約200年前、わずか150人程度の人口だったシンガポール。
観光客とビジネスマンで賑わう現在のマリーナベイ界隈を歩くと、その事実がにわかに信じがたい。
その原風景を確かめられる場所は、あるのだろうか。
シンガポール最後の秘境、ウビン島(Pulau Ubin)を訪れました。
ウビン島 Pulau Ubin
ウビン島(Pulau Ubin)はシンガポールの玄関口チャンギ国際空港の北側、マレーシアとの国境近いジョホール海峡に浮かぶ島です。
開発が進むシンガポール本島南部やリゾートアイランド セントーサ島とは異なり、鬱蒼とした熱帯雨林のジャングルが残っているウビン島。
ガイドブックにページを割かれていないのは、出版社側にはほぼ旨味がない=手がつけられていないことの裏付けでしょう。
ウビン島を訪れるのは外部からの観光客ではなく、シンガポーリアンや海外赴任の外国人。
観光客化したシンガポール在住民が、都市の喧騒から離れるためを訪れています。
このあたりには、セントジョンズ島・クス島との共通点を感じます。
島では、野生の猿やイノシシとの遭遇もあり得る。
これぞリアル・シンガポールズー。
夜であれば、リアル・ナイトサファリか。
以前セントーサ島で出遭ったキタカササギサイチョウの生息地でもあり、バードウォッチングやカメラ好きも楽しめそうです。
ウビン島の場所・行き方・アクセス
ウビン島へのアクセス方法はただひとつ。
チャンギヴィレッジにあるチャンギ ポイント フェリー ターミナル(Changi Point Ferry Terminal)から発着する船で向かいます。
チャンギ ポイント フェリー ターミナルの行き方
チャンギポイントフェリーターミナルへのアクセス方法は、地下鉄MRT East West Lineの
- Tanah Merah(タナメラ、EW4)から路線バス2
- Tampines(タンパインズ、EW2)から路線バス29
に乗り、終点の「Changi Village Terminal」で下車します。
ただし、路線バスは乗車時間20〜30分前後かかるので、タクシーかGrabを使ってしまった方が「時短」かつ「楽」なのは、間違いありません。
チャンギポイントフェリーターミナルからウビン島を望む。
遠くからでも熱帯雨林が生い茂っているのがよく確認できます。
12人乗りの船は細かなスケジュールはなく「定員12人集まったら出発」という、ざっくりとしたもの。
案内を見ると、Domestic(ウビン島)行きは「24時間営業」している模様。
ここで注目したいのは、International。
ウビン島の東にある、マレー半島南部の「Pengerang」という町まで、船が出ているようです。
事前に購入する乗船券はなく、船の上で1人あたり「S$3」を現金で直接支払います。
ジョホール海峡に浮かぶ船やウビン島の緑を眺めること約10分、ウビン島へ到着しました。
ウビン島の地図
上記マップの「Main Village」が、ウビン島の船着場です。
島内の移動は、マウンテンバイク、または徒歩。
マウンテンバイクのレンタルはMain Villageにて。
レンタサイクルの料金は1日S$10です。
ウビン島サイクリング
船着場の周辺には、アスファルト舗装された道路が用意されています。
それも、島の奥に進むに従って、土の道に変化してゆく。
隣国マレーシアとの国境です。
手前に見える、やや乱暴に並べられた柵は「国境越えを防止する柵」。
ウビン島北部にある「Mamam Campisite」からジョホール水道越しに望みます。
マウンテンバイクで走る道中、オオトカゲを発見。
こちらがピントを合わせている間に、のそりのそりとジャングルの奥へ消えていきました。
続いては、猿の集団が目の前に現れます。
ひたすら何枚もシャッターを切る。
欲が出て近づいて撮影しようと思ったら、オスザルから威嚇をされて焦る場面も。
チェックジャワ ウェットランズ Chek Jawa Wetlands
ウビン島の見どころのひとつ、チェックジャワ ウェットランズ(Chek Jawa Wetlands)。
突き出した島の周囲に設けられた、歩行者専用のウッドデッキ。
風を浴びながら、マングローブや海草、鳥を鑑賞しましょう。
道中には展望台があり、鳥たちが生きる世界を疑似体験できます。
淡水と海水が入り混じる場所には、立派なマングローブが生い茂っていました。
ここで、南国特有のスコールに見舞われる。
雨宿のために、展望台へ逃げ込みます。
マリーナベイからわずか18km、アジアを代表するハブ空港であるチャンギ国際空港から約4km。
ここは本当に、あのシンガポールなのか。
トーマス スタンフォード ラッフルズがフラッグスタッフヒルから見たシンガポール海峡の景色も、このような眺望だったのだろうか。
展望台の上からは、空を自由に飛び回るキタカササギサイチョウも見かけました。
辛抱強く待っていれば、高木についた木の実を食べに来てくれるかもしれません。
おわりに
終盤は、なおも降り続く雨にやられ、降雨コールド。
それでも、泥や水たまりをそのまま走ることができるマウンテンバイクの楽しさを、再発見することができました。
ウビン島はシンガポールが積極的に観光PRを行っているシンガポール四大動物園よりも、よほどシンガポールズーであったり、バードパークであったりする、これぞ「Wildlife Reserves Singapore」でありました。
ガイドブックに掲載されていないシンガポール体験がしたい方は、ぜひ訪れてみてください。
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