大阪の中心部を南北に走る、御堂筋沿いに開業したW大阪(W Osaka)のホテル宿泊記です。
W大阪 W Osaka
ここは、名だたる高級ブランドが並ぶ、大阪の御堂筋です。
ゆったりとした幅員の歩道に、整然と落葉樹の銀杏が並ぶ目抜き通り。
上を見上げると、漆黒の建物に輝くWの文字。
W大阪(W Osaka)。
日本初進出のホテルブランドです。
Marriott Bonvoy参加ホテル。
ホテルのコンセプトは「泊まるだけのホテルじゃない、クリエイティビティを解き放つ『大人の遊び場』」。
江戸幕府により過度な贅沢が禁止されていた時代、「大阪商人たちは、表向きは控えめで物静かな装い、内々では豪華さを極めた粋な遊びを楽しんだ」ことから、大阪商人の遊び心を表現したデザインが空間の随所に散りばめられています。
建物のデザイン監修は世界的な建築家の安藤忠雄氏、開発は大阪発祥のハウスメーカー 積水ハウス。
総客室数337室、内スイートルームが50室あります。
「巨大な鉱石による研ぎ澄まされた結晶体」をイメージしたという黒色の外観。
建物は地上27階建です。
今回は開業から1週間後の宿泊となります。
ホテルの車寄せ・入り口は東の御堂筋側ではなく、西側です。
Wの文字が象られた特注の壁面を見上げつつ進むと、ピンクのネオンの中に入り口があります。
御堂筋側に伸びる通路は、一方通行の出口です。
濃淡が美しいピンクネオンは、桜の花びらのように華やか。
1Fのスタッフさんのお話によると、「春夏秋冬」季節ごとに色が変わるとのことで、訪問ごとに違う表情を楽しめそうです。
ホテルのレセプション、ロビーは「Wフロア」の3F。
エレベーターの中にも、縦横無尽に走るネオンライト。
3Fのレセプションにてチェックイン。
マリオットBonvoyチタンエリート特典について、口頭で説明があったものの、会員特典の紙を渡されず。
朝食の営業時間の説明もなく、エレベーターに乗る際にこちらから聞いて教えてもらいました。
上の写真は、お部屋に残されていたプラチナエリート特典の紙。
なぜこの紙がお部屋に残されていたのか、その理由は後々に分かります。
ホテルが混雑しているため、チェックアウトの際はレセプションを通す通常のチェックアウトではなく「エクスプレスチェックアウト」を利用するように促されます。
予めデポジットを預けておき、レストランやミニバーの利用分を差し引いて決済する方式です。
Wホテル大阪にクラブラウンジはありません。
スイートナイトアワード申請は通りませんでした。
客室階のエレベーターホール、内廊下のデザインも思わず目を奪われます。
片側はトタンのような凹凸のある意匠のため、ピンクネオンの陰影が良い塩梅に浮かび上がっていました。
客室のアクセントカラーは「ピンクまたはブルー」の2種類あり、フロアによって色が異なります。
アイスキャンディーが描かれた、カラフルなルームキー。
お部屋のテーブルとマッチします。
スペクタキュラー, 1 キング, シティビュー, コーナールーム Spectacular Guest room, 1 King, City view, Corner room
宿泊する客室は、スペクタキュラー, 1 キング, シティビュー, コーナールーム(Spectacular Guest room, 1 King, City view, Corner room)。
広さは42㎡、御堂筋に面する北東角部屋です。
ベッドルーム
さて、暗がりの廊下を抜けて、角部屋の客室に入ろうとすると…何やら様子がおかしい。
お部屋の中に誰もいないものの、掃除がまだ終わっていない模様。
その後、清掃スタッフの方が申し訳なさそうにお部屋に入ってきたので、「問題ありません。ゆっくり慌てずに、いつも通りに清掃してください」とお伝えする。
ここが「地獄の入り口(後述)」でした。
角部屋のため室内は自然光のみでも十分に明るいです。
テレビモニターが目立つ場所にあるのは残念ですが、配線が隠す工夫がなされています。
客室のサイドテーブルはレトロライクでメカメカしいデザイン、丸型のボタンアイコンが描かれており可愛さも感じられます。
照明は片側が黒い傘のスタンドライト。
反対側は白色のペンダントで、異なるデザインでも高さを同じラインに揃えています。
ヘッドボードにはこれまた白い傘のような意匠で、あえて中央に配置していないようです。
照明を付けると天井部に傘の形の陰影が浮かび上がり、和の風情が感じられます。
とても素敵です。
サイドテーブルのボタン「escape」を押すと、照明モードが切り替わり、ソファ背後のガラスにピンク色のネオンが点灯します。
宮城県鳴子の桜井こけし店が、W大阪のためにオリジナルで制作されたというカラフルなこけし。
お部屋によりこけしの種類が異なり、3Fのロビーには多数のこけしが展示されています。
窓側にはミニバーのカウンター。
鏡面仕上げの銀色のペンダントが可愛らしい。
カラフルなKawaiiマグとKawaiiピロー。
ロビー階のショップで販売しており、お土産に購入できます。
さて、客室内を撮影していると、「ミニバーのメニュー表」がないことに気づきます。
そもそも、入室時に掃除が完了していなかったお部屋。
もしかすると、他にも「本来あるはずものがない」のではないか…。
ミニバーを開けます。
このW大阪は「高級ラブホ」とも言われており、その理由はミニバーの中のあるモノに起因します。
「HAVE A SAFE JOURNEY : COUPLES KIT Procuced by TENGA」。
ない。
笑いました。OMOROI!
