セゴビア城(セゴビアのアルカサル)|Alcázar de Segovia

セゴビアのアルカサル 夜景

スペイン王国の城塞都市セゴビアの市街地西部にあるお城、セゴビアのアルカサル(Alcázar de Segovia)

1000年近い歴史の中で一度たりと陥落することのなかった難攻不落の城を巡ります。

セゴビアのアルカサル Alcázar de Segovia

セゴビアのアルカサル

セゴビアのアルカサル(Alcázar de Segovia)は古代ローマの要塞があった場所にあります(城の深くにローマ時代の基礎が残っている)。イスラム教徒からセゴビアを奪還した後の12世紀にアルフォンソ6世が改築したのを皮切りに、歴代のカスティーリャ国王・スペイン国王により拡張・大幅改修が繰り返され、最終的に現在の形となります。

アルカサルの北側にエレスマ川・西側にクラモレス川が流れており、大地が削り取られたために北・西・南側は断崖絶壁。お城のゲートである東側にはお堀があり、当時存在していた釣り上げ橋さえあげてしまえば完全に要塞化できました。セゴビアのアルカサルの防御力は高く、約1000年にわたり形を変えながら・度重なる火災に遭いながらもこの地に存在しつづけています。

セゴビアのアルカサルはディズニーランドにある白雪姫城のモデルであるとも言われており、実用的な側面だけでなくその意匠も同時に評価されている興味深い城であります。

MEMO
東京ディズニーランドのお城はシンデレラ城です。白雪姫のお城はカリフォルニア、パリ、香港ディズニーの3箇所。

1985年「セゴビア旧市街と水道橋」で世界文化遺産登録。

セゴビアのアルカサル 場所・行き方・アクセス

アルカサルはセゴビア旧市街の西端にあります。アルカサルまでの徒歩分数目安は、マヨール広場から徒歩9分、セゴビア水道橋から徒歩19分。

セゴビアのアルカサル チケット料金・入場料

Alcázar de Segovia Price

セゴビア城のチケット料金・入場料(General Ticket)は5.50€。展望台フアン2世の塔は別途2.50€、オーディオガイドは別途3.00€です。

セゴビアのアルカサル 日本語パンフレット

セゴビアのアルカサルを見学

スペイン独立戦争 英雄の像

セゴビアアルカサル ダオイースとベラルデの像

アルカサルの敷地内に入るとまず目に入る銅像は、スペイン独立戦争(1808-1814)の英雄、ダオイースとヴェラルデと2人を支える女神。彼らが独立戦争で亡くなった100年後となる1908年に設置されたもの。スペインの国旗をくわえる鷲は「鷲=フランス第一帝政の紋章」フランス軍を表現しています。

東面のファサード

セゴビアのアルカサル フアン2世の塔

東側のファサード。外壁はズグラッフィートという漆喰塗りの技法が使われています。

中央の塔はフアン2世の塔(Torre de Juan ii)で15世紀に追加されました。塔の最上部にはカスティーリャ レオンの紋章が3箇所に見えます。フアン2世の塔の屋上は展望台(別料金)になっており、セゴビアの街を一望可能。

城へ続く橋の両側にはお堀が。お堀は深いうえに傾斜が急になっているため上ろうにも上れません。アルカサルを攻略しようとした兵士は城の外壁に楔を打ち込みハンマーで叩くことにより少しずつ崩していたとのことですが、上からの攻撃で一網打尽にされたことでしょう。

セゴビアのアルカサル 武器の広場

アルカサルが白雪姫のお城のモデルになった最大のポイントがファンタジックな円錐形の屋根です。フェリペ2世の時代に大幅改修をした際、北ヨーロッパ風のスレート葺きとなります。

武器のパティオ Patio de armas

セゴビアのアルカサル 武器の広場

Parade courtyard Segovia

フェリペ2世の時代に大幅改修された中庭のパティオ、武器のパティオ(Patio de armas)。このパティオは独特の建築様式になっており、最高峰のものがエレスコリアル修道院だそうです。

旧王宮の間 Sala del Palacio Viejo

セゴビアのアルカサル 旧王宮の間

旧王宮の間(Sala del Palacio Viejo)。ムデハル様式の4つの窓が並びます。窓の奥に見える「ガレー船の間」が増築されるまでは、エラスマ川を見おろす北側の外壁面でした。

