ヘルシンキで捕まってしまいました。
娑婆に出るまで皆さま、ごきげんよう、さようなら…。
というのは冗談でして、刑務所を改装したホテル、ホテル カタヤノッカ ヘルシンキ(Hotel Katajanokka Helsinki)の宿泊記です。
ホテル カタヤノッカ ヘルシンキ Hotel Katajanokka Helsinki
ホテル カタヤノッカ ヘルシンキ(Hotel Katajanokka Helsinki)はヘルシンキ・カタヤノッカ地区にあるマリオットインターナショナル系列「A Tribute Portfolio Hotel」ブランド加盟のホテル。
刑務所としての歴史は古く、1749年に木造の刑務所として建築され、1800年に石造りの刑務所として改築。
1837年には現在残る建物の最も古い箇所となる囚人室やヘルシンキ内で2番目に古いチャペルが誕生しました。
2002年に刑務所としての役目を終え、2007年にホテル カタヤノッカとして開業。
ラテン十字の形状をした建物。
ヘルシンキで2番目に古いチャペル。
そして、かつて囚人たちが超えたくても超えられなかった高き壁は刑務所として使われていた当時のままです。
刑務所ということもあり、ホテル立地はヘルシンキ中心部から離れているかと思いきや、そこはコンパクトな町ヘルシンキ。
ホテルの目の前から出ているトラムに乗ってしまえば、ヘルシンキ中央駅までも乗車10分かからない距離です。
エントランス横のサイン。
「Escape the ordinary.」
「日常から脱せよ!」とかそういう意味でしょうか?
遊びゴコロがあってよいですね。
建物の構造駆体は刑務所時代のものをそのまま利用。
しかし、さすがに内装や調度品は刑務所の当時とは異なります。
レセプションへ続くホールのペンダント照明、木製の梁、レンガのアーチ、凹凸のあるパステルブルーの柱。
素敵な雰囲気です。
チェックイン。
客室を最上級のお部屋にアップグレードいただき、さらにはレイトチェックアウトの提案までしていただけました。
ホテルの内廊下。
自分が思い描いていたイメージ通り。
まさに刑務所という配置。
さっそく刑務所内…ではなく、ホテル敷地内を探検したくなってしまうのですが、それは後ほど。
フロアマップを見て気づいたのは、刑務所時代のドアの大多数が黒塗りでつぶされている点。
刑務所時代の狭い部屋をそのままゲストの客室として利用できるはずもなく、内壁を取っ払って複数の部屋をひとつにまとめています。
今回割り振られた番号は320です。
お世話になります。
ジュニアスイート サウナ付き Junior suite with Sauna
客室は32㎡のジュニアスイート サウナ付き(Junior suite with Sauna)。
あくまでも想像に過ぎませんが「建物の隅に位置している点」と「大きな開口部」から、刑務所時代は警備員の部屋だったのではないかと思われます。
ベッドルーム
当時使われていたものでしょうか?
壁には赤錆びた鍵と南京錠が掲示されていました。
ミニバー。
ヘルシンキで宿泊した他のホテルではスリッパがないケースもありましたが、ホテルカタヤノッカの客室にはスリッパの用意もありました。
サウナ
日本人に馴染み深いサウナ。
サウナ発祥の地であり、世界サウナ選手権(サウナ我慢大会)のあるフィンランドらしい設備です。
ひさしぶりにサウナに入ってみると、バスタブに溜めたお湯に浸かるよりも疲れが取れる気がします。
サウナが客室にあるのは嬉しいポイント。
サウナの温度コントロールは5段階。
入浴中は熱くなった石に水をかけて温度と湿度を調整します。
ちなみに、ホテルカタヤノッカの地階には共用サウナがあります。
サウナで汗をかいた後は、ミニバーに入っていたフィンランドのお酒ロンケロで乾杯!
グレープフルーツでさっぱり!爽快です。
バスルーム
アメニティ
旧刑務所内を徘徊する
ホテルにある歴史解説によれば、第二次世界大戦のソ連とフィンランドの継続戦争(Continuation War)においてソ連軍から爆撃を受け、北東側の壁が10m崩落した模様。
何の説明もなく置かれた銅像。
おそらく、第二次世界大戦の間にフィンランド大統領であったリスト リュティ(Risto Ryti)ではないかと思われます。
継続戦争の際にソ連とナチス ドイツを欺き、フィンランドの独立を維持。
戦後禁固刑になり、カタヤノッカの刑務所に収容されました。
フィンランド救国の英雄です。
ホテルの扉とは思えないほどに、小さな客室扉。
刑務所時代の名残を至るところに確認できます。
218号室には「Volvo Markanen」と刻まれた金色のプレート。
本名はMatti Markkanenなる有名な人物で、ボルボの車を盗むことからこの愛称になったのだとか。
おそらくこの部屋に「滞在」していたのでしょう。
階段の壁に掲示されたギャラリー。
驚きのパステルピンク。
絶対に泊まりたくないです。
牢屋
独房
1Fには一室のみ、当時のままの独房が残っています。
半地下のため、外部の光はほとんど届かない。
少人数の監房
続いて訪れたのは、19世紀に使われていたという少人数の監房(Group cell)。
小さな窓。
立ち上がることもままならないような天井高、傾斜。
仮に19世紀後半だったとしても、当時は牢獄に電気など回せなかったでしょうから、実際のところはかなり暗かったのではないでしょうか。
レストラン
朝食は1FのLinnankellariにて。
1Fといっても先ほど訪れた監獄が残る「半地下のフロア」のため、太陽の光は入ってきません。
爽やかな朝ではなく、鬱屈とした雰囲気の中での朝食。
でも、たまにはそんな朝食もよいでしょう!
エッグステーションはありませんが、マッシュルームやカレリアンピーラッカ、ベリーといったフィンランドの名物料理を食べることができます。
ロビー バー Lobby Bar
フィットネスジム Fitness
広くはありませんが、フィットネスもありました。
半地下になっており、窓が上部にしかありません。
ここでのトレーニングもある意味で思い出深いものになるかも?
ホテル カタヤノッカ ヘルシンキの場所・行き方・アクセス
ヘルシンキ中央駅近くのトラム停留所Lasipalatsiから6駅9分。
ホテル目の前のGördelgatanで下車。
エテラ港のマーケットスクエアから徒歩10分。
Skatuddens Terminalから徒歩5分。
感想・総評
元刑務所の名残が建物の随所に残っており、ホテル敷地内の散策が面白い。
立地も決して悪くありません。
ヘルシンキ中央部から少し離れているとはいえ、ホテルの目の前を通る「トラム4番線」に乗れば、ヘルシンキ中央駅まで乗車10分程度。また、徒歩5分でフェリーターミナル「Skatuddens Terminal」まで行けるため、Skatuddens Terminalからフェリーに乗る場合は前泊利用にも便利な立地です。
(補足です。Tallink & Silja Lineのフェリーを利用する場合は、フェリーターミナルが異なります。
わたしは見事にフェリー乗り場を間違えたため、予約したメガスター号のチケットは塵となりました)
住所:Merikasarminkatu 1, 00160 Helsinki, Finland
電話番号:+358 9 686450
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜12:00