いえ、おもろくない。
なぜなら、このままの状態でエクスプレスチェックアウトをすると、後日「わたしのデポジットから料金が引かれる」のです。
おそらく、前の宿泊者の方が持ち帰ったのでしょう。
なんということか。
わたしはぜひとも、このブツを買いたかった…のではなく、写真に収めたかった。
W大阪が誇るエージェント、「Whatever Whenever(いつでも、どんなことでも希望に応える)」へコール。
大前提として「お部屋が掃除中だった」点を伝えた上で、「ミニバーの料金表」がお部屋にない旨および「お部屋のミニバーに補充されていないものがありそうなので再度チェックしてください」と伝えると、謝罪ひとつなく「お部屋にあるはずです」との回答。
こちらは「ない」と申し上げておるのですが。
開いた口が塞がりません。
その後「お持ちします」とのことだったので待っていると、サイドテーブルの電話のベルが客室内に鳴り響きます。
「ミニバーのQRコードが付いているハトの置物があるはずです」
ですから!それがないのです。
ちなみに、後から気づきましたが、今、伝えたい「ハトじゃないよ鶴だよ!」
数分後に「ミニバーの料金表」をスタッフさんに持ってきていただきましたが、依頼されたものを追加でお持ちしましたかのような様相。
言葉にしがたい、この温度差。
話変わって、お部屋のテレビモニターに表示されるレストラン営業時間は通常営業時のものだけ。
変則営業の時間帯表示はどこにもない。
もしかすると、チェックイン時に渡し忘れているのではないか。
「Whatever Whenever」にコール。
「現在、レストランが変則営業になっていますが、各お店の営業時間を表記した紙はありますか?」
「そのような紙があるかは、こちらでは分かりかねます。口頭でお伝えしますので宜しいでしょうか?」
驚き桃の木山椒の木。
ゲストの皆様方、電話越しに営業時間のメモを取られているのでしょうか。
そういえば…お部屋までお持ちしますと言っていたスーツケース。
お部屋に入ってから2時間以上経過したけども、どこへ行った?
