琉球の漁民が台湾の原住民に殺害された牡丹社事件を機に、日本は台湾出兵へ。
日本の攻撃から台湾を防衛するために清国の沈葆楨が台南・安平に建築した砲台「二鯤鯓炮台」通称、億載金城(Eternal Golden Castle)を訪れました。
Contents
- 億載金城 Eternal Golden Castle
- 城門と跳ね橋 Arched Gate and the Entrance Bridge
- 操練場 Drill Square
- 稜堡 Bastions
- 玞壁 Buttresses
- 城壁 Ramparts
- 兵舎と小型砲弾薬庫跡地 Ruins of Barracks and Cannon Ammunition Depot
- アームストロング砲 Armstrong Cannons
- 護城堀 Moat
- 弾薬庫跡地 Ammunition Depot Ruins
- 沈葆楨銅像 Statue of Shen Bao-zhen
- 億載金城のチケット料金・入場料
- 億載金城の場所・行き方・アクセス
- おわりに
億載金城 Eternal Golden Castle
億載金城(Eternal Golden Castle)は台南市の安平地区にある砲台です。
琉球の漁民が台湾の原住民に殺害された牡丹社事件(1874年)をきっかけに日本が台湾に出兵。清国は欽差大臣の沈葆楨を台湾に送り、台湾を防衛するために二鯤鯓炮台の建設を開始しました。
フォルモサ海峡を向く西側にはイギリス製のアームストロング砲を計5門設置。周囲には敵の侵入を防ぐため護城堀を設け、東側の跳ね上げ橋をあげてしまえば泳ぐ以外に中に侵入する方法がありません。四隅にはフランス人技師に設計を依頼した稜堡があります。
砲台の建設地から約1.6km北にある旧ゼーランディア城は既に荒廃していたため、ゼーランディア城の赤レンガを再利用しています。
城門と跳ね橋 Arched Gate and the Entrance Bridge
東側の城門。当時は木製の跳ね上げ橋になっており、橋をあげることで要塞化できました。
赤レンガが積まれたアーチ型のトンネルがあり、東側には現在の呼び名の由来となっている「億載金城」、西側には「萬流砥柱」の文字が沈葆楨の筆により刻まれています。
操練場 Drill Square
トンネルを抜けると中央部の操練場へ。中央に池を設け、万が一砲撃に遭い火災が発生した場合消火に使えるようにしていたようです。
稜堡 Bastions
沈葆楨がフランス人技師M.BerthaultとRufuに設計を依頼したという四隅の稜堡。こちらは防御側の視点から。
こちらは攻撃側の視点で見おろしてみる。
玞壁 Buttresses
稜堡の窪みから上の段に向かって傾斜を設けた玞壁。
砲弾を上に運ぶ際の運搬として、そして壁の支えとしても機能しています。
城壁 Ramparts
稜堡の周囲を囲う城壁。傾斜角度は45℃で敵の侵入を防げる設計になっている。稜堡と同様に土壁を支える玞壁があります。
兵舎と小型砲弾薬庫跡地 Ruins of Barracks and Cannon Ammunition Depot
小型砲弾弾薬庫と兵舎の跡。当時は屋根があったらしいが現在はなく、雨ざらしになるのを防ぐため周囲をガラスで覆っています。
アームストロング砲 Armstrong Cannons
砲身4.6m、口径25.4cmのイギリス製アームストロング砲。
現在3箇所に設置されたアームストロング砲はすべてレプリカ。日露戦争以降に行方不明になったとあるので、実際に日露戦争で使われたのかもしれませんね。
護城堀の対岸から。
当時は北西側の角、南西側の角にもアームストロング砲がそれぞれ1門ずつ設置されていました。角にはレプリカの設置はありませんでしたが、向きを変えるためのレールの跡だけは地面に見てとれます。
護城堀 Moat
二鯤鯓炮台の周囲をぐるり囲う護城堀。一番広い幅は22m、四隅の稜堡が一番狭く13.3mです。土砂が崩れたらひとたまりもありませんのでしっかり擁壁を作っているそう。あの赤レンガもゼーランディア城の使い回しなのだろうか。
弾薬庫跡地 Ammunition Depot Ruins
南西角のアームストロング砲跡地に隣接するのは弾薬庫跡地。当初は掘り起こしされていたようですが現在は安全面の配慮から赤レンガで場所を示すのみになっています。
沈葆楨銅像 Statue of Shen Bao-zhen
さいごに、沈葆楨の銅像にご挨拶。
清国の風習である弁髪をしていることが銅像からも読み取れます。
億載金城のチケット料金・入場料
Adult | 50NT$ |
Discount(学生) | 25NT$ |
6才未満 | Free |
営業時間:8:30〜17:30
億載金城の場所・行き方・アクセス
億載金城のバス停時刻表と路線一覧(2、14、88、19)。料金は一律18NT$。
北にある安平古堡や安平老街からアクセスする場合は2または88です。いずれもGoogle Mapsで経路検索するのがベターだとは思います。
おわりに
億載金城は、オランダ統治・鄭氏台湾時代から歴史を遡れる安平古堡や赤崁楼と比較すると歴史が浅いためか?観光客が少ないです。
安平まで足を伸ばして時間があれば、立ち寄れらてみるのもよいと思います。