暖炉の間 Sala de la Chimenea

セゴビアのアルカサル 暖炉の間

セゴビアのアルカサル 暖炉

暖炉の間(Sala de la Chimenea)には16世紀の調度品、フェリペ2世と寵愛した王女イサベル クララ エウヘニアのポートレートが展示されています。

聖母マリアの結婚式 タペストリー

聖母マリアの結婚式を描いたタペストリー。

玉座の間 Sala del Trono

セゴビアのアルカサル 玉座の間

2つの玉座と中央にカトリック両王の紋章が描かれる玉座の間(Sala del Trono)

エンリケ4世のステンドグラス

玉座の間にあるエンリケ4世のステンドグラス。アルカサルのステンドグラスは中世ではなく近代に作られたものですが、それぞれの王のストーリーが描かれていて面白い。

エンリケ4世は2度結婚しているが夫婦生活がなかったことから「エンリケ不能王」と不名誉なあだ名で呼ばれたあげく、2人目の妻とは子供ができたものの愛人を連れ込まれていたために本当の子か疑われるという始末。結果、エンリケ4世の死後、異母妹のイサベルが即位を宣言するという結果に。

頭にザクロが載っているのは「国を統治するのは甘くて苦いザクロのようだ」と言ったことから。まさに彼の苦悩を表している言葉ですが、カスティーリャ王を継いだイサベルがアラゴン王フェルナンドと共に1492年グラナダを陥落させレコンキスタを完了させたのも皮肉な話。グラナダ(granada)はスペイン語でザクロの意。

ガレー船の間 Sala de la Galera

セゴビアのアルカサル ガレー船の間

トラスタマラ朝になってから増築されたガレー船の間(Sala de la Galera)の由来は、天井がガレー船の船底に似ていることから。

エンリケ3世のステンドグラス

カタリーナ王妃のステンドグラス

エンリケ3世とエンリケ3世の王妃カタリーナのステンドグラス。王妃カタリーナはガレー船の間の建築を命じた人物でもあります。

エンリケ2世のステンドグラス

トラスタマラ王朝の初代国王となるエンリケ2世。義兄弟の国王ペドロ1世を殺害して国王に就いたことから「義兄弟殺し」、即位するにあたり味方の貴族に領地を与えたことから「恩ちょう王」と呼ばれている。ステンドグラスの左にはペドロ1世を処刑する様子、右側には息子のフアン1世が落馬して死亡するシーンが描かれています。

イサベラ1世の即位

エンリケ4世の死後、マヨール広場で即位を宣言するイサベラ1世を描いた壁画です。この壁画に描かれている市民の顔が当時の世相を表現しているとのことですが、大人から子供まで絶望の表情を浮かべています。

松かさの間 Sala de las Piñas

Pinecone Room Segovia

15世紀の調度品が置かれている松かさの間(Sala de las Piñas)。天井にある松の実のモチーフはどれも異なる形状をしています。

王の寝室 Cámara Regia

セゴビアのアルカサル 王の寝室

王の寝室(Cámara Regia)

諸王の広間 Sala de Reyes

セゴビアのアルカサル 諸王の間

歴代の王の彫刻が上部に掲示された諸王の間(Sala de Reyes)。各国王の彫像の下には国王の功績がそれぞれ記されています。

Sofonisba Anguissola Felipe ii

イタリアの女性画家ソフォニスバ アングイッソラが描いたフェリペ2世のポートレート(エル グレコが描いた?という都市伝説もあるらしい)。

王の化粧部屋 Sala del Cordón

アルフォンソ6世とセゴビア司教のステンドグラス

元は王妃の化粧部屋(Sala del Cordón)で、後に砲術学校校長の書斎となった部屋。19世紀に発生した大火事はこの部屋のストーブの火種が原因となったという…。

光を取り込むステンドグラスに描かれている人物はレオン王国・カステーリャ王国の王アルフォンソ6世とセゴビア司教のペドロ デ アジャン。2人の中央に描かれる絵は「セゴビアがエストレマドゥーラ県の(Extremadura)トップである」ということを示しています。ちなみに現在のセゴビア県の市章も同様の配置(王冠+女性+ローマ水道橋)になっています(現在の市章はなぜかファミコンのようなドット絵になっていて笑えます)。

