イスラム教徒の攻撃から守るために旧市街を城壁で囲んだ町、スペインのアビラ(Ávila)。
世界遺産にも登録されているアビラ旧市街・城壁内で一泊した旅行記です。
アビラ Ávila
スペインの中心部のカスティーリャ イ レオン州に位置する町、アビラ(Ávila)。
アビラの旧市街は全長2km超の重厚な城壁(Las Murallas de Ávila)に囲われています。
こちらの城壁はイスラム教徒の攻撃から守るために11世紀末に建築されたもの。
アビラは聖女テレサ デ ヘススが生まれ育った町としても知られており、城壁内には聖女テレサの生家跡地に建てられたサンタテレサ修道院(Convento de Santa Teresa)があります。
アビラの観光地図(マップ)
アビラの観光スポット、アビラの城壁、9つの門(赤色マークは城壁の上を歩ける門)、クアトロポステス、旧市街からクアトロポステスまでのルートをプロットした地図(マップ)です。
直接Google Mapでご覧になりたい方はアビラ城壁のマップ(Google Map)に公開しています。
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アビラの城壁 Las Murallas de Ávila
イスラム教徒から町を守るため12世紀に9年がかりで築きあげられたアビラ城壁(Muralla de Ávila)。
東西約1.0km、南北約0.5kmのアビラ旧市街を覆うように囲う。
城壁の全長は2,516m。87の小塔、9つのゲートがあります。
城壁の東端に位置する大聖堂カテドラルは東側が重厚な壁で覆われており、城壁の外側から見るとまさか内側に大聖堂があるとは到底思えません。
カテドラル横のゲート(Puerta del Peso de la Harina, de los Leales o de la Catedral)。
ゲートを抜けた先のアビラ大聖堂北側のファサード。
アビラの城壁しかりセゴビアのアルカサルしかり、防御性が高い城壁・城がなければ後のレコンキスタを迎える日もなかったのかもしれません。
さらにいえばスペインは第一次世界大戦・第二次世界大戦ともに参戦しておらずどの町も綺麗に保存されており、アビラも例外でなく「中世の町にそのままタイムスリップ」したかのような心情を抱きます。
セゴビアからアビラまでバスで移動し、アビラのバスターミナルに到着したのが20時過ぎ。
スペインの名門ホテルパラドールデアヴィラにチェックインし、夕食をとる。
夜23時過ぎ、夜中の城壁を見るべきか否か迷ったあげく、少しだけ見ておこうとプエルタ デル カルメン(Puerta del Carmen)の門をくぐる。
すると門の外を出ると目の前に現れた、どこまでも長く連なる城壁。
真冬の寒さに凍えつつも、目の前に現れたこの光景に圧倒され、衝動に駆られ、夜のアビラを夢中で2時間以上歩いてしまいました。
サンビセンテ教会前のサンビセンテ門。
翌夕方の北側アビラ城壁、Puerta del Carmen。
サンタテレサ広場(Plaza de Santa Teresa)前のアルカサル門(Puerta del Alcázar)。
町の南側の城壁。南側は小塔(turret)の規模が小さめです。
アビラ城壁の上は歩くことができるのですが…冬場は月曜定休という点をチェックしておらず、上れず終いに。
再びアビラを訪れ、城壁の上を歩きながら町の外側を望んでみたいです。
アビラ城壁のチケット料金・営業時間
チケット料金・入場料 | 大人:€5.00、子供:€3.50 |
営業時間 | 10/31〜3/31:10:00〜18:00 4/1〜6/30:10:00〜20:00 7/1〜8/31:10:00〜21:00 9/1〜10/30:10:00〜20:00(※最終入場は45分前) |
定休日 | 月曜日 |
サンタテレサ修道院 Convent of Santa Teresa de Jesus
聖女サンタテレサの生家跡に建てられたサンタテレサ修道院(Convent of Santa Teresa de Jesus)。
バロック様式に影響を受けたネオクラシック様式のファサード。
