多民族国家シンガポール。
華人(The Chinese)、マレー系(The Malays)、インド系(The Indians)、さまざまな人種がそれぞれの文化・宗教を尊重しながら共生する都市です。
プラナカン(The Peranakans)はヨーロッパの列強下にあった東南アジアに移住した商人の子孫のことで、プラナカン文化は貿易・異文化の交差する場所、東南アジア独自の文化となります。
プラナカンの男性をババ、女性をニョニャといいます。
7〜14世紀に成立した海上交易国家シュリーヴィジャヤ王国、15世紀のマラッカ王国のマレー文化。
移住してきた海峡中国人が持ち込む、中国文化。
1511年にアジアへの進出を図るポルトガルが植民地化、17世紀にはオランダ領、やがて19世紀イギリス領マラヤとなり、さまざまな文化が交錯することで、独自性のある文化が生まれました。
シンガポールのカトン地区(Katong)では、その独自文化の一端を垣間見ることができます。
カトン地区 Katong
カトン地区(Katong)はマリーナ湾から東に約5キロ弱の場所にある、プラナカン文化が息づくエリアです。
カトン観光のハイライトは「イーストコーストロード(East Coast Road)沿い」で、元祖ラクサのお店やプラナカン陶器(ニョニャ陶器)などの雑貨屋さん、ニョニャ菓子のお店が並びます。
プラナカン雑貨は、日本の女子旅系ガイドブック(シンガポール編)の表紙でも取り上げられていることもあり、プラナカン雑貨に憧れてカトン地区を訪れる観光客も多いです。
カトン地区への行き方
MRTの最寄り駅はPaya Lebar(EastWest Line、Circle Line)です。
駅から徒歩で向かう場合「片道約30分」かかるので、路線バスかタクシーをおすすめします。
路線バスの料金はマリーナベイから片道S$1.20程度。
路線バスの乗り方は「シンガポールの路線バスの乗り方」をどうぞ。
East Coast Road沿いに並ぶプラナカン雑貨やニョニャ菓子のお店。
ルマー キム チュー Rumah Kim Choo
ルマー キム チュー(Rumah Kim Choo)は、ニョニャクエ(菓子)が充実する人気ショップ。
プラナカン雑貨の品数が豊富で、自分用だけでなく友人に渡すお土産を探すのもおすすめです。
ルマー キム チューの営業時間
住所 | 109/, 111 E Coast Rd, Singapore 428801 |
電話番号 | +65 6741 2125 |
営業時間 | 9:00〜21:00 |
ルマー ビビ Rumah Bebe
外観も素敵な、プラナカン雑貨 ルマービビ(Rumah Bebe)のお店。
プラナカン陶器・ビーズ刺繍のサンダルを販売しています。
雑貨のお店は撮影禁止なので、近くのホテルに置いてあったプラナカン雑貨の写真を。
追記です。
再来星した際に、ルマービビでプラナカン陶器を購入しました。
箸置きは1個S$20、大きいスプーンは1個S$5.5、小さいスプーンは1個S$4.0、カムチェーン(陶器の調味料入れ)はS$35.0でした。
マリーナベイにあるプラナカン博物館に併設されているお土産屋さんよりも求めやすい価格なので、カトン地区を訪れた際にはぜひ購入してみてはいかがでしょう。
シンガポールの心ときめくお土産 Singapore must buy souvenirs
ルマー ビビの営業時間
住所 | 113 E Coast Rd, Singapore 428803 |
電話番号 | +65 6247 8781 |
営業時間 | 9:30〜18:30(月曜定休) |
328カトンラクサ(328 Katong Laksa)・マリンパレードラクサ(Marine Parade Laksa)
East Coast Roadにある人気店、328カトンラクサとマリンパレードラクサ。
ラクサをお目当てにカトン地区を訪れる観光客も多いです。
お店の詳細は下記記事にて。
スリ センパガ ヴィナヤガー寺院 Sri Senpaga Vinayagar Temple
328カトンラクサ脇のセイロンロードを約50m弱歩くと左手に現れる、ヒンドゥー教寺院のスリ センパガ ヴィナヤガー寺院(Sri Senpaga Vinayagar Temple)。
現地看板の説明によれば、1875年、セイロンタミル人がヴィナヤガール神(シヴァ神の息子)の像を池の側で見つける。
池のほとりにあったチェンパカ(タミル語でSenpaga)の木の下に小さな寺院を建てたのが寺院のはじまり。
つまり、Sri Senpaga Vinayagar TempleのSenpagaはチェンパカの木に由来しています。
その後、Singapore Ceylon Tamils’ Association(SCTA)が現在の土地を購入し、1929年に立派な寺院が完成。
第二次世界大戦中の爆撃により破損するも修復が繰り返されます。
2000〜2003年に再建され、タワーに159の神々の彫像が加えられ現在の姿に。
プラナカンの伝統建築(プラナカンハウス)
こちらは、1900年代に建築されたプラナカン建築のアパート「プラナカンハウス」。
パステルカラーのカラフルな塗装と繊細な装飾が美しい建物は、Koon Seng Road沿いに並んでいます。
西洋風の両開き窓、周囲を彩る花柄のレリーフや装飾は、息をのむほどに美しい。
どの色をカメラの画角に入れるかで、写真の表情が大きく変わります。
ラベンダーか、水色か、はたまたピンクか。
お気に入りのカットを見つける時間も、楽しいひとときとなるでしょう。
おわりに
シンガポールでは地下鉄MRTの新路線「トムソンイーストコースト線」の工事が進んでいます。
カトンエリアは「チャンギ空港とマリーナベイの間」という立地もあり、シンガポール政府がカトン地区の観光に注力していくのは間違いないでしょう。
逆にいえば、現在のカトン地区は、マレー半島の独自文化「プラナカン文化」をゆっくり観光できるチャンスであるともいえます。
加えて、プラナカンハウスも観光地の一角とはいえ賃貸住宅のためいつまで撮影できるかは分かりません
(2018年には香港のモンスターマンションが、住民の方々の陳情により撮影禁止となりました)。
シンガポール旅行を予定されている方は、ぜひカトン地区に(静かに)立ち寄ってみてください。
カトン地区はマリーナベイやサンテックシティから路線バスで直通20分でアクセスできます。
プラナカン文化についてより深く知るには、シティホールにある「プラナカン博物館」をどうぞ。
プラナカン博物館でプラナカン文化のルーツを探る(シンガポール)
カトン地区のホテルの宿泊記は「グランドメルキュールシンガポールロキシー宿泊記」があります。