中世のタリンへタイムスリップ?暗闇過ぎるツンケン レストラン III Draakon(エストニア)

エストニア タリンのレストランIII Draakon

エストニア タリンの市庁舎1階にあるレストラン、III Draakon

レストランの中は真っ暗、店員さんがツンケンしている風変わりなお店です。
素朴な味の料理が美味しい!

III Draakon

エストニア タリンのレストランIII Draakon

タリン旧市街のラエコヤ広場。
広場は常に多くの観光客で賑わいます。

そのラエコヤ広場に面する、タリン市庁舎の1階にある暗闇のレストラン。
III Draakon

入り口前には行列ができています。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

エストニア タリンのレストランIII Draakon

店内の灯りは(ほぼ)蝋燭のみ。
とにかく暗い、いや、暗過ぎる。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

そして、見た限りでは店員さんが2人しかいない。
注文、料理の用意、会計まですべて1人。
もう1人は片付け。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

壁には「Rules of the House」の黒板。
食べ終わった後はテーブル上を片付ける、店員さんにチップを支払う(会計時に自動で追加されているはず)。

上記に加え、ここには掲載されていない重大なルールがあります。

それは「店員さんがツンケン」していること。
ツンケンしているという「設定」です。
とにかく無愛想!

エストニア タリンのレストランIII Draakon

わたしは、店員さんがエルクのスープを準備している様子を写真撮影したところ、真顔で怒られました。

「撮影をする時は、事前に許可をもらいなさい!」

と言いつつ、しっかり撮影できるようにポーズ決めててくれましたよね。
あなた、本当は優しいですよね。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

食事メニューは5品のみ。
エルクのスープ、牛肉ソーセージ、リブ肉、ペストリー、乾燥したエルク肉。

今回はエルクのスープ、牛肉ソーセージ、リンゴのペストリー、人参のペストリー、Light Beerを注文。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

エストニア タリンのレストランIII Draakon

エストニア タリンのレストランIII Draakon

暗い、お皿が持ちにくく重たい、ごった返したカウンターからお客さんが自分自身で料理を運ぶので、食べるまで一苦労です。

III Draakon エルクのスープ(ヘラジカのスープ)

まずはお店のシグネチャーメニュー、エルクのスープ(ヘラジカ、Elkmeat soup、€2.50)。

スプーンはなく、持ちにくい陶器に口を付けていただくスタイル。
クセがなく美味しいです。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

牛肉ソーセージ(Savoury sausages of oxmeat、€3.50)。

牛肉の旨味たっぷり!タリンのビールによく合います。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

ビールのコップは飲み口の部分が欠けていました。

しかし、この感じもよい。
現代のレストランなら間違いなく廃棄されてしまうでしょうが、中世の時代なら少し欠けていても大切に使い続けたはず。
物を長く大切に使うことを学ばせていただきます、暗がりの中でビールを飲みながら。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

アップルパイ(Pasty, apple therein、€1.50)と人参パイ(Pasty, carrot therein、€1.00)。
こちらも素朴な味で美味しいです。
お腹を満たすのにちょうどよいかも。

さてさて、こちらのお店では甕に入ったピクルスが無料で食べ放題。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

しかし、甕が暗すぎるためスマートフォンで光を当てねば、中は見えない。

重たい木の棒に2本の金属が付いていますが、C型コンセントのような丸みを帯びた形状をしているため刺せない。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

そもそも、お皿がないので店員さんに「お皿をください」と言ったら、「そのままピクルスを口に入れなさい」と言われる。

…なるほど。
結局、牛肉ソーセージをペストリーの紙に移動し、牛肉ソーセージが入っていた深いお皿を使うことにしました。
人に助けてもらう前に、まずは自分で考えてみる。
またひとつ学ばせていただきました。

木の棒でピクルスを直接刺すという念願は、叶わず。
木の棒で甕の壁に沿わせてピクルスを何とか持ち上げ、甕の上部まで来たら最後は手で掴み取る。
自分は一体何をやっているのだろう。

エストニア タリンのレストランIII Draakon

そして写真を撮ればこの通り、インスタ映えない。

でも、ニンニクと一緒にじっくりと漬けたピクルスも絶品でした。

III Draakonの場所・行き方・アクセス

エストニア タリンのレストランIII Draakon

トリップアドバイザーやGoogleの口コミを見ると、このツンツンした無愛想なスタッフさんの応対に本気で腹を立てている口コミを見かけます。
ずばり、冗談が通じない人は行かない方がよいと思います。

このお店の良さは、まるで嘘のようにツンケンした応対で、まるで嘘のような蝋燭の灯りの中で、己の味覚に全神経を集中させて食事を楽しめる点にあります。
そのファンタジー性がなくなったら、普通のお店ではありませんか!

タリンに行ったらぜひ体験すべき、美味しいレストランです。