京都の元離宮二条城の目の前に位置するラグジュアリーホテル、ホテル ザ ミツイ キョウト(HOTEL THE MITSUI KYOTO)のホテル宿泊記です。
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ホテル ザ ミツイ キョウト HOTEL THE MITSUI KYOTO
世界文化遺産、京都の元離宮二条城。
徳川家の栄枯盛衰を象徴する歴史的建造物のThe Front、ホテル ザ ミツイ キョウト(HOTEL THE MITSUI KYOTO, a Luxury Collection Hotel & Spa)。
ホテルザミツイキョウトの立地を語るには、一枚の写真で事足ります。
京都二条城の敷地内から東大手門と堀川通り越しに、ホテルザミツイキョウト。
ホテル敷地東側に位置する表玄関。
1703年創建の梶井宮門(The Kajiimiya Gate)をくぐり抜けて。
静けさに包まれた美しき庭園に面するロビー。
ウェルカムドリンクのお茶をいただきながら、チェックインの手続きを行います。
こちらのホテルザミツイキョウトは、2020年11月に開業。
コンセプトは「日本の美しさと -EMBRACING JAPAN’S BEAUTY-」です。
かつて三井家の総領家(北家)が存在した場所に、その土地が持つ悠久の記憶を紡ぐ建造物や遺構を大切に修復・保存。
現代にラグジュアリーホテルとして誕生した、比類のないホテルです。
Marriott Bonvoyに加盟、ラグジュアリーコレクションのホテルブランドを冠しています。
総客室数は161室。
運営会社は三井不動産リゾートマネジメント株式会社。
伊勢志摩のアマネム、ハレクラニ沖縄、小浜島はいむるぶし他、三井ガーデンホテルシリーズを展開しています。
マリオットBonvoyエリート会員特典の内容、館内のご案内です。
今回は客室のアップグレードあり。
レイトチェックアウト申請は通りませんでした。
ロビーからエレベーター、エレベータホールに至るまでも、洗練された上質な空間。
ルームキーがぴったり収まる紙製のケースは、着物のような奥ゆかしいデザイン。
大和比とも呼ばれる1:1.41の白銀比が使われています。
さて、モノクロのカードキーの表面に描かれている図柄は何でしょうか?
答えは、アンバサダーと巡る館内アートツアーにて…。
デラックススイート Deluxe Suite
宿泊する客室は、予約したお部屋からアップグレードをいただき、デラックススイート(Deluxe Suite)。
HOTEL THE MITSUI KYOTOのスイートルームの中では最もお求め安い客室です。
広さ55㎡のジュニアスイート。
さりとて、二条城を望むニジョウスイートや庭園に面するガーデンスイートにはないメリットがあります。
それは、外からの視線。
リビングルーム
客室の扉を開けると、床材がタイルの土間のようなスペースがあり、左手にミニバーと姿見鏡。
その奥に老緑の絨毯が敷かれたリビングルームがあります。
客室のデザインは香港出身のデザイナー、アンドレ・フー氏が手がけています。
ゆったりとくつろげるソファ席の背面には、木彫りのアート。
館内を巡るアートツアーの際に訊いたところ、こちらは『東閣寒梅・雪山楼閣図』を描いたものだそうです。
ロビーラウンジ(後述)に所蔵されている書籍の中で確認できます。
居心地の良いデスクは、くるみの木製。
ポストカード。
A型コンセント、USBコンセントの他、訪日ゲストに合わせて全世界対応型のコンセントの用意もあります。
すっきりとしたテレビ周り。
BOSEのスピーカー、館内の案内、リモコンボックスは綺麗に収納。
驚いたのはエアコンの吹き出し口で、あえて間接照明を当てています。
客室内にはルーバーがふんだんに使われており、それらとの連続性があるので何ら違和感がありません。
機能とデザインを両立させた素敵なデザインです。
これはベッドルームも同様です。
ウェルカムスイーツとウェルカムドリンク。
お茶は二条通りの老舗、柳桜園茶舗の緑茶とほうじ茶です。
京都市伏見区の名水「伏水(Fushimi Water)」。
日本酒の仕込み水としても使われるお水だそうです。
お茶はThe Garden Barのアフタヌーンティーでも採用のシンガポールTWG。
ネスプレッソ6カプセル。
ミニバー。
客室用スリッパも相当なこだわりよう。
ふっくらと包み込まれるような履き心地です。
ベッドルーム
ベッドの両サイドテーブルには全世界対応型コンセント、USB充電口が備わり機能的です。
片側にはBOSEのスピーカーも。
クローゼットとセキュリティボックス。
ラゲッジスペースは人造大理石の仕上がりで高級感が感じられます。
黒いケースはヨガマットです。
着心地が良い、麻のような質感のパジャマ。
袖口にさりげなく入っている「MITSUI」の大きさが絶妙です。
