 Attic
屋根裏は展示スペースに。
ガウディが建築した建物の模型や家具が展示されています。
クジラの背骨から着想を得た、270本の煉瓦造りのアーチ。
自然界から取り入れた、デザインと機能の両方を満たすガウディの発想は屋内にも。
ガウディが着想を得た「自然の」デザイン。
自然のデザインというと違和感がありますが、動物から植物までありとあらゆるものには形があり、そしてその形になったのには理由がある。
展示されている品を見て、あのデザインはもしかして…と自分なりに思考を巡らすのも面白い。
ガウディがデザインした家具の展示。
これらの家具もすべてデザインと機能を両立させたもので、背骨やお尻、指にフィットするように細かな設計がなされています。
それぞれの家具がいかに身体にフィットするか?をムービーで確認。
思わず唸らされます。
居住空間 The Pedrera Apartment
カサミラの居住スペース。
リビングダイニング、寝室、キッチン、子供部屋。
建具に付いている金属製の取っ手(ハンドル、ドアノブ)はガウディのデザイン。
ガウディがデザインした家具同様、人間工学上で最適な形状になっています。
上の写真の取っ手は、一見すると使いづらいようにも見える。
しかし、実際に握ってみると見事なまでに手にフィットするので驚きました。
子供部屋の床のタイル。
カサミラが面するグラシア通りの歩道部分にも使われています。
ギフトショップにはドアノブの形状をしたマグカップも。
カサミラの子供部屋に使われていたグラシア通りのタイル。
カサミラの場所・行き方・アクセス
地下鉄のDiagonal駅から徒歩2分。