マリーナベイやシンガポールズーとは異なるシンガポールの魅力、緑豊かなサザンリッジ(The Southern Ridges)のウォーキングコースを歩いてみました。
サザンリッジ The Southern Ridges
シンガポール本島南部のウォーキングコース「サザンリッジ(The Southern Ridges)」。シンガポール本島南部の公園を結ぶ全長約10kmのトレイルコースです。
シンガポール国内でも随一の高台エリアのため見晴らしがよく、金融街やセントーサ島、遠くはインドネシアの島々を望めます。
マウントフェーバーのマーライオン、近未来的なデザインの橋など「シンガポールらしさ」を感じるスポットを訪れつつ、保全された豊かな自然、野鳥やリス・蝶などを眺めながら森林浴のウォーキングを楽しみましょう。
サザンリッジのコースマップ
サザンリッジは5つの公園にまたがっています。
- マウント フェーバー パーク(Mount Faber Park)
- テロック ブランガ ヒル パーク(Telok Blangah Hill Park)
- ホート パーク(Hort Park)
- ケント リッジ パーク(Kent Ridge Park)
- ラブラドール自然保護区(Labrador Nature Reserve)
ハーバーフロント駅の北側にあるマウント フェーバー パーク(Mount Faber Park)、テロック ブランガ ヒル パーク(Telok Blangah Hill Park)、ホート パーク(Hort Park)、ケント リッジ パーク(Kent Ridge Park)、ラブラドール自然保護区(Labrador Nature Reserve)の5箇所。
アレクサンドラ ブリッジ(Alexandra Bridge)から二手に分かれ、「ケントリッジパーク」を目指すか、「ラブラドール自然保護区」を目指すか分かれます。マップにある所要時間から計算するに、
ハーバーフロントからケントブリッジパークを目指すコース | Marang Trail→Alexandra Bridge→Science Park | 所要時間161分、総距離7.07km |
ハーバーフロントからラブラドール自然保護区を目指すコース | Marang Trail→Alexandra Bridge→Labrador Nature Revenue | 所要時間137分、総距離5.26km |
ハーバーフロントからラブラドール自然保護区に立ち寄りケントブリッジパークを目指すコース | Marang Trail→Alexandra Bridge→Labrador Nature Revenue→Alexandra Bridge→Science Park | 所要時間239分、総距離10.07km |
サザンリッジは出版社にとって旨味が少ないからか?
日本のガイドブックではほとんど紹介されておらず、歩いているのは地元の方ばかり。
観光客は少なく、ゆっくりとウォーキングを楽しめます。
Marang Trail
距離 | 0.8km |
所要時間 | 15分 |
ハーバーフロント駅D出口の裏手からスタート。
マウントフェーバーの丘の上までつづく上りのコースMarang Trailです。
以前、マウントフェーバーのマーライオン像→セントーサ島へケーブルカーというルートで歩いたことがあります。
マウントフェーバーはシンガポールで2番目に高い海抜105m(1番高い場所は中部のBukit Timah Hill、163.63m)。
Faber Walk
距離 | 1.0km |
所要時間 | 15分 |
マウントフェーバーの中を通る、セントーサマーライオンやケーブルカーの見えるルート。
途中左手に現るはシンガポールケーブルカーのマウントフェーバーステーション。
写真中央に見える構造物は、セントーサ島のシロソ砦にある高さ36.3mのシロソスカイウォーク。以前シロソスカイウォークを訪れた時には野生のキタカササギサイチョウを発見して感動した覚えがあります。
それ以来というもの、鳥たちが生息する世界と同じ高さにさえいればまた出会えるチャンスがあるのではないか?と思っています。
セントーサマーライオンやユニバ、天気がよいと奥にはインドネシアのバタム島の姿まで遠望できます。
ケーブルカー マウントフェーバーステーションの奥にはマーライオンのひとつ「マウントフェーバーのマーライオン」があります。
Henderson Waves
距離 | 0.3km |
所要時間 | 5分 |
Henderson Roadの上を通る高さ36mの橋、ヘンダーソンウェーブ(Henderson Waves)。
その名の通り上下に波打つデザインをしています。
セランガンバツ(Yellow Balau)を使用した床材も個性的。
この日も「フォトジェニックな写真を撮ろう」と、地元の若い方が集って写真撮影していました。
丘と丘を繋ぐ役割でしかない単なる橋のデザインでさえも「シンガポールの勢い」を感じます。
この冒険的なデザインを採択できるのもシンガポールならでは、か。
日本なら「無駄遣いだ」「木が腐ったらどうなる」という話になるのが目に見えます。
ベンチの影で昼寝するにゃわりさん。
Hilltop Walk
距離 | 1.0km |
所要時間 | 15分 |
Telok Blangah Hill Park内にあるHilltop Walk。森の中の階段を抜けると花が咲き誇るテラスガーデンへ。
Forest Walk
距離 | 1.3km |
所要時間 | 20分 |
森の中に整備された高さ3m〜18mの遊歩道、フォレストウォーク(Forest Walk)。
床部分は太陽の光が地面に届くようメッシュになっており、程よい高度感を楽しめます。
そして狙うはキタカササギサイチョウのような鳥の再来。
ふと手すりに目を配ると、見たことのない色の蟻を発見。
身体がゴールドで輝いている、金の蟻。
レアなのかと思いきや、Forest Walk内にかなりの数生息しています。
しばらく歩くと、今後は銀の蟻を発見。
金色の蟻につづいて銀色の蟻、幻か?