礼拝堂 Capilla

セゴビアのアルカサル 礼拝堂

フェリペ2世と4番目の妻アナ デ アウストリアの結婚式が行われた礼拝堂(Capilla)です。

キリストの祭壇画と、844年グラヴィホの戦いに降臨した聖ヤコブ(サンティアゴ)の祭壇画。

時計のパティオ Patio del Reloj

セゴビアのアルカサル 時計のパティオ

日時計がある時計のパティオ(Patio del Reloj)

日時計の下にはスペイン国王であり神聖ローマ帝国皇帝のカルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝としてはカール5世)の紋章があります。カルロス1世は神聖ローマ帝国の「双頭の鷲」に加え現在のスペインの国章にも描かれている「ヘラクレスの柱」を初めて追加しました。

プルスウルトラ(PLVS VLTRA)は「さらなる前進・もっと向こうへ」を意味しており、世界の覇権を握っていた当時のスペイン王国の勢いを感じます。

武器の間 Sala de Armas

王のテラス Terraza del Pozo

Terraza del pozo

武器の間を抜けるとアルカサルを船に見立てた時の船頭にあたる王のテラス(井戸のテラス、Terraza del Pozo)に出ます。恐る恐る井戸を覗き込むと貯水槽が見えますがこれがかなり深い!この場所がセゴビア水道橋の終着点となります。

テラスの北側にはラベラクルス教会と、丘の上にはサマラマラの町。

サマラマラの町

前ローマ時代の基礎

アルカサルの入り口脇にある階段を降りるとトイレがあり、さらに続く階段で下がっていくと古代ローマ時代に作られた基礎へ。

セゴビアのアルカサル 脱出口

くり抜かれた大きな穴は万が一アルカサルが攻め落とされた場合に使う緊急時の脱出口です。脱出口は高低差があるため、万一敵がこの脱出口を下から発見したとしても城内に侵入できない工夫が施されています。

フアン2世の塔 Subida a la Torre Juan II

展望台のあるフアン2世の塔(Subida a la Torre Juan II)へ。

セゴビア城 スレート葺き

眼下にはセゴビア城の魅力のひとつ、スレート葺き屋根をはっきりと。

セゴビア城フアン2世の塔からセゴビア大聖堂を望む

カテドラルの西側のファサードです。他にもサン エステバン教会、セゴビアの城壁、遠くにはセゴビア水道橋の水源であるグアダラマ山脈まで望む。

フアン2世の塔へアクセスできる階段の途中には見張りをしていた警備兵の部屋や昔の刑務所もあり、休憩がてら立ち寄ってみるのもいいでしょう。アルカサルの刑務所は位の高い囚人が捕らえられていたとのことですが、暖炉まであり結構贅沢な空間になっています。

おわりに

セゴビアのアルカサル

「外敵から身を守る防御力」と「ロマンティックな外観」どちらも兼ね備える城、セゴビアのアルカサル。もしセゴビアのアルカサルの防御が軟弱であったならば、カスティーリャ王国どころかスペインの歴史が大きく変わっていた可能性もあります。

過去に見たヨーロッパのお城の中で最も見応えのあるお城でした。

セゴビアのアルカサル 夜景

城内を見学した後は西側のMirador(Mirador de la Pradera de San Marcos)に降り、アルカサルを見上げてお気に入りのショットを探すのも楽しいです。ほぼ氷点下の中1時間弱シャッターを切りましたが、美しい夜景を撮影するなら「完全に陽が沈み切る前&すべてライトアップ」されるタイミングがベストです!

セゴビアのアルカサル 開館時間

住所 Plaza Reina Victoria Eugenia, s/n, 40003 Segovia
電話番号 +34 921 46 07 59
営業時間 4〜9月:10:00〜19:30
11〜3月:10:00〜18:30
10月(金・土):10:00〜19:30
10月(日〜木):10:00〜18:30
12/24、12/31、1/5:10:00〜14:30
定休日 12/25、1/1、1/6、6/24
セゴビアのローマ水道橋
セゴビアの水道橋|Acueducto de Segovia
セゴビア ラベラクルス教会
ラ ベラ クルス教会(セゴビア)|Iglesia de la Vera Cruz
セゴビアのアルカサル
セゴビア旧市街と水道橋 観光(スペイン,世界遺産)