スペイン セゴビアのサマラマラ地区へ向かう坂の途中にポツリと建つラ ベラ クルス教会(Iglesia de la Vera Cruz)を訪れました。
ラ ベラ クルス教会 Iglesia de la Vera Cruz
ラ ベラ クルス教会(Iglesia de la Vera Cruz)はセゴビア市街の北側、サマラマラ地区へ向かう坂の中腹にあります。
La Vera Cruzとはスペイン語で聖十字架を意味しており、1208年に騎士修道会のひとつテンプル騎士団によって設立された。
…との事前情報を持って入場しましたが、現地の案内によると近年の研究では「エルサレムの聖ヨハネ騎士団によって建てられた」という可能性が高くなっているとのこと。
ラベラクルス教会の外観は、エルサレムの岩のドーム(Mosque of the Rock)と聖墳墓教会(Basilica of the Holy Sepulchre)を模したのではないか?とも言われています。
確かに、十二角形の教会は岩のドーム(八角形)とどことなく似ていますし、南側の塔は聖墳墓教会の塔に近しいファサードです。
伝説によればラベラクルス教会はその昔、聖セパルチャー(Holy Sepulchre)と呼ばれていたとの記述があります。
教会壁面の刻印、入り口前に掲げられる国旗にはマルタ騎士団の国章があります。
テンプル騎士団が14世紀にフランス国王フィリップ4世により異端尋問(冤罪)にかけられて消滅した際、その資産は聖ヨハネ騎士団に与えられます。
聖ヨハネ騎士団は本拠地をロードス島・マルタ島に移して活動を続け、フランス皇帝ナポレオン ボナパルトの侵攻により領土を失った後は「ロドス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」という正式名称で「領土を持たない主権実体」として存続しています。
古い壁画が残っている内部の壁面。
やや形状が異なりますが、マルタ騎士団の紋章の元となったものでしょうか?
後陣中央に、十字架に磔にされたイエス キリスト(18世紀)。
後陣左側の聖具室には洗礼者ヨハネ、右側には聖母マリア(Our Lady of the Peace)の彫刻が置かれている。
北側にはキリストの生涯を描いた復活の祭壇画。
中央の階段を上るとエディクラへ。
中央にはムデハルの装飾が施された祭壇があり、その先の穴からは後陣中央のキリストが見えます。
壁面のニッチ。
左手にはフィレルモの聖母のイコン(聖画)、右手には洗礼者ヨハネのイコン。
ラ ベラ クルス教会の場所・行き方・アクセス
ラベラクルス教会はセゴビア城塞の北西、この付近で一番低くなっているエレスマ川(El Río Eresma)を渡った先にあります。
まずは高台のアルカサル側からラベラクルス教会、坂の上にあるサマラマラの街並みを望むのがおすすめです。
かのフランス皇帝ナポレオン ボナパルトが「ピレネー山脈を超えたらアフリカ」と言い残しましたが、ラベラクルス教会の周辺の景色を見るとその言葉の意味が分かるような気がします。
セゴビア城のゲート脇にあるトレッキングルート(階段)を下がって向かいます。
エレスマ川を渡る橋には歩行者用通路がないため、車にご注意ください!
セゴビアの街は高低差が尋常ではないので、帰りは緩やかな坂道のルート(サンティアゴ門)を選ぶ方が負担が少なくよいと思います。
わたしは道中でサンエステバン教会の外観を眺めつつ、マヨール広場に出ました。
ラ ベラ クルス教会のチケット料金・開館時間
住所 | Ctra. de Zamarramala, 40003 Segovia |
電話番号 | +34 921 43 14 75 |
営業時間 | 火:16:00〜19:00 水〜日:10:30〜13:30、16:00〜19:00 (10/1〜3/31は18:00に閉まります) |
定休日 | 月曜日 |
入場料 | €2 |