バスルーム
マーブル柄の大理石に2ボウル。
高級感のある洗面化粧台。
メタリックな蛇口に、岡持ちのような木箱のアメニティボックスが良い具合に調和を見せています。
ふわふわで着心地が良い、バスローブ。
ライトグレーの色合いも素敵です。
奥行だけでなく横幅もゆったりと広い、バスタブ。
人造大理石のタイルがこちらも高級感を演出。
壁にはTVモニター付き。
へちまスポンジとバスソルト。
シャワーは、ハンドシャワーとレインシャワーの2タイプ。
ハンドシャワーは水の一粒一粒が大きく、たっぷりの浴び心地を体感できます。
トイレはタンクレス。
ウォシュレットリモコンを木枠に組み込んだデザインも美しい。
アメニティ
パルファン サトリのバスアメニティ。
岡持ちの木箱を開けると、歯ブラシなどのアメニティ。
ドライヤーは高級ホテル御用達のホリスティックキュアーズ。
ターンダウン
ターンダウンサービス。
サイドテーブルに香老舗 松栄堂の本の栞。
PCのケーブルにはHOTEL THE MITSUIのロゴ入りのケーブルクリップ。
ミニバーにはカクテルグラスとオレンジピールの用意まで。
想像を超える細やかなサービスで、いたく感激しました。
千本鳥居からインスピレーションを得た通路
京都の伏見稲荷大社の千本鳥居からインスピレーションを得た1Fの通路。
日中は南の庭園側から日差しが差し込み、影が伸びる。
夜間はライトアップされ、趣向がまた異なる幻想的な雰囲気です。
アイストップには、漆と螺鈿(らでん)のアート作品『宙(Sora)』。
庭園 Garden
北三井家・油小路邸時代のお庭を現代に再現した庭園。
四季折々、季節の美しさを身近に感じられる樹木が見頃を迎えます。
遊び心のある飛び石を渡った先には、春に花を咲かせる八重紅枝垂桜。
梶井宮門 The Kajiimiya Gate
1703年に建立された、梶井宮門(The Kajiimiya Gate)。
梶井宮とは左京区大原にある天台宗の寺院「大原・三千院」を指し、かつて東坂本の梶井にあったことに由来します。
1935年に油小路邸の門として移築された際は、現在の場所よりも10メートル程南側にあったそうです。
一度解体された後、福井県の宮大工集団により全面改修され、この地で再び物語を紡ぐ。
なぜ、ホテルザミツイ京都の表玄関が西側の東堀川通りではなく、東側の油小路通り側にあるのか。
それは、油小路邸時代の敷地配置図をベースに継承していることから。
8割の部材は門の中で再利用されており、残り2割はホテルの館内で使われています。
留蓋瓦の桃は、魔除けの意味で設置されたもの。
『古事記(Kojiki)』においても、伊邪那岐神が伊邪那美命の追手から逃れる際に桃を投げつけ難を逃れるシーンがあります。
改修前の留蓋瓦の桃は、ロビーラウンジに展示。
四季の間 Shiki-no-ma
庭園の西に建つのは、総檜造の四季の間(Shiki-no-ma)。
日本画家 朝倉隆文氏による襖絵は春夏秋冬を表現したもの。
お部屋のカードキーに描かれている作品はこちらです。
アートツアーにご参加の際は、ぜひ目の前でご覧ください。
朝食 Breakfast
朝食は1階のイタリアレストラン FORNI にて。
ビュッフェではなくプレートでの提供です。
メニューは4種類。
アメリカンブレックファスト、和朝食、コンチネンタルブレックファスト、ヘルシーブレックファスト。
おすすめは和朝食とのこと。
今回はアメリカンブレックファストと、和朝食をお願いしました。
アメリカンブレックファスト。
本日のスムージーはベリー。
卵料理のシグネチャーは、エッグベネディクトとフレンチトーストを掛け合わせた「柚子と西京味噌のエッグフレディクト」。
柚子と京味噌がふわりと香る、オリジナリティー溢れる一品。
エッグベネディクトとフレンチトーストを同時に楽しめます。
そして特筆すべきは、店内の薪窯で焼き上げるクロワッサン。
まさに焼き立てサクサク。
シェフ自らテーブルを周ってサーブしており、おかわりも勧めていただけます。
ホテルオリジナルのジャムも非常に美味。
原材料を見ると和歌山県産のブルーベリーやイチゴ、ハチミツはオレンジハチミツ。
砂糖は甜菜糖を使用するこだわりよう。
今現在販売はしていないそうですが、今後お土産として購入できたら良いですね。
こちらは和朝食。
器や木箱、彩りにもこだわりが感じられ、京料理らしい上品な仕上がり。
銀ダラの西京焼き、ハーブ卵の出し巻き、美山ゆば豆富など、いずれも丁寧に作られています。
谷井農園の梅干しも美味しい。
早朝の爽やかな光とともに、美しき庭園を眺めながらいただく朝食のひとときは、大変素晴らしいものでした。
アフタヌーンティー Afternoon Tea
The Garden Barのテラスでいただいた、アフタヌーンティー。
日本庭園を表現した、季節の彩りを感じられる手の込んだスイーツです。
写真点数が多いので、別の記事にまとめました。
