リトアニアの首都ヴィリニュスを流れるヴィルネ川。
その川が孤を描く箇所。
ヴィリニュス旧市街と「川を隔てた向こう側」にある未承認国家、ウジュピス共和国(Užupis)へ。
未承認国家 ウジュピス共和国 Užupis
1998年4月1日。
ヴィリニュスの由来であるヴィルネ川(Vilnia)の東にある地域が独立宣言。
名前はウジュピス共和国(Užupis)。
リトアニアから独立宣言をしたと言っても、国連加盟国・非加盟国はおろかリトアニアからも国家承認を受けていない未承認国家です。
ウジュピス(Užupis)はリトアニア語で「川の反対側」の意味。
旧ソ連時代にはウジュピスの住民のほとんどを構成していたユダヤ人住民が殺害され、その後リトアニアが独立する1990年まではヴィリニュスの中でも治安が悪い場所だったのだとか。
現在のウジュピス共和国にはアーティストが多く在住。
ヴィリニュスの語源となった長閑な川、旧ソ連時代に荒廃した家屋、町の随所に見られるアート。
さまざまな要素が織りなす雰囲気は、こうして言葉で例えるのが難しい「独特」なものです(従いまして、いつも通りオールドレンズのスナップ写真を多用します)。
カラフルなシートで覆われたオブジェ。
Googleマップでは「Little Free Library(公立図書館)」とあります。
ウジュピスの天使像 Angel of Užupis
ウジュピス共和国の中央部にある広場に建つ、ウジュピスの天使像(Angel of Užupis)。
隣にある豚の形のしたオブジェはお賽銭代わり?
町のあらゆる場所にアートギャラリーやタトゥーショップがあるウジュピス共和国。
ウジュピスの天使像の目の前にはカンナビスのショップもありました。
たまたまお休みだったので入れませんでしたが、営業していたら色々と訊いてみたかった。
広場から南側の丘の向こうに見える教会(Church of Ascension in Vilnius)。
かつての住人は、どのような気持ちで教会の尖塔を見上げていたのでしょうか。
壁面アート The Užupis Dream Tree
ウジュピスの見どころを詰めこんだ壁面アート。
そうそう、ウジュピス共和国憲法を見なければ。
ウジュピス共和国憲法 Constitution of the Republic of Užupis
ウジュピス共和国の憲法が掲げられた壁面。
全41条のウジュピス共和国憲法。
一文一文の内容が本質的で、割とじっくり見入ってしまう。
自分の生き方のヒントになる一文が、この中にあるかもしれない。
レストラン Užupio kavinė
ヴィルネ川沿いにあるレストランUžupio kavinėで遅めの昼食。
Bridge of Užupisの近くです。
リトアニアの名物料理、Lietuviški šaltibarščiai。
爽やかな酸味のあるビーツの冷製スープ。
Zeppelins with meat €6.50
こちらもリトアニアの名物料理、Cepelinai(ツェペリナイ)。
もちもちとしたジャガイモの団子の中にお肉が入っています。
Lithuanian Craft Wheat Beer €3.80
おわりに
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ヴィリニュスの語源でもある川に隔てられ、旧ソ連時代の暗い歴史も併せ持つエリア。
リトアニアの歴史を紡ぐ場所で。
観光地化を狙って独立宣言したのではなく、この地域に住まうアーティストたちがそれなりの理念を持って独立宣言した結果、「足し算式」で観光地になった点に価値の高さを感じます。
お金ありきでいくらお金を積んで真似しようと思っても真似ができないオリジナリティを、ウジュピス共和国に見つけました。