ウォークインクローゼット。
大阪の街を表現したドット絵が描かれており、ポップで可愛い空間です。
W大阪だけでなく、道頓堀のグリコやドンキホーテの観覧車が描かれており、自分と似た人物を探すのも楽しいでしょう。
絵を見るために一度ハンガーを撤去。
ハンガーは12個、十分な数があります。
逆側にはアイロン、靴用ブラシ、シューシャインサービス、スリッパの用意がありました。
Wのロゴマークが入った黒色のバスローブ。
ふんわり、やわらかな着心地です。
W Hotels Worldwide。
ふっくらとした肌触りのスリッパ。
ターンダウン。
お部屋の照明は「escape」モードに切り替えられ、ソファのKawaiiピローは目を閉じ眠りに付いていました。
このあたりの演出も素敵です。
さて、ターンダウン時にミニバーの中身を再チェックするよう依頼していましたが、チェックした様子はなく、「HAVE A SAFE JOURNEY : COUPLES KIT Procuced by TENGA」は追加されていません。
再び「Whatever Whenever」へコールし、一連の流れを伝えると「○○様のお部屋のコンドームは請求しないようにしておきますんで!」とのこと。
一体、このやり取りは何プレイ。
続いて、ネスプレッソマシンが作動しないトラブル。
文章が長くなるため全て割愛しますが、この時の「Whatever Whenever」とのやり取りも酷いものでした。
結果、ネスプレッソの故障ではなく「ミニバー脇のコンセント・USBすべて電気が通っていません」でした。
バスルーム
開口部の大きい窓が用意されたバスルーム。
高級感が感じられる大判のマーブル模様の壁面に、白の洗面台、バスタブが並んでいます。
とても素敵。
お風呂はビューバスで、本町方面や御堂筋を一望しながらバスタイムを楽しめます。
ただし、外からは丸見え、特に夜間。
かつ、ブラインドの上下操作が手動になるため、気を付けないと外から全部見えてしまう点を留意しておいた方が良さそうです。
ボディクリーム、バスソルト、ボディミトン。
ゆったりとしたシャワールーム。
ハンドシャワーとレインシャワーの2種類あるものの、ハンドシャワーは海外で時折見かけるストレートタイプで、若干使いづらいかもしれません。
アメニティ
バスアメニティはイタリア パルマ生まれのナチュラルヘアケアブランド、Momo。
歯ブラシなどのアメニティキットは、カバーのデザインに遊び心が感じられる。
ドライヤーはサロニア。
Living Room
ロビー階(3F)にあるレストラン、Living Room。
ロビーラウンジとバーが一体になった空間は、ホテルの概念を覆すかのような斬新な空間です。
大阪の街のネオンからインスピレーションを得た吊り下げの照明は圧巻。
真っ赤なお立ち台、DJブース、提灯型の照明など、唯一無二の空間で特別な体験ができます。
日中は予約必須のアフタヌーンティー、夜はバーカウンターでグラスを傾けるのも良いでしょう。
リビングルーム G&T
(ヘンドリックス ラベンダー、胡瓜、メディタレーニアン トニックウォーター)
ハイビスカス フィズ
(ローズウォッカ、ハイビスカス、レモン、ラズベリー、スパークリングワイン)
ブルーベリーフィズ
(ブルーベリーウォッカ、クレームドミュールソーダ)
こちらはインルームダイニングで注文した100%神戸ビーフパテのハンバーガー。
バンズはW大阪を象徴するピンク色になっており、ビーツから着色。
Wプリン ア ラ モード。
お値段の割には、見た目も味も以外に普通。
こちらよりは、後述するMIXupに行ってスイーツとお茶を楽しむことをおすすめします。
客室のクローゼットにも描かれているドット絵は、ティーカップ、コースターにも使われています。
通りがかった外国人の店員さんにコースターの種類のことを尋ねたら、胸ポケットからコースターを取り出して「このコースターは3つあります!全部アゲマス!」とプレゼントしてくれました。
溢れんばかりのホスピタリティ。
遅ればせながら、この出来事がW大阪でのステイが楽しくなりはじめる契機になったことに間違いありません。
朝食 Oh.lala…
朝食はロビー階(3F)にあるフレンチレストラン「Oh.lala…(オーララ)」にて。
ミシュランの星付きフレンチシェフ「La Cime」の高田裕介シェフと提携しているお店です。
ビュッフェスタイルではなく、全て席までサーブしていただけます。
メニューは4種類。
アメリカンブレックファスト、日本の朝ごはん(和定食)、デトックスブレックファスト、コンチネンタルブレックファスト。
フレンチレストランということもあり、おすすめは「洋食」とのこと。
今回はアメリカンブレックファストと、和食をオーダー。
シグネーチャーディッシュ、エッグベネディクト。
ハーブ鶏の卵は、驚くほど黄身が赤くて濃厚。
オランデーズソースはやや少なめ。
もうちょっとあると嬉しい。
ベーカリーは種類豊富。
Wらしいカラフルなラインナップ。
ピスタチオのクロワッサンとベリーのチョコデニッシュは、表面がクッキー生地、中はクリームが入った甘い仕上がり。甘党の方はぜひ。
苺の乗った小さなチョコデニッシュが一番好みでした。
