札幌から車で1時間弱の定山渓温泉。
北海道を拠点とする高級ホテルチェーン「鶴雅」のホテル、定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌(Jozankei Tsuruga Resort Spa MORI NO UTA)のホテル宿泊記です。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌 Jozankei Tsuruga Resort Spa MORI NO UTA
札幌市南区にある定山渓温泉。
豊平川の両側に点在するホテルの中のひとつ、定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌(Jozankei Tsuruga Resort Spa MORI NO UTA)に宿泊しました。
鶴雅グループは、北海道を拠点とする高級ホテルチェーン。
道東の阿寒湖畔を中心に、網走、サロマ湖、支笏湖、ニセコ、函館大沼に展開しています。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌は、2010年にオープン。
総客室数は54室。
定山渓温泉にあるホテルの中では新しいホテルになるため、温泉街中心部(月見橋や二見吊橋があるエリア)から東に離れた場所にあります。
鶴雅グループらしい、ダイナミックなデザインの庇。
エントランスからロビーまでのアプローチは、森の暗がりへ迷い込んだかのような、外部とのコントラストが素敵。
ウイルタ文様・アイヌ文様をモチーフとしたホテルのロゴを象った装飾も、特別な空間を醸出するのに一役買っています。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌のコンセプトは、森の物語。
写真はロビーと一体の「森ラウンジ」。
鉄の暖炉は天に向かって伸びる大木を、借景と連続性のある緑色のカーペットは草原を、水のカーテンは天から降り注ぐ雨を。
鶴雅グループのホテルロビーは、世界観の体現・作り込みが素晴らしいです。
ホテルの敷地を木材で立体的に描いた案内マップ。
定山渓鶴雅の客室は、露天風呂付きの別棟コテージ、デラックス、スタンダードの大きく分けて3つに分かれています。
チェックイン後は、案内係の方に館内の説明をいただきながら、客室フロアへ。
エレベーター前で土足を脱ぎ、木の靴箱へ収納します。
以降、館内は外履き用のスリッパで移動できます。
廊下の窓の向こうには、定山渓大橋と紅葉。
左手奥には雪肌を見せる余市岳、右手に出現している雲海は定山渓ダム(さっぽろ湖)のあたりです。
鶴雅滞在の楽しみのひとつ、ルームキー。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌のルームキーは、札幌クラフト工房によるオリジナルデザイン。
素材は桜の木で、宿泊するお部屋の階数により若干デザインが異なります。
ストラップは首からかけることができ、後述の館内着との組み合わせもグッド。
デラックスツイン Deluxe Twin
宿泊する客室は、デラックスツイン(Deluxe Twin)。
広さは42㎡です。
ベッドルーム
鶴雅らしい、落ち着いたしつらえのベッドルーム。
傾斜が緩やかな勾配天井は、開放感に+αのアクセント。
お部屋にリゾート感を加えていて良いですね。
ワインレッドのベッドスローには、定山渓鶴雅のロゴマーク。
ツインベッドの中央にソファとテーブル。
奥にはマッサージチェアがあります。
ベッド脇のコンセントも数が多く、使い勝手が良いです。
窓際には、お部屋に溶け込むワークデスクとクローゼット。
クローゼットの中には、セキュリティボックス、リラックスして過ごせる館内着、暖かい羽織りのベスト、鶴雅ではお馴染みの足袋ソックス。
ロビー、温泉、夕食ビュッフェ。
どこで過ごすにも着心地が良い仕様です。
冷蔵庫内には、冷たい「ぶどう紅茶」のサービス。
円錐形のグラスは、木製のコースターに嵌めることにより、はじめて安定を手に入れます。
この機能面での不自由さが、また良い。
非日常を、心地良く楽しめる空間では。
客室内に置いてあった冊子。
定山渓観光協会のパンフレット、鶴雅グループの情報誌。
探検家 松浦武四郎を特集した「かの地へ。」は情報がコンパクトに詰まっていて、見応えがあります。
松浦武四郎は「北海道(北加伊道)」の名付け親です。
バスルーム
洗面台はデザインの異なるボウルが2つ。
片方は背の小さなお子さん向けでしょう。
お部屋のアクセントカラーと同系色のタイルが可愛い、シャワーブース。
この客室タイプには、バスタブがありません。
