プラナカン博物館でプラナカン文化のルーツを探る(シンガポール)

古くから貿易の交差点だった東南アジア、およびマレー半島・シンガポールに今も息づくプラナカン文化。プラナカンの歴史を展示したミュージアム、プラナカン博物館(Peranakan Museum)でルーツを紐解きましょう。

プラナカン博物館(Peranakan Museum)

プラナカン博物館 外観

プラナカン博物館(Peranakan Museum)はプラナカンの歴史や文化を紹介する博物館。シンガポール シティホール・フォートカニングパーク近くにあります。

建物は中国語の近代教育を教えていたタオナンスクール(Tao Nan Scool、1906〜1982)を改装したもの。

1909年のタオナンスクール

1909年のタオナンスクール

1970年代のタオナンスクール

1970年代のタオナンスクール

プラナカンとは

古くから貿易の交差点となっていた東南アジア。商人たちのほとんどが短期滞在だったものの、その一部が現地の女性と結婚し東南アジアに残った。彼らの子孫をプラナカン(Peranakans)と呼ぶ。プラナカンという単語はマレー語で「子孫(child of)」「〜から生まれて(born of)」を差す単語だといいます。

一口にプラナカンと言ってもそのルーツによって細かく分かれており興味深い。

Peranakan Chinese。海峡華人を意味する「Straits Chinese」を掲げている(1930年代の写真)

例えばPeranakan Chineseはマラッカ、シンガポール、ペナン島など海峡植民地時代に移住した中国人および現地女性との間に生まれた子孫を指す。さらにHokkien Peranakan、Chinese Eurasian Peranakanなど、中華系プラナカンでも祖先の住んでいたエリアやルーツにより細かく分かれている。

シンガポールで撮影されたJawi Peranakanの家族写真(1930年代)。

南インドの商人と現地女性の間に生まれた子孫はJawi Peranakansと呼ばれ、南インドからの貿易船が頻繁に訪れていたペナン島に居着く。子供たちを「ジョージタウン」にある英語学校に通わせたためその後ビジネスでも成功し、エリート集団とされていたようです。

ペナン島 ブランコのグラフィティアート
ペナン島ジョージタウン観光(マレーシア)

Chitty Melakaは南インドのヒンドゥー教徒とプラナカンの中国人コミュニティ「ババ(Baba)」との間に生まれた子孫で、15世紀以降に「マラッカ」に住み着く。やがて20世紀になるとマレー半島の他の地域やシンガポールに移住し、マレー半島全体に広がっていった。

世界遺産マラッカ オランダ広場
世界遺産マラッカ観光 海上交易の要衝を巡る…

1階の展示室にはプラナカンの子孫の顔写真とルーツが掲載されていますが、ひとつひとつ見ていくとプラナカン・プラナカン文化というものが単純に説明するのが難しいほど多様であることが分かります。

プラナカン食器

19世紀後半〜20世紀初頭に使われていたプラナカンのティーセット。

左上からコットン生地にガラスビーズで装飾したイギリス海峡植民地時代のスリッパー(1930年代)、コットン生地のケバヤ(シンガポール・20世紀中頃)、シルク生地の布(ペナン島・20世紀初頭)、金製のベルト&バックル(スマトラ・20世紀初頭)。

プラナカンの結婚式 Peranakan Wedding

Peranakan Chineseの結婚式(シンガポール・1930年代)

シンガポール、マラッカ、ペナン島のPeranakan Chineseの結婚式は中国の慣行に従って行われていたという。最大12日間にわたって行われるというプラナカンの結婚式のアイテムが展示されています。

プラナカン博物館 プラナカンビーズのテーブルクロス

100万個以上のガラスビーズを使ったテーブルクロス[2006-01927]は、プラナカンのビーズ刺繍でも最大の作品という。ヨーロッパや南米の鳥や花、トンボなどが描かれている。結婚式の間、贈り物や食事を載せるテーブルにかけられていた。