和食は洋食ほど期待していませんでしたが、なかなかのクオリティー。
ハーブ鶏の卵を使用した出汁巻き卵、ふっくらした焼き鮭も美味しい。
和食を注文した場合も、ベーカリーはいただけます。
朝食は味、提供スタイル、盛り付けも満足できるものでした。
スタッフさんもマネージャークラスの方が数名いらっしゃることで非常に安心感があり、ゆっくりと食事を楽しむことができました。
レストランは朝日が差し込む東側に面しており、座席の半分近くが自然光の入る窓側に面しています。
照明の光は入ってしまうものの、半逆光・サイド光で撮影しやすいため、美味しそうな写真を撮影しやすい環境です。
背後に「角度斜め45℃の鏡」が設置された席もありました。
鏡に反射させて料理を撮影すると、オリジナリティのある写真が撮れそうです。
プール Wet Deck
プール、フィットネス、スパは4Fにあります。
プールの営業時間はMon-Sun: 06:00 AM – 10:00 PM。
原則有料となります(1滞在あたり6,325円)。
スイートルームの宿泊者は無料。
マリオットBonvoyプラチナ会員以上の場合、「プラチナ会員以上の資格を持つ本人のみ」無料で入場できます。
つまり、仮にプラチナ会員でも無料で入場できるのは本人のみ。
同行者がプラチナ会員以上でない場合には、同行者は有料となります。
プール、フィットネスの窓口のスタッフさんの応対は非常に丁寧で親切だったことをここに記しておきます。
プールから窓越しに面するコートヤード。
上を見上げれば…。
フィットネスジム FIT
4Fにあるフィットネスジム、FIT。
ピクトグラムのネオンが描かれた明るく開放的なジムには、最新の機器が揃います。
タニタのマルチ周波数体組成計までありました。
MIXup ミックスアップ
御堂筋に面する1Fのスイーツカフェ「MIXup(ミックスアップ)」
ピエール エルメ パリとコラボしたスイーツを、シェフが目の前で仕上げ、コースで提供するユニークなスタイル。
マカロンカラーの店内は、どこを写真で切り取っても映える可愛さです。
今回はアラカルトでケーキをオーダーしました。
ロックンロール。
ピエール エルメを代表する「イスパハン」のWバージョンといったところ。
見た目は派手ながら、中身は甘さ控えめ。
ローズマスカルポーネクリーム、ラズベリー、ライチの上品な味わいの四角いシューロール。
ヴェルヴェッティ チーズケーキ。
二層に重なるチーズムースと、チェリーソースのスイートな組み合わせ。
ちょこんと乗ったチェリーが絶妙な可愛さ。
柄の部分はチョコレート、中には餡が入ってモチっとしたチェリーの食感が面白い。
こちらはテイクアウトしたマカロン。
W大阪の「Kawaii」マーク入り。
客室のKawaiiピローとkawaiiマグと一緒に撮影してみました。
お土産にも喜ばれそうです。
(要冷蔵、賞味期限約1週間)
写真点数が多いため、その他の写真は別記事にまとめました。
マネージャーさんも素敵な方で、ぜひ再訪したいお店です。
MIXup ピエールエルメとコラボのパティスリーカフェ(御堂筋のWホテル大阪)
2F ブライダル WED YOUR WAY
お時間に余裕があれば、今後は結婚式場として使われる2Fの訪問もおすすめです。
天井部の梁が星型のチャペル、光のルーバーが連なる螺旋階段、陰影が美しい三角形の天井など、思わず見とれてしまう建築美を堪能できます。
W大阪の場所・行き方・アクセス
大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」から400m、徒歩約5分。
感想・総評
ハード面は素晴らしいものの、ソフト面では「優秀なスタッフさんと慣れていないスタッフさんの差」が激しく、お部屋のテレフォンでダイヤル「Whatever Whenever」を押して通話するたびに、心底疲弊します。
IGを見ると、より酷い扱いを受けるVery Hardモードで滞在プレイされているゲストの方もいらっしゃるようでした。
開業したばかりで不慣れな点があるのは理解しております。
しかし、問題はマネージメントにもあると思います。
夜、Living Roomのバーで飲んでいると、W大阪の総支配人の方がバーカウンターの端の席に腰掛けくつろいでいるご様子を拝見しましたが、レセプション周りや「Whatever Whenever」で一体何が起きているのか、今一度ご確認された方がよろしいのではないでしょうか。
終始、目立ちたがりの方のようにお見受けしましたが、一定のサービスを提供できる水準になるまであまり前面に出て来られない方がよろしいかと思いますよ。
再度補足しますと、ハードは素晴らしく、かつホスピタリティが素晴らしいスタッフさんもいらっしゃいますので、W大阪を一緒くたに否定したくありません。
今後の改善に期待。
コンセプトは尖っていて面白く、ハード・デザイン良し、立地良し。
時を経て再び宿泊したい、魅力が豊富に感じられるホテルです。
住所:〒542-0081 大阪市中央区南船場4-1-3
電話番号:06-6484-5355
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜12:00