祭壇のスタイルで3層に分かれてデザインされており、2階部分のニッチには花崗岩で作られた聖女の像が鎮座する。
3階部分の左側は跣足カルメル会の紋章。
礼拝堂の中央にあるGregorio Fernándezによる木彫りの作品。
La Santaのチャペル。
こちらもGregorio Fernándezによる作品。
修道院横にある小さな美術館(Relic room of St. Teresa)ではサンタテレサの遺品に関する展示品があります。
その中には麻のサンダル、衣服の一部、サンタテレサの右薬指、十字架の聖ヨハネの遺骨2本、ロザリオ、サンタテレサ自筆(サイン)が納められています。
アビラ大聖堂 Catedral de Ávila
城壁の東側に位置し、城壁と一体化した大聖堂、アビラのカテドラル(Catedral de Ávila)。
スペインで最初のゴシック様式の大聖堂です。
主祭壇の祭壇画。
赤い花崗岩を使った内部が印象的。
色とりどりのステンドグラスを通して差し込む光が赤い花崗岩に照らされ、何とも幻想的。
トレドやセゴビアの大聖堂が持つ空気感とは異なります。
聖歌隊席。
フアン デ アルファの聖体顕示台。
サンペドロ教会 Iglesia de San Pedro
サンタテレサ広場前にあるサンペドロ教会(Iglesia de San Pedro)。
広場に面する西側上部には大きなバラ窓と、3つの身廊、3つの後陣を持つ。
サンホセ修道院 Convento de San José
1562年8月24日に聖女サンタテレサが設立したサンホセ修道院(Convento de San José)。
サントトマス王立修道院 Real Monasterio de Santo Tomás
ドミニコ会修道院のサントトマス王立修道院(Real Monasterio de Santo Tomás)。
1493年に完成。
サンビセンテ聖堂 Basilica de San Vicente
城壁の東側にある、ヒスパニックロマネスク様式のサンビセンテ教会(Basilica de San Vicente)。
クアトロポステス Cuatro Postes
城壁の西側・アダハ川(Río Adaja)の左岸の丘に建つ、古代ギリシャ・ドーリス様式のクアトロポステス(Los Cuatro Postes)。
その名の通り、Cuatro(4つの)Postes(柱)。1566年に建築されたクアトロポステスからは、アビラの城壁と旧市街を見渡せるビュースポットです。
アビラ北側の城壁。
左側にはPuerta del Carmenの尖塔、中央付近の建物はアビラの官公庁(Junta de Castilla y León Servicio Territorial de Fomento de Ávila)、右手にはアビラのカテドラルを望む。
クアトロポステスから見える建物の名称は上記写真をご参照ください。
旧市街からクアトロポステスまでは徒歩で移動しました。
アビラ1泊2日以上であれば徒歩移動をおすすめします。
半日観光やマドリッドからの日帰りの場合は、タクシーで向かった方が無難かもしれません。
旧市街からクアトロポステスまでの徒歩で移動した場合の時間目安(片道)です。
Puerta del Puente(アダハ川最寄りの門)から | 約10分 |
カテドラルから | 約25分 |
アビラ駅から | 約40分 |
アビラのバスターミナルから | 約45分 |
おわりに
城壁に囲まれた町で過ごす安心感たるや、城門の内側に宿泊しないと分からない感覚かもしれません。
同じく世界遺産のトレドやセゴビアとはまた違った魅力があります。
ぜひ「アビラ城壁内」に宿をとり、中世スペインの世界を堪能してみてください。
アビラの町のへ行き方は「スペイン アビラの行き方(fromマドリード、セゴビア)」にまとめています。アビラで一泊したホテルの宿泊記は「パラドール デ アビラ宿泊記|Parador de Ávila」をどうぞ。
パラドール デ アビラ宿泊記|Parador de Ávila
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