多民族国家シンガポール。
ブギス(Bugis)にあるイスラム教徒が多く住むエリア、シンガポール政府観光局ではカンポングラム地区(Kampong Glam)、ガイドブックではアラブストリート(Arab Street)と呼ばれています。
アラブエリア周辺に滞在する機会がありましたので、観光・散策してみました。
カンポン グラム地区 Kampong Glam
アラブストリート(Arab Street)とはシンガポールのアラブ人街にある通りの名称。
アラブストリート沿いにはシルクの生地やドレス、ペルシャ絨毯、ランプなどを販売するお土産屋さんが並んでいます。
実際にはアラブストリートとは一本の通りの名称に過ぎず、その語感によるイメージの伝わりやすさからか、日本のガイドブックでアラブストリートと呼ばれているに過ぎません(日本の旅行代理店やガイドブック発信の可能性もあります)。
シンガポール政府観光局は、カンポングラム地区(Kampong Glam)という呼称を採用しています。
現マレーヘリテージセンターの敷地の一部になっているイスタナ・カンポン・グラムはジョホール王国のスルタンの住居でした。
1824年、シンガポールを海峡植民地とするトマス・スタンフォード・ラッフルズが、1822年にこのエリアにアラブ・ブギス人を集めコミュニティを作ったのが始まり。
1824年にはジャワオリエンタルスタイルの最初のモスクが完成します。
現在のサルタンモスクは1928年に建設され、初期のモスクはそれと同時に壊されました。
サルタンモスクの前の通りはブッソーラストリート(Bussorah Street)という名称で、メッカへの大巡礼(ハッジ)のジャワ語による発音カジを語源とし、カンポンカジ(Kampong Kaji)と呼ばれていました。
1970年代までは東南アジアのイスラム教徒の巡礼者がこの地に集まり、メッカに向かうため船に乗ってサウジアラビアのジッダまで運んでいたといいます。
サルタンモスク Sultan Mosque
日本人にとって、イスラム教はあまり馴染みのない宗教かもしれません。
サルタンモスク内に掲示された案内にはイスラム教とは?アッラーとは?コーラン(クルアーン)とは?といった、基本情報のパネルが掲示(英語)されています。
ひとつ注意が必要なのは、サルタンモスク内はハーフパンツでの入場が禁止。
入場時にケバヤの貸し出しがあり、それをレンタル(無料)して入場します。
闇夜に浮かぶサルタンモスク、路地裏から眺めて。
住所 | 3 Muscat Street, Singapore 198833 |
電話番号 | +65 6293 4405 |
営業時間 | 土〜木:10:00〜12:00、14:00〜16:00 金:14:30〜16:00 |
ブッソーラストリート Bussorah Street
サルタンモスクに向かって伸びる旧スルタンロードと呼ばれていた通りは、1910年にブッソーラストリート(Bussorah Street)に改名されました。
先述の通り、メッカへの巡礼者で賑わっていた通りです。
現在は可愛い香水瓶にオリジナルの香水をブレンドして作ってくれるお店などお土産屋が立ち並ぶ、観光のメイン通りとなります。
マスカットストリート Muscat Street
サルタンモスクの南側を東西に走る通り、マスカットストリート(Muscat Street)。
1891年にイギリスの保護国となったオマーンの首都マスカットにちなんで名付けられ、2012年に共同で整備されました。
壁画には大英帝国の植民地を経由する昔の航路が描かれています。
点線で結ばれているのは、シンガポール、マラッカ、ペナン、コロンボ、南インド、マスカット。
マレーヘリテージセンター Malay Heritage Centre
1840年代に建築され、かつてマレー人の王族が住んでいた建物イスタナカンポングラム(Istana Kampong Gelam)。
現在はマレーヘリテージセンター(Malay Heritage Centre)としてシンガポールのマレーコミュニティの歴史を展示する博物館になっています。
住所 | 85 Sultan Gate, Singapore 198501 |
電話番号 | +65 66391 0450 |
営業時間 | 火〜日:10:00〜18:00、定休日:月 |
ハジレーン Haji Lane
アラブストリートの西にあるハジレーン(Haji Lane)は、レストラン・飲み屋やブティックが立ち並ぶ通り。
ビーチロード側の角地に立つメキシコ料理店の壁画アート。
金曜日の夜の通りは生演奏もあり盛り上がります。
マリーナベイやクラークキーとの賑わいとは異なる心地よさがあります。
一方、金曜日の夜以外は閑散として空いています。
しっぽり飲めるバーはほとんどありませんが、仲間たちと楽しむ夕食には良さそうです。
アラブストリート Arab Street
アラブストリート。
シルクのお店は本気のシルクドレスを売っているので日本人には合わないかもしれませんが、照明やペルシャ絨毯はお土産にもいいでしょう。
おわりに
煌びやかなマリーナベイエリアとは違い、エキゾチックな雰囲気漂うアラブエリア。
シンガポール旅行のアクセントになることでしょう。
アラブストリート周辺で宿泊したホテルについては「メルキュール シンガポール ブギス宿泊記」、「シンガポールの格安ホテル ザ ポッド宿泊記(カプセルホテル)」をどうぞ。
マレーシア ジョホールバル行きのバスについては「シンガポールからジョホールバル1日観光!旅行記・行き方」に掲載しています。