札幌市の給水需要98%を賄う、豊平峡ダム(Hoheikyo Dam)。
大自然の造形美と人間の執念が画角の中に一同に介する絶景です。
豊平峡ダム Hoheikyo Dam
札幌市の給水需要の98%をカバーする、豊平峡ダム(Hoheikyo)。
支笏湖の北西にある漁岳(いざりだけ)から発する豊平川(Toyohira-gawa River)は、定山湖に水を貯めて豊平峡ダムから放流されます。
このダムが完成する1972年より前においては、定山渓温泉の月見橋にまで濁流による丸太が上がってきたという逸話(かっぱ淵現地解説より)もあることから、豊平峡ダムがいかに札幌市民の生活を支えているかが分かります。
季節が秋になれば、大自然が長年かけてつくった造形美・紅葉のグラデーション・ダムの堂々たるさまを望むことができ、多くの観光客を魅了するスポットです。
豊平峡は、1926年(大正15年)に来道した漢詩人の国分青崖が命名。
かつては北海道邪馬渓(北邪馬渓)や北妙義と呼ばれ、天下の絶景として知られていました。
定山渓温泉から国道230号を南に走り、定山渓交差点を曲がって豊平川に沿うように上ると、広い駐車場があります。
ここから2つのトンネル「冷水トンネル」「豊平峡トンネル」を抜けて豊平峡ダムへ。
約1.7kmの一本道を抜ける方法は2つだけ。
「徒歩」または「ハイブリッド電気バス」。
今回は片道券を購入し「往路徒歩」「復路バス」のルートで向かいます。
日差しもなければ一切の眺望もない長い長い冷水トンネル。
抜けると、橋の上へ。
ここからは東に九段の滝、西に豊平峡の岩壁と紅葉を望めます。
2本目の豊平峡トンネルを抜け、豊平峡ダムに到着。
ダムの上に架かるのは2008年に築造されたカムイ・ニセイ橋。
ダムの東側にあるのは、絶景展望レストハウスだむみえ~る。
ジンギスカンと豊平峡ダムカレーがシグネチャーメニューのようです。
展望所からの眺望も、とても素晴らしいものでした。
ダムの放流は見えないものの、水瓶になっている定山湖、米粒のように小さい人の姿を入れることで、より豊平峡ダムの迫力が引き立てられます。
豊平峡の場所・行き方・アクセス
マップコード:708 634 231*24
豊平峡温泉から3.0km、車で約5分
定山渓温泉から5.1km、車で約8分
さっぽろ湖から12.7km、車で約19分
札幌国際スキー場から25.3km、車で約29分
朝里ダム(オタルナイ湖)から37.3km、車で約44分
札幌駅から32.9km、車で約58分
参考文献:さっぽろ文庫1 札幌地名考』札幌市・札幌市教育委員会(著)/昭和52年9月26日発行