開業は1934年、80年以上の長い歴史を持つ札幌の老舗ホテル。
札幌駅前通り沿いに面する札幌グランドホテル(Sapporo Grand Hotel)の宿泊記です。
札幌グランドホテル Sapporo Grand Hotel
札幌の町を見守りつづける、北海道庁赤れんが庁舎の近く。
1928年、札幌を訪れた秩父宮殿下の「札幌に冬季五輪を開催するために本格的な洋式ホテルとジャンプ競技場を建てたら」という一言が契機となり、1934年に開業した札幌グランドホテル(Sapporo Grand Hotel)。
札幌を代表する老舗ホテルの過去の宿泊者には、昭和天皇・皇后両陛下、ウィーン少年合唱団、ニューヨークヤンキース、ヘレン・ケラーなどの名だたる顔ぶれ。
建物はその長い歴史の中で建て替えと増築を重ねており、現在は本館・東館・新館の3つで構成されています。
中でも1966年に開業した本館の「北面のファサード」は、古めかしさの中にも気品を感じさせる佇まい。
一枚一枚、絶妙に色が異なるタイル、洗い出しの外壁、レトロなデザインのサインも素敵です。
最近に建築されたばかりの新築ホテルには出せまい、独特の雰囲気を醸し出している。
運営会社はグランビスタホテル&リゾート。
中島公園の札幌パークホテルもこちらの運営です。
エレベーターはルームキーがセンサーになっており、セキュリティ面はしっかり。
レセプションやロビー周辺は現代的なしつらえで小綺麗な印象を持つものの、エレベーターや客室フロアの雰囲気は何とも味わい深い。
低い天井、ビロードのような鉄紺の鮮やかな絨毯、客室案内のフォント、客室ブザーのレトロなデザインなど、思わずホテル内を探検したくなるような空間です。
狙って作られた新しいものには出せない、オリジナリティ。
今回宿泊する客室は東館(写真の左側)。
5Fの案内図を見ると、本館側(右側)は南北に細く切られ、客室は若干コンパクトにみえます。
スタンダードデラックスツインルーム Standard Deluxe Twin Room
44㎡のスタンダードデラックスツインルーム(Standard Deluxe Twin Room)。
ホテルの内廊下からの連続性を感じるような絨毯が印象的。
ベッドルーム
客室内はリノベーションがなされており、綺麗で清潔です。
ヘッドボードやデスクの表面はプリントであることが明白で、少し安っぽさがあります。
この点は客室のグレードによっても異なるところかもしれません。
客室入り口近くに小さな机と椅子が二脚。
ビジネスマン向けに、ズボンプレッサーもあります。
スリッパは高さのあるふかふかとしたタイプ。
北側の通りを挟んだ反対側には信金の入るビルがあり、オフィスの中が丸見えでした。
北東側の窓からは、札幌駅前通が見えます。
空調のデザインも、何とも絶妙。
一般的なエアコンの壁付けリモコンもあります。
バスルーム
バスルームは化学メーカー製のユニットバス。
水回りは使い勝手重視のようです。
アメニティ
アメニティはチェックイン時に手渡される袋の中に。
男女別で内容が異なり、女性用のアメニティにはシャワーキャップやヘアゴムが入っています。
朝食
朝食はビュッフェ形式ではなく定食形式です。
和定食か洋定食を選べます。
さらに和定食の場合は1日30食限定の「野菜多めの和定食」を選ぶこともできました。
上の写真は普通の和定食。
焼き鮭や明太子など。
上の写真は野菜多めの和定食。
丸いお盆が可愛らしく、女性受けが良さそうです。
朝食のデザートは、アップルパイ、チーズケーキ、ハーゲンダッツのアイスクリーム。
レストラン
ノーザンテラスダイナー Northern Terrace Diner
札幌駅前通に面するレストラン、ノーザンテラスダイナー(Northern Terrace Diner)では夕食をいただきました。
ホテル開業当時のメニュー(後述)を受け継ぐ、伝統のカレーライスやアップルパイもあります。
ホテルのレストランにとしては比較的求めやすいお値段、味も美味しいです。
仔羊肉のグリルと夏野菜のラムカレー。
網焼きのラム肉はクセがなく玉ねぎがたっぷり入ったカレールーとよく合います。
夏野菜グリルのキーマカレー。
あたたかいホテル伝統のアップルパイ バニラアイスクリーム添え。
80年以上の時を超えて受け継がれる、伝統のアップルパイです。
札幌グランドホテル特製バニラアイスクリーム。
ザ ベーカリー & ペイストリー The Bakery & Pastry
1Fのザ ベーカリー & ペイストリー(The Bakery & Pastry)では、ブレッドやオリジナルギフトを販売しています。
写真は札幌グランドホテル総料理長プロデュースの限定品「華麗なるシェフのカレーパン」。
ローマ発祥のスイーツ、マリトッツォ(Maritozzo)はテイクアウトでいただけます。
ロビーラウンジ ミザールのアフタヌーンティー
ロビーラウンジのミザールでは、アフタヌーンティーのセットをいただけます。
札幌グランドホテルのアフタヌーンティー ロビーラウンジ ミザール
札幌グランドホテルの資料館・その他施設
札幌グランドホテルにご滞在の際は、ぜひとも訪れていただきたい。
別館1Fにある展示室。
ホテル開業2年後の1936年(昭和11年)当時の札幌の地図は非常に面白く、札幌の町の今昔を楽しめます。
開業当時のレストランのメニュー、カトラリーの展示、開業当時の本館の外観写真など、見応え十分。
開業当時1934年(昭和9年)のランチメニュー。
今もホテル内のレストランで食べることができる、チキンカレーライスやアップルパイの文字も。
1936年(昭和11年)の札幌地図を元に、昔の札幌の痕跡を探る町歩きも、きっと楽しそうです。
札幌の中心部は碁盤の目のように綺麗に区画分けされているため、場所の把握もしやすい。
4Fの和食レストラン 環楽の前には「日本初の屋上庭園」も。
札幌グランドホテルの場所・行き方・アクセス
JR札幌駅からホテルまでは徒歩約8分。
札幌駅前通の「地下道8番出口」からもアクセス可。
悪天候や積雪のある日でも、札幌駅から地下道を通じてホテルまで行けるので便利です。
北海道庁赤れんが庁舎まで徒歩2分
北菓楼 札幌本館まで徒歩3分
札幌市時計台まで徒歩4分
新千歳空港より空港連絡バスあり。
札幌都心行き「札幌グランドホテル」下車
感想・総評
ホテルの外装や内装には、古さを感じる部分はあります。
しかしそれもまた、歴史を重ねてきたホテルの魅力。
開業当時から受け継いできたレストランのメニューを味わえるのも良いです。
レセプション・レストランの応対は、札幌の老舗ホテルらしく非常に丁寧な印象を覚えます。
JR札幌駅と大通駅の間にあるため、観光・ビジネス問わずに使える至便な立地。
札幌滞在の思い出がより色濃くなる、利便性と気品を両方兼ね備えたホテルだと思います。
外壁の一枚一枚貼られたタイルなどを見ても、修繕費は高くつきそう。
しかし、いつまでも残っていてほしい。
そう思えるほどに、素敵なホテルでした。
住所:〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西4丁目
電話番号:011-261-3311
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜11:00