温泉を楽しめば良いので、まったく問題ないでしょう。
アメニティ
鶴雅グループのホテルでお馴染みのバスアメニティ。
黒千石豆、白鮭コラーゲン、ガゴメ昆布エキスなどの北海道産素材を使用しており、1Fのショップで購入可能。
温泉
温泉については内部の撮影はできないため、客室にあった温泉分析書を交えて文章でまとめます。
源泉名:森の謳
泉質:ナトリウム・塩化物泉 (中性低張性高温泉)
泉温:77.6℃
PH値:6.5
温泉の脱衣所に掲示されていた泉温は79.9℃でした。
衛生面への考慮から、加水・循環を行っているようです。
内風呂は一箇所。
別途ジェットバスのスペースあり。
露天風呂は、泉温が異なる2つのお風呂があります。
決して広くはありませんが、お湯に浸かりながら紅葉の借景を楽しめました。
阿寒湖にある「鶴雅 遊久の里」のような尖ったコンセプトのある温泉ではないものの、滞在中に何度も入りたくなる良いお風呂でした。
パラグアイハープのミニコンサート
ロビーでは、パラグアイハープのミニコンサートが1日に4回行われます。
湯上がり後に火照った身体を冷ましながら、ハープの音色を聴いて癒されましょう。
もはや、ハープ鑑賞については「温泉とワンセットの体験」です。
定山渓鶴雅滞在でのThings to doです。
感動しました。
振り返ってみれば、サロマ湖にある鶴雅の夜にて、学校の先生が奏でるオカリナの音色に感動した記憶が蘇ります。
鶴雅グループは、五感のツボ押しが上手ですね、本当に。
森ラウンジ
森ラウンジのシェルフ。
北海道関連を含む書籍・写真集が収蔵されており、ロビーはもちろん、お部屋で読むこともできます。
スピーカーが配されたリスニングスペース。
リラックスして過ごせます。
夜は、鉄の暖炉を囲って焼きマシュマロ。
持ち手部分ははんと、鹿の角!
森ビュッフェ
夕食
夕朝食は、1Fの森ビュッフェにて。
コンセプトは「そこは森のレストラン。まるで動物たちがテーブルを囲んで、楽しそうに食事会を開いているかのよう」。
前菜のみワンプレートの創作料理が提供され、その他はビュッフェ形式です。
友三角のローストビーフ、牛サーロイン、お刺身の他、海鮮・お肉を使った創作料理の小鉢がたくさんあり、少量ずつ様々なメニューを楽しめます。
鍋物はテーブルで固形燃料を使って仕上げる方式。
上の写真は、名寄名物の煮込みジンギスカン。
他にも、猪肉と鹿肉の柳川鍋、スープカレー、ビーフシチュー、パエリアなどが揃います。
デザートのメニューも多彩。
自分で盛り付けるソフトクリームや、焼きたてのアップルパイなど。
窓の外を見やると、エゾジカやアライグマがひょっこり姿を現しました。
朝食
朝食は北海道産の焼き鮭やお刺身が充実。
生野菜のコーナー。
畑に見立てた部分はパン粉と黒ごまのため、もちろんそのまま食べて大丈夫。
いくら丼ならぬ、筋子丼も。
売店 森のマーケット
1Fにある売店「森のマーケット」では、定山渓鶴雅のルームキーホルダー、鶴雅オリジナルのアメニティ・日本酒などを販売しています。
定山渓温泉の温泉まんじゅうといえば、月見橋近くにある定山渓大黒屋商店。
ただし、定山渓大黒屋商店の温泉まんじゅうは、午前10時を過ぎたころには完売してしまいます。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌でもオリジナルの「森の謳まんじゅう」を予約販売しているようです。
周辺施設
紅葉の観賞スポットである定山渓大橋までは、ホテルから徒歩5分程度。
午後には逆光になるため、午前中の訪問がおすすめです。
定山渓鶴雅リゾートスパ森の謌の場所・行き方・アクセス
マップコード:708 755 623*78
札幌中心部から28.2km、車で約40分
札幌市営地下鉄南北線「真駒内駅」から無料のシャトルバスあり。
感想・総評
エントランスから客室の細部に至るまで、北海道に根ざしている鶴雅グループのホテルであることを、あらゆる点から感じ取れます。
定山渓温泉とハープ鑑賞の組み合わせは、定山渓鶴雅の滞在ならではのエクスペリエンス。
「そこは森のレストラン。まるで動物たちがテーブルを囲んで、楽しそうに食事会を開いているかのよう」というコンセプトのレストランでは、夕食中にエゾジカやアライグマがガラス窓の向こうに現れました。
テーブル上にはエゾジカ肉の料理があるので、決して鹿の目を見ながら綺麗事を言うつもりはないものの、本当に北海道に住まう動物が現れてしまうのでコンセプト負けしていません。
定山渓の秋を楽しむ、素敵な滞在になりました。
住所:〒061-2302 北海道札幌市南区定山渓温泉東3丁目192番地
電話番号:011-598-2671
チェックイン:15:00〜
チェックアウト:〜10:00