ザ ガーデン バー The Garden Bar
アフタヌーンティーで賑わう日中とは一転、煌びやかな装い。
バーカウンター越しに庭園を望む、The Garden Bar。
シグネチャーカクテル、Kira/雲母。
明治創業木村硝子で造られたマティーニグラスに、京都のジン、京都の日本酒、オレンジビターで作るカクテル。
庭園をイメージした、ザ ガーデン バー ジン&トニック(The Garden Bar Gin & Tonic)。
白髪のバーテンダーさんも素敵な方でした。
エクスペリエンス Experience
HOTEL THE MITSUI KYOTOの館内で楽しめるExperience。
www.hotelthemitsui.com/ja/kyoto/experience/
どのプログラムも事前予約必須です。
午後のお愉しみ 〜お抹茶のふるまい
ロビーに隣接する茶居(Chakyo)にて、「午後のお愉しみ 〜お抹茶のふるまい」の体験。
千利休を初祖とする「武者小路千家」の茶道家の先生から手ほどきを受けたアンバサダーによりお点前を披露いただきます。
訪日ゲストの方々も気軽に利用しやすい立礼式です。
アンバサダーと巡る HOTEL THE MITSUI KYOTO アートツアー
この地が持つ歴史やホテルのコンセプトを熟知されたアンバサダーと、ホテル館内を巡るアートツアー。
ホテルザミツイキョウトでの滞在の思い出がより濃くなること間違いありません。
ラウンジ
ロビーラウンジ。
中央の壁面には藤原志保さんが墨と和紙で作られた作品の展示があります。
本棚には、三井家関連の書籍がずらり。
客室リビングのアートの題材となった『東閣寒梅・雪山楼閣図』は、三井文庫別館蔵品図録「三井家の絵画」p.58にて確認できます。
サーマルスプリング SPA
地下1Fにある「サーマルスプリング SPA」。
SPAトリートメント、温泉施設(源泉名:京都二条温泉)があります。
温泉は、プライベート温泉・水着着用のサーマルスプリング(大浴場)の2種類。
1Fと同様、千本鳥居をイメージした長い通路。
外界と隔絶されるかのような美しい通路も必見です。
天然温泉(循環ろ過式、加水・加温)
泉質:ナトリウムー塩化物温泉
泉温:25.1℃
サーマルスプリングの内部は撮影不可のため写真こそありませんが、広々とした内部には目隠しになるような岩の仕切りが程よく配置されており、リラックスできる空間。
ジャグジーやサマーベッドがあり、ゆっくり過ごせます。
水着着用のため海外からお越しのゲストも利用しやすいですし、水着はその場でレンタル可能。
客室のTVモニターで混雑状況を確認できるので、スムーズに利用できました。
SPAの責任者の方とお話していたところ、今回特別にSPAとプライベート温泉の中をご案内していただき、写真を撮影させていただきました。
温泉、隣接するウェットエリアは自然光が入る設計になっており、リラックスして過ごせます。
プランのご確認やお問い合わせ・ご予約は、ホテル運営会社の公式サイトからどうぞ。
www.hotelthemitsui.com/ja/kyoto/thermal_springs-spa/
フィットネスジム Fitness
24時間営業のフィットネスは地下1Fに。
地下に位置していながらも、1F庭園の自然光がトップライトを通して差し込むため、地下特有の閉塞感は感じられません。
二条城ほか周辺の見どころ
元離宮二条城の東大手門まで徒歩約5分。
ホテルの西側には二条城の石垣が残っています。
写真は石垣とホテルザミツイキョウトと地域猫のクロちゃん。
ホテル ザ ミツイ キョウトの場所・行き方・アクセス
JR京都駅からHOTEL THE MITSUI KYOTOまでタクシーで約10分、料金目安1,500〜2,000円。
地下鉄東西線「二条城前」駅2番出口徒歩約3分。
2番出口は階段のみのため、大きな手荷物がある場合は、エスカレーター・エレベーターのある1番出口利用をおすすめします。
感想・総評
非の打ち所を探すのが困難なほど、ハード・ホスピタリティのレベルが高く、立地もこの上ありません。
滞在そのものが素敵な体験になるホテルです。
本来であれば、海外からお越しのゲストの方々が多数宿泊・滞在していたであろうホテル。
ランドスケープ、館内のしつらえ、客室のデザイン、エクスペリエンスまで。
遠方から空の旅を経てお越しのゲストが満足できる内容になっています。
この苦難の時期を超えた暁には、海外からお越しのゲストの方々にも、京都の観光と合わせてHOTEL THE MITSUIでの滞在を楽しんでいただきたいです。
住所:〒604-0051 京都府中京区二条油小路町油小路通二条下る284
電話番号:075-468-3155
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜12:00