結婚式で使われるプラナカンジュエリーの装飾品。左上から頭飾り(銀メッキ・羽・コットン)、ブローチ、ヘアピン。

プラナカン結婚式で交換される贈り物

プラナカンの結婚式において花嫁と新郎の家族との間で交換される贈り物の展示。

左上はジュエリー(ブローチ、イヤリング、ブレスレット、ベルト・バックル、指輪)で新郎家族から新婦の家族に贈られた品。ジュエリーのお返しとして花嫁の家族からはシルクのハンカチ、ベルト・バックル)が贈られたという。

右上は見ての通り豚の脚肉で、新郎側から新婦に贈られたもの。左下は花嫁に贈られたろうそくのセット、ブランデー、オレンジ。右下は新郎から新婦に贈られた布、そしてお返しのスリッパ。このスリッパは花嫁自身が縫い上げるため、裁縫についてのスキルをお披露目する機会となる。

プラナカンは裕福な家庭が多く、結婚式で交換する贈り物を見るだけでもそのことが伝わってきます。

言語とファッション Language and Fashion

プラナカンの間で1920年代から流行したという綿製のキャミソール。キャミソールの上にケバヤを着ていたという。

細部の装飾が美しいケバヤの数々。

食事と饗宴 Food and Feasting

プラナカンの食文化や饗宴、食器についての展示、Food and Feasting。プラナカン料理のメニューといえば、ラクサやミーシアムなどが思い浮かびますね。

プラナカン陶器の展示。20世紀初頭のカムチェンの展示は必見。

特別展 プラナカン刺繍 Nyonya Needlework

特別展にはニョニャが作るプラナカン刺繍に特化した展示「Nyonya Needlework」。プラナカン博物館だけでなくシンガポール国立博物館にある展示品を特別展示していました。

シルクのビロード生地に煌びやかなスパンコールが縫い付けられたWomen’s ankle boots[2012-00208]。19世紀後半、ジャワ島のもの。

ガラスビーズの刺繍が可愛い雑貨。左からTwo-part case[1995-92470]、Watch pocket[G-0815]、Waist pouch[G-0296-A]。

プラナカン博物館のお土産

プラナカン博物館のお土産ショップ

プラナカン博物館の両サイドにはお土産屋さんとブティックが併設されており、博物館の入場者でなくとも買い物ができます。ショップにはプラナカン食器や雑貨が置いてありますが、お値段はカトン地区にあるプラナカン雑貨のショップよりも1.5倍〜2倍ほどと高め。

お時間があれば「カトン地区」まで足を伸ばしてみてください。

カトン地区 プラナカンの街並み
プラナカン文化の香るカトン地区を散策(シンガポール)

19世紀、華人プラナカンが住む住居に貼られていたタイルを模するマグネット(S$7)があったので購入。

プラナカン博物館のチケットは衣服に貼るシールタイプなので、見学後記念としてスーツケースに貼るのもありかもです。

プラナカン博物館のチケット料金・入場料

Adult S$10.00
Children(〜6才) Free
Seniors(60才〜) S$6.00

金曜日19:00〜21:00の入場の場合、大人・シニアともに入場料S$3.00になる割引があります。

プラナカン博物館の行き方・アクセス

プラナカン博物館のMRT最寄り駅はEastWest Line・NorthSouth LineのCity Hall駅です。プラナカン博物館の近くにはシンガポール切手博物館もあるのであわせてどうぞ。

プラナカン博物館の営業時間

住所 39 Armenian St, Singapore 179941
電話番号 +65 6332 7591
営業時間 10:00〜19:00

まとめ

閉鎖的な島国日本に暮らしているとイメージが湧きませんが、貿易によりさまざまなルーツを持つ人々が集まり独自の文化となったプラナカン文化は非常に興味深いです。今後マラッカやペナン島に訪れた際にさらにそのルーツを探ってみたいと思います。

なおプラナカン博物館では火曜日〜金曜日の10:30AMに日本語ガイドの案内もあります。詳細は公式サイトをご確認ください。

Guided Tours|Peranakan Museum

328カトンラクサのラクサ
カトンラクサ(328カトンラクサ・マリンパレードラクサ)
ペニーブラック 切手
シンガポール切手博物館|Singapore Philatelic Museum
シンガポール ワンダーフルショー
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