「100万ドルの夜景」「東洋の真珠」とも称される、香港のヴィクトリア ピーク(Victoria Peak)へ。
ヴィクトリアピーク Victoria Peak
中国大陸の王朝が満州族の「清朝」の時代、大清帝国大英帝国との間で勃発したアヘン戦争(1840-1842年)の講和条約「南京条約(1842年)」により、香港島は大英帝国に割譲されました。
当時在位にあったヴィクトリア女王の名前に由来し、香港島の太平山(たいへいざん)山頂はヴィクトリアピーク(Victoria Peak)と名付けられます。
太平山山頂の標高は552m。
ヴィクトリアピークから望む眺望は「100万ドルの夜景」とも称されます。
ヴィクトリアピークの場所・行き方・アクセス
ヴィクトリアピークまでのアクセスは、太平山の急傾斜を登るケーブルカー「ピークトラム(Peak Tram、山頂纜車)」に乗車。
ピークトラムの駅までのルートは、MTRの中環駅(セントラル)のJ2出口または金鐘駅(アドミラルティ)のC1出口から徒歩坂を上って約10分。
ピークトラム Peak Tram
ピークトラムは、麓の「ガーデンロード駅」から頂上の「ピークタワー駅」までを、全長1,365メートルで結びます。
海抜28メートルから海抜396メートルまで一気に上昇するため、上昇幅は368メートル、斜度は4度~27度です。
現行のトラムは五代目、エンジ色のカラー。
トラムは折り返し運転ではないため、登りも下りの電車も「シティ側」が見える右側座席が人気です。
ピークトラムの乗車を待つスペースの脇は、ヒストリカルギャラリーに。
1888年に運行開始した時の第1世代のトラムや、その当時使われていた制服のレプリカを展示しています。
1888年5月30日に発行された、The Daily Pressの紙面。
「The Peak tramway was running yesterday afternoon…」と、昨日ピークトラムの運行を開始したことを伝えています。
ピークトラムの運行が開始される以前、英国人は籠に乗りピークまで運んでもらっていました。
蒸し暑く、病気が蔓延する陸地から離れた山の上で過ごす…という、植民地における英国人のスタイルの先駆けとも言えます。
イギリスは、イギリスの海峡植民地のひとつマレーシアのペナン島にも、1923年に「ペナンヒルケーブルカー」を開通させています。
ピークトラムのチケット料金
ピークトラム+スカイテラス428 | 大人(12〜64才) | 子供(3〜11才) | シニア(65才〜) |
往復 | HK$90 | HK$43 | HK$43 |
片道 | HK$77 | HK$35 | HK$35 |
「ピークトラム・スカイテラス428のセット料金」には、「スカイテラス428展望台の入場」と「日本語対応の音声ガイド料金」が含まれています。
ピークトラムのみ | 大人(12〜64才) | 子供(3〜11才) | シニア(65才〜) |
往復 | HK$45 | HK$20 | HK$20 |
片道 | HK$32 | HK$12 | HK$12 |
展望台の入場料金が含まれていない「ピークトラムのみのチケット」も販売しています。
ピークトラムのみでも、後述する獅子亭展望台からの眺望を楽しむことが可能です。
ただし晴れているのであれば、ぜひスカイテラスまで!
