オランダ統治時代、鄭氏台湾時代、清国、日本統治時代、そして台湾と、さまざまな年代の建物が残る台南。
台南の中でも、週末は若者を中心に賑わう正興街(Zhengxing Street)。
正興街周辺には有名なソフトクリーム店や、メロンスイーツの美味しいお店、イカ麺が美味しい店があります。
その裏路地。正興街61巷は観光客で賑わう喧騒から一本離れた、独特な雰囲気を楽しめる通りです。
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台南 正興街の裏路地61巷を歩く
台南・正興街近く、國華街三段にあるイカビーフンの人気店「邱家小巻米粉」。
週末のお昼時、邱家小巻米粉には2、30人ほどの行列ができています。
その行列の後ろに続く路地を歩いていく。
イカビーフンのお店から10メートル弱も歩けば、少しずつ雰囲気が変わってきます。
こちらはホテル(民宿)のアトリウム(天井・樹)。
宿泊施設とギャラリーが一帯になった建物です。
老房子(ラオファンズ)柄の窓ガラス。
老房子は古民家に使われていた装飾で、台南の路地を歩くと時折目にするデザイン。
建物の外壁の通風口にもラオファンズの装飾。
新しくて綺麗に整ったものだけが美しい…とは限らない、と教えてくれるような。
様々な素材が見事に調和している、狭い路地。
歩きながら裸眼で見ても、カメラのファインダー越しに見ても、どこかほっとする。
素敵な空間。
台湾の南部にある台南は17世紀中盤までオランダの支配下にありました。
オランダが築いた外海に面した城が旧ゼーランディア城(安平古堡)、台江の外側に面した城がプロヴィンティア城(赤崁楼)です。
ゼーランディア城の城塞にはオランダの統治下だったバタヴィア(現ジャカルタ)の赤煉瓦が使われました。
今も、安平古堡の城壁の一部に当時のものが残っています。
台南の町を歩いていると、当時の赤煉瓦を再利用したものなのか。
赤煉瓦が積み立てられた外壁を見ることができます。
ここ、正興街61巷も、同じく。
赤煉瓦の上で香箱を作る猫ちゃん。
とても器用ですね。
猫に誘われて赤煉瓦に囲われた壁の中に入ると、不思議な空間がありました。
少し揺らせば落ちてきそうな瓦屋根。
朽ちているといえばその通りですが、同時になぜか魅了される場所です。
ここは無人の「茶たまご(茶葉蛋)売り場」。
日本で例えるなら、無人の野菜販売所といったところでしょうか。
茶卵売り場の対面にも、赤煉瓦の外壁の先に空間がありました。
こちらは完全に廃墟で、猫の住処になっているようです。
こういう場所も、数年後はお洒落なカフェに生まれ変わっていそうです。
そして、驚いたのは木製の窓枠の向こう側。
廃墟にガジュマルが絡みついています。
これは、台南の安平にある安平樹屋のような雰囲気。
台南の中心部で見ることができるとは。
狭い通りを抜け切ると、日本にも進出した人気のソフトクリーム屋さん「蜷尾家甘味處散步甜食」の前へ。
台南は、狭い裏路地を歩くのが面白い。
正興街でご飯や台湾スイーツを食べたら、カメラ片手に裏路地散歩がおすすめです。
この記事の文中で紹介したスポットは下記にまとめてあります。