ニコン(Nikon)のオールドレンズ、Nikkor-Q・C 13.5cm F3.5で撮影した写真を掲載しています。
Nippon Kogaku Nikkor-Q・C 13.5cm F3.5
ニコンのオールドレンズ、Nikkor-Q・C 13.5cm F3.5。
1980年にNikonが社名変更する前のNippon Kogaku Japan(日本光学)が刻まれている。
ニッコール13.5cmF3.5 – Lマウント。3群4枚。アタッチメントはφ43mmねじ込み。レンズ鏡胴部分はSマウントやエクサクタマウントと共通であり、ヘリコイドから後ろを交換すればどのカメラにも使用できた。
ニコン公式サイトの「ニッコール千夜一夜物語(第四十三夜)」に1947年発売の「Nikkor-Q・C 13.5cm F4」が紹介されています。
村上三郎氏による設計で、F3.5はF4の改良型。F3.5の発売年は1950年。
www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0043/index.html
F3.5の前のモデル「Nikkor-Q・C 13.5cm F4」は、報道写真家のDavid Douglas Duncanが朝鮮戦争に持ちこんだレンズのひとつ。
その物語はニコン公式の「世界が認めたメイド・イン・ジャパン ダンカンとニッコールレンズの出会い」で紹介されており、ずっしりと重たいこのレンズの系譜・物語を知ると、より一層撮影が楽しくなりそうです。
www.nikon.co.jp/corporate/history/oneminutestory/1950_nikkor/
Occupied Japanが「第二次世界大戦の終戦後からサンフランシスコ講和条約が発効する1952年4月28日まで」と定義するのであれば、Nikkor-Q・C 13.5cm F3.5も漏れなくその中に入ります。
光学照準器や測距儀を生産する軍需産業から民需産業に軍民転換する中で生まれたレンズ。
70年の時を経て、どんな景色を写し出すのでしょうか。
Nikkor 135mm F3.5|Amazon.co.jp
Nikkor 135mm F3.5|Rakuten.co.jp
135mmなのでポートレート向きのレンズなのかもしれません。
しかし、このサイトは個人旅行の記録を残すブログであり、途端にモデルさんを撮影したりはしません。
「とにかく移動し、とにかくシャッターを切る」
普段通りの感覚で、どんな絵を撮ることができるのか。
従来と同じスタンスで撮影していきます。
発売年:1950年
焦点距離:135mm
絞り値:F3.5-F32
レンズ構成:3群4枚
最短撮影距離:1.5m
フィルター径:43.5mm
絞り羽根:10枚
重量:650g
K&F Concept レンズマウントアダプター KF-39E(ライカLマウントレンズ → ソニーEマウント変換)|Amazon.co.jp
以下、撮影機材はすべてソニーのα7Riii。
撮って出しではなく、現像しています。
Nippon Kogaku Nikkor-Q・C 13.5cm F3.5で撮影した作例
札幌の西3丁目通り(大通公園)から約700m北に離れたJR札幌駅を撮影する。
同じ場所から、Super35mm(APSCサイズにクロップ)を使って撮影。
Super35mmを使って大通公園の西側を撮影。
その存在感を示すのは大倉山ジャンプ競技場。
さっぽろテレビ塔の鉄骨越しに。
札幌駅前通り(大通公園)から約550m南にある、薄野のニッカの看板。
Super35mmで撮影。
おわりに
このレンズをフライト12時間かかるような場所まで持ちこむことは想像しにくいですが、それでは話が終わってしまうので…。
そこで、自分が過去を訪れた場所の中で、このレンズで撮影してみたい場所を挙げてみる。
バルセロナのサンパウ病院側から撮影するサグラダファミリア。
サグラダファミリアの彫刻家 外尾悦郎さんが著書の中で最も好きなサグラダファミリアと仰っていた構図。
グラナダのアルバイシン地区で夕日を待ちながら笑顔で語らう人々。
主役のアルハンブラ宮殿は、背景に。
猫を含む動物の写真。
シンガポールの熱帯雨林の中で出会った野生のキタカササギサイチョウや猿も、このレンズならもっと寄れたかもしれません。
ライカ50mm F3.5 赤エルマー ダイヤモンドマーク(Leica 50mm F3.5 Red elmar with diamond mark)|オールドレンズ