マレーシアのクアラルンプールからマレー鉄道で北上し約2時間、美食の町イポー(Ipoh)を訪れました。
名物料理のタウゲアヤムは必食!
イポー Ipoh
マレーシアのマレー半島北部にあるペラ州の州都、イポー(Ipoh)。
キンタ渓谷に近いイポーは、19世紀から錫(すず)の産地として栄えた町で、マレー半島西側のエリアでは珍しく小高い山が点在しています。
イギリス植民地時代のコロニアル建築の建物がマレー鉄道・イポー駅の周辺に残されており、白亜の外観の建物が列車から降りた旅人を出迎えます。
イポーはマレーシア屈指のグルメの町としても知られており、イポーでなければ食べることができない美味しい名物料理があり必見、ならぬ、必食です。
イポー鉄道駅 Ipoh Railway Station
イポーの町の代表的な景観であるイポー鉄道駅(Ipoh Raiway Station)。
1894年にイポーとバトゥガジャ(イポーの南14.5kmの場所にある隣駅)を結ぶキンタ渓谷鉄道(Kinta Valley Railway line)が開業。
1914年から鉄道駅とホテルの建設が始まったものの第一次世界大戦により原材料費と人件費が高騰し、ようやく完成したのは1917年のこと。
駅前に記載されている英語の解説によれば、イポー地元民からは「イポーのタージマハール」とも呼ばれているのだとか。
1917年、鉄道駅と同時に開業したホテルの名称。
クアラルンプールとマラッカでも宿泊した名門ホテル「マジェスティックホテル」の名を冠しています。
ザ マジェスティック ホテル クアラルンプール宿泊記|The Majestic Hotel Kuala Lumpur
ザ マジェスティック マラッカ宿泊記|The Majestic Malacca
マレー鉄道車内でイポーの宿泊先を検索した際にヒットはせず、イポーにマジェスティックホテルがあるとは聞いたこともない。
予感は的中し、ホテル入り口らしき箇所は雑に封鎖され、見事なまでに廃業していました。
キンタ渓谷の錫鉱山で人々が賑わっていた頃は、イギリス人を中心とする宿泊客で一杯だったのでしょう。
しかし、さすがにコロニアル様式の駅舎・洞窟寺院・グルメだけでは、観光客を集めるのが難しいのかもしれません。
イポー鉄道駅の東側広場に設置された戦争の石碑。
第一次世界大戦・第二次世界大戦のメモリアルの碑文、「死の鉄道(Death Railway)」と呼ばれる「泰緬鉄道」の建設において亡くなった方々への碑文もありました。
イポー駅の東向かいにあるコロニアル建築のイポー市庁舎。
州立モスクもイポー駅前の雰囲気に違和感なく馴染みます。
クロックタワー Birch Memorial Clock Tower
イポー駅から東に向かって歩くと見えてくる時計塔、バーチメモリアル(Birch Memorial Clock Tower)。
ペラ州で最初のイギリス住民となったJames W. W. Birchを讃え1909年に設置されたもの。
クロックタワーの側面には、四方それぞれに計44人の世界史上有名な人物が描かれています。
…とのことですが、1箇所だけその姿が意図的に消されている。
偶像崇拝を禁じているイスラム教の預言者ムハンマドらしいですが…、はて。
町の東、Kinta Riverに架かる橋も素敵な意匠。
コロニアル建築のエリアを抜けると、アジアらしい雑多な街並みに。
ケロットン Kek Look Tong
イポーは小高い山が多く、その中にはたくさんの中国寺院があります。
ケロットン(Kek Look Tong)はイポーの東にある山合いにある洞窟寺院。
鍾乳洞と仏像が見どころです。
美食の町イポーで食べたグルメ
イポーは、マレーシア屈指の「美食の町」として名高い街。
市販のガイドブックでは美味しいと書いてあるにもかかわらず、現地で食べてみると「然程でもない」というのは、異国の地においてはよくある話。
しかし、イポーのグルメは美味しかった!