ピークトラムの営業時間は7:00〜24:00。
ピークトラム+スカイテラス428の割引チケット
香港のKlook(クルック)で「ピークトラム+スカイテラス428」の割引チケットを販売しています。
電子バウチャー可。
優先レーン(Fast Lane)のチケット
混雑具合については後述しますが、Time is Moneyでいくのであれば優先レーン(Fast Lane)のチケットを購入するのも選択肢のひとつです。
ただし、現地のチケット窓口では優先レーンのチケットを購入できないのでご留意ください。
優先レーンが含まれるチケットは、香港のKlookと台湾のKKdayで販売しています。
MTRセントラル駅(中環)のK出口でガイドさんと合流、ピークトラムのLower Stationで優先レーン入場後に自由行動となります
(詳細はリンク先にてご確認ください)。
ヴィクトリアピークの夜景
ヴィクトリアピークにあるメインの建物は、ピークタワー(Peak Tower)。
館内には、景色を見ながら食事ができる飲食店、マグネットやピンバッジなどのお土産を販売しているショップも。
ピークタワーの中にはマダムタッソー蝋人形館があります。
ブルース リーの人形のみ、ピークタワー内に展示されています。
一緒に写真を撮るのが、お約束コース。
スカイテラス428の夜景
スカイテラス428(凌霄閣)は海抜428メートルに位置しており、香港島の金融街、九龍半島の街、スカイ100、ビクトリアハーバーの水面まで望めます。
スカイテラス428の開放時間は、月〜金/10:00〜23:00、土日祝/8:00〜23:00。
訪れたのは降雨量が少ない「香港のベストシーズン11月」だったということもあり、遠くまで見渡すことができました。
スカイテラス428からの夜景は、手前の高層マンション&ホテルの下層階まで見えてスラッと見えるのが特徴です。
香港島のランドマークでもある中国銀行のビル。
20:00からヴィクトリアハーバーで行われる世界最大の光と音のショーイベント「シンフォニー オブ ライツ(Symphony of Lights)」。
さすがにヴィクトリアピークからは音楽まで聴こえませんが、夜空に踊るレーザー光線や高層ビルのライトアップは楽しめます。
シンフォニーオブライツをゆっくり鑑賞するなら、対岸の九龍半島 尖沙咀側から見るのがおすすめです。
以前、悪天候時にスカイテラス428を訪れた時の眺望。
天気が良い日を狙ってきましょう。
獅子亭展望台(Lion’s Pavillion)の夜景
スカイテラスの東側には、料金無料の獅子亭展望台(Lion’s Pavillion)があり、ビクトリアハーバーの眺望を楽しめます。
獅子亭展望台の海抜は、スカイテラス428よりも約30m下がります。
夜景が見える範囲が狭くなるものの、さりとて、獅子亭展望台からの夜景でも十分美しい。
獅子亭展望台はスカイテラスよりも人の混雑が圧倒的に少ないので、ゆっくり写真撮影ができるのが良いですね。
三脚を立ててじっくりと記念撮影するなら、獅子亭展望台の方がおすすめです。
ヴィクトリアピークのおすすめ時間帯・混雑について
以前悪天候時にヴィクトリアピークを訪れた時は、ピークトラムのチケット売り場・乗り場ともにほとんど混雑することもなく、チケット購入からピークトラム乗車までの所要時間は10分程度でした。
今回は香港の「ベストシーズン11月」でかつ「天候が良かった」ということもあり、チケット売り場・乗り場共に大混雑。
ピークトラムのチケット売り場に到着したのが18:00、ピークトラムに乗車できたのが19:15。
我先にと後ろからぎゅうぎゅう押されるため、それなりに疲弊します。
ピークトラムの座席も席が空いておらず、結局立ち見に。
以上のことから、ヴィクトリアピークのおすすめ時間帯は、以下の2つ。
- 16:00前後にピークトラム乗車・夕景を見つつ、18:00頃に夜景を見てから下山→中環周辺で夕食
- 中環周辺で夕食→21:00頃にピークトラム乗車・夜景鑑賞
対して、推奨しない時間帯は「18:00頃にピークトラムに乗車・夜景鑑賞をし、20:00前後に下山」というパターン。
行きも帰りもまさに混雑の「ピーク」トラムとなります。
結局、ヴィクトリアピーク鑑賞後に中環周辺で夕食を食べようと思っていたプランは崩れ、帰りのトラムの行列が空くまでヴィクトリアピークの「翠華餐廳」でさくっと夕食を済ませました。
21:00にトラムで下山する時にすれ違った上りのトラムは、ガラガラに空いていました。
おわりに
過去に色々な国・都市で夜景を見てきた中でも、香港の夜景は格別です。
山から見おろすハーバービュー、色とりどりに輝くネオン。
そして、果たして香港には都市計画法はあるのか、と疑問を持ってしまうほどに密接に建築された高層ビル群が、他にはない独特の景観を生み出しています。
香港ヴィクトリアピーク観光のプランを立てられる場合は、天気と時間に気をつけて、100万ドルの夜景をお楽しみください!