スペイン トレドの玄関口、トレド駅から旧市街へ向かうとまず飛び込んでくる景色が丘の上にそびえ立つアルカサルとタホ川(Rió Tajo)に架かるアルカンタラ橋(Puente de Alcántara)です。
アルカンタラ橋(Puente de Alcántara)
カスティーリャ王国(1035年〜1715年)の首都だったトレド。
東西南をタホ川に囲まれたトレドの旧市街にアクセスできる橋は2つあり、西のサン マルティン橋と東のアルカンタラ橋(Puente de Alcántara)です。
トレド駅から徒歩でトレド旧市街を目指す、早朝。
トレド駅から西へ徒歩10分。
タホ川を沿うようなカーブの先にアルカサルとアルカンタラ橋が見えてきました。
古代ローマ時代から存在したというアルカンタラ橋は、北進するイスラム教徒との戦いにおいて破壊・修復を繰り返したため、様々な建築様式が入り混じり現在の姿となります。
アルカンタラ橋のバロック式凱旋門。
スペイン継承戦争(1701〜1714)により即位したフェリペ5世が1721年に再建築したバロック式門の上部には、カスティーリャ=レオンの紋章と共に中央にはブルボン王朝の紋章フルール ド リスが置かれています。
左上と右下の紋章はカスティーリャ=Casttilla 城を意味するCastillo、右上と左下の紋章はLeón=ライオンを意味しています。
興味深いのはこの紋章の鷲の頭が取り除かれている点。
痕跡を見ると頭があったと思われる場所が2つであることからハプスブルク家の象徴でありトレドの市章でもある双頭の鷲と思われます。
ハプスブルク家からブルボン家に代わるにあたり、双頭の鷲の頭2つが切り落とされ、真ん中にブルボン家の王朝を後づけしたのでしょうか?
上部には当時使われていたと思われる重厚な門が残っています。
アルカンタラ橋は跳ね上げ橋でないため、この門が外敵から街を守るために重要な役割を果たしていたのでしょう。
アルカンタラ橋の手前には、アルカンタラ橋を見上げるための小さな展望台があります。
トレッキングシューズさえ用意しておけば、タホ川水面高さまで降りられます!
タホ川の水面と同じ高さまで下り、アルカンタラ橋を見上げる。
悠久に流れるタホ川。
アルカンタラ橋からタホ川の下流である南側を望む。
あとわずかで陽が昇る。
アルカンタラ橋から北側を見おろして。
中央に見えるのは、先ほどの展望台です。
カトリック両王(アラゴン王フェルナンド2世・カスティーリャ女王イサベル1世)により増築された西塔の紋章。
左上と右下にはカスティーリャ=レオンの紋章、右上と左下にはアラゴンとシチリアの紋章を確認できます。
橋を渡りきった後の車道を渡ると目の前に現れるは馬蹄形の門。
イスラムの文化と共にしてきたトレドの歴史を感じる瞬間でもあります。ちなみに…この先のルートは地獄の階段が待っているため、労力を少なくトレド旧市街までアクセスしたい人にはおすすめしません。
城門をくぐった先から、アルカンタラ橋を望む。
バロック式門の上部に見えるのはCastillo de San Servando、現在はユースホステルです。
馬蹄形の門から先につづく約170段の門をひたすら上ると、ソコドベール広場にたどり着きます。
スーツケースを持ちながら一歩一歩上がっていく。
一歩ずつ歩を進めるたびに少しずつ変わる風景。
階段の途中ではトレド駅も見えました。
アルカンタラ橋の場所・行き方・アクセス
レンフェのトレド駅からアクセスする場合、徒歩10分弱です。
駅舎を出てロサ通りを右手(西)の方角に進みます。円形の環状交差点で二手に分かれたところで、左手(南西)の方角に折れてタホ川沿いの坂を上ります。
おわりに
今も昔もトレドの玄関口であるアルカンタラ橋を見てトレド観光がスタートします。色んな角度からアルカンタラ橋を眺めてみてください。