とりわけタウゲアヤム。
Restaurant Lou Wong Tauge Ayam Kuetiau
タウゲアヤム(Tauge Ayam)は、甘塩っぱい醤油タレに浸けたチキンと、もやしの料理。
単に文字に起こしても然程美味しさを感じないかもしれませんが、想像を上回るやみつきになる料理とはまさにタウゲアヤムのことか。
チキンはシンガポールのチキンライスのチキンと同様にふっくらやわらかい。
ネギとごま油のたっぷりの醤油タレとの相性が抜群です。
そして、もやし。
もやしだからと言って侮っていけないのが、タウゲアヤム。
シャキシャキと水々しいのはもちろんのこと、チキンと同じタレが良い塩梅に染み込んでいて美味しい。
これにライスとスープが付き、13リンギット。
お酒の販売はありませんが、隣のスーパーで買ったビールは持ち込めます。
この料理を食べるためだけにイポーに来るのは疑問符が付きますが、今イポーにいるならタウゲアヤムを食べたいし、日本にいる今でも何なら今すぐにでも食べたい、やみつき度の高い料理です。
Restoran Tuck Kee
米粉の麺と豚肉を炒め醤油味で味付けし、生卵を落としたメニューFried Yu Kong Hor。
Ayam Garam Aun Kheng Lim
イポーの名物塩チキンのお店、Ayam Garam Aun Kheng Lim。
鶏一羽にハーブを詰め紙袋に包み、たっぷりの塩で蒸し焼きにしたチキン。
これがとかく美味しそうですが、一羽まるごとでは量が多く、さすがに一人では断念。
いずれ複数人で訪れた時は食べてみたい一品です。
Restoran New Holly Wood
イポーの繁華街から東に約3km離れた場所にあるフードコート、Restoran New Holly Wood。
店舗数は10店舗弱、麺類からご飯系までストールが揃います。
日本語の上手なお母さんが切り盛りしている揚げ物のお店をチョイス。
バナナや芋など好みの具材を選ぶと、その場で揚げてくれます。
サクサクとした衣に甘いバナナや紅芋の相性が良く、おやつに丁度良いですね。
Funny Mountain Soya Bean
豆腐のスイーツ、豆腐花のお店。
大豆の味をしっかり感じつつシロップがかけられているので食べやすくペロリといけます。
中国人観光客に大人気のようでした。
ウォールアート
イポーの町にはペナン島の世界遺産ジョージタウンのようなウォールアートが描かれているエリアがあります。
ウォールアートは路地を曲がると突然現れます。
お気に入りのウォールアートを探して、写真を撮るのも楽しいでしょう。
イポーの場所・行き方・アクセス
マレー鉄道KTMと長距離バス
マレーシアの首都クアラルンプールからイポーまでは「マレー鉄道KTM」と「長距離バス」が運行しています。
マレー鉄道KTM | RM35.00 | 約2時間20分 |
長距離バス | RM20〜 | 約3時間10分 |
マレー鉄道KTMはKLセントラルからイポー鉄道駅まで、所要時間は約2時間20分。
料金は片道MYR35.00。
クアラルンプールのTBSバスターミナルからイポーのTerminal Amanjayaまでは、バスで約3時間10分です。
料金はMYR20〜27程度。
イポーのバスターミナルはイポー中心部から約8km離れています。
マレーシアの交通事情は一筋縄ではいかず、行きのKTM(クアラルンプール→イポー)は出発に際し2時間遅延、帰りのKTM(イポー→クアラルンプール)は20分遅れ。
以前バスでKLからペナンへ行く時も30分遅れでバスが出発したため、とかくマレーシアではスケジュール通りにはいけません。
マレーシアのイポーに行こうとお考えの時点でマレーシア旅行に慣れている方だと思いますし、スケジュールに余裕がある方だと思います。
もはや、遅延も、シートベルトがちぎれていることも、マレーシアの魅力だと思いながらイポーを訪れるぐらいの方が、楽しめます。
マレーシアのKTMは利用者が多く、直近の列車は満席になることが多いです。
わたしもその場でKTMを予約しましたが、直近の電車は満席で次の列車になってしまいました。
イポー駅にはコインロッカーもあります。
万が一待ち時間ができてしまった場合は、歩ける範囲で駅周辺を散策してみるのも良いかもしれません。
イポーの街中の移動では、計3回Grabを利用。
いずれも突っ込まずにはいられませんでした。
Restaurant Lou Wong Tauge Ayam Kuetiau → Restran New Holly Wood | RM5.15 | 約12分 |
Restoran New Holly Wood → ケロットン(中国寺院) | RM13.67 | 約27分 |
ケロットン(中国寺院) → コンテナホテルイポー | RM36.06 | 約28分 |
1回目は道中で「ガソリンを入れてもいいか?」と言い出す(言い出した時点で、すでにガソリンスタンドに着いている)。
2回目は道を何度も間違える。
3回目は「自宅に姉がいるので立ち寄って乗せていってもいいか?」という予想の斜め上。
もうこれもマレーシア旅の一部です。
楽しく生きましょう!
おわりに
マレー鉄道縦断旅をするのであれば、ペラ州の州都イポーは立ち寄る価値あり。
ハイライトはコロニアル建築と絶品タウゲアヤム。
イポーで一泊するお時間があれば、洞窟寺院を散策してみてはいかがでしょうか。
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