世界の星形要塞（稜堡式城郭）をマップにまとめる｜Map of Star forts

世界中にある星型要塞（稜堡式城郭）をMapに落とし込んでみました。

世界の星形要塞（稜堡式城郭） Bastion forts around the world

オランダ バウルタンゲ

上記マップにはWikipediaの英語版に掲載されている星型要塞（稜堡式城郭）のほぼすべてをプロットしました。
Wikipediaに掲載されていなかった星型要塞も、何点か追加しています。

星型要塞のマップを作成した理由は、世界の様々な都市を訪れる中で、「訪問都市の近くに星型要塞がある」ことが事前に分かっていれば「立ち寄るという選択肢を持てる」からです。

目的地の近くに星型要塞があるか？上空から見た保存状態はどうか？
これから海外旅行へお出かけの際や自宅でお酒を飲む際のお供になれば幸いです。

ここから先は、実際にマップに落とし込みながら気づいた点を述べていきます。

星型要塞には「行政を守る要塞」と「町全体を守る要塞」の2種類ある

星型要塞を1つ1つ俯瞰してみたところ、星型要塞を2種類に分類できることに気づきました。
「砦（行政を守る要塞）」と「市壁（町全体を守る要塞）」です。

「砦（行政を守る要塞）」とは、その都市の心臓部（役所・役宅）のみを星型要塞の中に含みます。
例えば、函館の五稜郭は「砦（行政を守る要塞）」と言えます。
欧州が植民地に築城した星型要塞のほとんどは「砦（行政を守る要塞）」です。

一方、「市壁（町全体を守る要塞）」は役所だけでなく教会や民家など町全体を星型要塞の中に含みます。
ヨーロッパの星型要塞に多く、特にオランダは星型要塞のほとんどが「市壁（町全体を守る要塞）」である点が面白いですね。

星型要塞が最も多い国はオランダ

世界の中で星型要塞が最も多い国はオランダです。

オランダの星型要塞において興味深い点は、その膨大な数だけではなく、軍事要塞としての砦よりも一般市民の居住エリアを含む「市壁（町全体を守る要塞）」が多い点にもあります。

星型要塞が主流だった時代にオランダが強国だったことに加え、オランダは低地で川が多いことから星型要塞を築城しやすい環境にあったのかもしれません。
北海道の函館にある星型要塞「五稜郭」が現在の地（当時の亀田村柳野）に選ばれた理由のひとつにも「水源が近い」ことが挙げられています。

オランダは南米スリナムの要塞に失った2つの地の名を付けている

台南の安平古堡（旧ゼーランディア城）

1624年、オランダが台湾南部の台南に築城した城の名称はゼーランディア城（現 安平古堡）。
その2年後の1626年、アメリカ大陸のマンハッタン島を植民地として名付けた名前がニューアムステルダム（現 ニューヨーク）。

1662年、明の鄭成功の攻撃（ゼーランディア包囲戦）により台湾を追われ、第二次英蘭戦争によりニューアムステルダム（現 ニューヨーク）をイギリスに割譲。

第二次英蘭戦争により、オランダが代わりに得た地が南米のオランダ領ギアナ（現 スリナム）。
オランダはスリナムのパラマリボの河口にある2つの要塞に、台南で失ったゼーランディア城（Fort Zeelandia）、アメリカ大陸で失ったニューアムステルダム（Fort New Amsterdam）を名付けています。

ナヒチェヴァン自治共和国のAbbasabadの場所が分からず

1点、WikipediaでRussiaにエリア分けされている「Abbasabad」の星型要塞を発見することができませんでした。
アゼルバイジャンの飛び地であるナヒチェヴァン自治共和国にあるようです。

世界遺産登録の星型要塞

世界文化遺産に登録されている星型要塞のある町のリストです。
リンク先はブログの旅行記です。

訪れた星型要塞

ペナン島 コーンウォリス要塞

過去を訪れた星型要塞のリストです。
リンク先はブログの旅行記です。

en.wikipedia.org/wiki/List_of_bastion_forts