動き回る蟻に一眼レフのピントを合わせるのに苦労してじっと撮影していたところ、シンガポーリアンの女性お2人に「何を撮っているのか?」と声を掛けられます。「蟻だよ」と答えたら、案の定、笑われましたよ…。
どうやら、シンガポールの蟻ではゴールドもシルバーも珍しい色ではないようです。
Forest Walkにはリスがたくさん生息しており、自生する樹々をターザンのように飛び移っていました。
鳥は何羽か発見しましたが、写真におさめることはできず。
残念ではありますが「必ず見れるという約束がない」からこそ面白い!
Alexandra Arch
距離 | 0.08km |
所要時間 | 5分 |
Forest WalkとHortParkの間に架かるアレクサンドラ橋(Alexandra Arch)。
橋の上を歩いても何の面白みもないのですが、橋の下から見上げると湾曲したデザインに圧倒されます。
19:00〜0:00の間にライトアップされるはずがこの日はライトアップされず。
Floral Walk & HortPark
距離 | Floral Walk:0.3km、HortPark:1.1km |
所要時間 | Floral Walk:5分、HortPark:15分 |
ガーデニング関連の研究、教育まで行う園芸総合施設ホートパーク(HortPark)。
Canopy Walk
距離 | 0.3km |
所要時間 | 5分 |
ケント リッジ パーク(Kent Ridge Park)の高台にあるウォーキングコース、キャノピーウォーク(Canopy Walk)。
キャノピーウォークから北側のブキッ・ティマ(Bukit Temah)方面を望む。
この場所にはこの地が戦火に見舞われたことを示すパネルが掲示されていました。
先述の通りブキテマはシンガポール本島で最も高い場所に位置しており、当時は英国軍が食糧や弾薬、燃料を保管していました。
1942年2月11日の明け方、旧日本軍はブキテマを落とし、2月15日フォード自動車工場で行われた山下・パーシヴァルの会談へと向かいます。
現在もAlexandra Bridgeの北側にあるアレクサンドラ病院は、1938年に設立された英国軍の病院だったようです。
赤十字の保護下にありながら旧日本軍はメディカル隊の中尉William Frederick Jayne(W.F.J)を狙うために攻撃を仕掛けたとのこと。
中尉は白いベッドシートで降伏の意思を示したようですが…、イギリスのサイトを見ると2月14日死亡となっています。
www.kingscollections.org/warmemorials/guys-hospital/memorials/weston-william-frederick-jayne
おわりに
今回歩いたコースは普通に歩いていれば3時間かからない程度で走破できるようです。
今回は写真を撮りながらでしたので、6時間以上要し、最後は陽が暮れてしまいました。
お昼前にハーバーフロントを出発し、Hilltop Walkのテラスガーデンにある四阿でランチをするピクニックプランも良さそうです。
マウントフェーバーのマーライオンとヘンダーソンブリッジだけ見てセントーサ島のケーブルカーでセントーサ島へ渡るプランもよいでしょう。
いずれにせよガイドブックには乗っていないシンガポール旅を楽しめるはず!