春夏秋冬。
異なる表情を見せる函館の星型要塞、五稜郭(Goryokaku)へ。
函館 五稜郭 Hakodate Goryokaku
夏。五稜郭タワーから望む、緑に覆われた五稜郭(Goryokaku)。
この場所にヨーロッパ式の城郭が築かれたきっかけは、江戸時代終盤の「黒船来航」。
1853年(嘉永6年)、アメリカ合衆国のペリー艦隊が浦賀沖に現れ、約200年に渡る鎖国から一転、徳川幕府は開国を迫られます。
その翌年に日米和親条約が締結となり、伊豆の下田と箱館が開港。
箱館港の近くにあった箱館奉行所を「艦船からの砲撃が届かない距離」で、かつ「水源が近い場所」に移転するため、移転先としてこの地「亀田村柳野」が選ばれました。
蘭学者・技術者の武田斐三郎が、フランス軍人から学んだ西洋式の設計を反映させ、1866年に完成。
1868-1869年(明治元年-2年)の箱館戦争の終盤では、五稜郭を占拠していた旧幕府軍(蝦夷共和国)と明治新政府軍が戦火を交えた舞台にもなっています。
五稜郭のような星型要塞(稜堡式城郭)は17世紀にフランスの軍人セバスチャン ヴォーバン(Sébastien Le Prestre, Seigneur de Vauban)により体系化され、ヨーロッパ各地に普及。
ヨーロッパには多数の星型城郭が築造されており、現存するものも多くあります。
以前フィンランド・ヘルシンキで訪れたスオメンリンナの要塞もそのひとつ。
アジアには日本の2箇所を含めて星型城郭が計8箇所にあります。
日本では函館の五稜郭・長野の龍岡城五稜郭の2つ。
台湾の台南にある億載金城(当時台湾を統治していた大清帝国が日本からの攻撃に備え築造)も星型城郭です。
JR函館駅、函館山展望台方面。
立待岬と、津軽海峡を隔てた先に青森県の津軽半島。
立待岬近くの函館公園からも青森側がよく見えます。
海沿いに林立するホテルは、湯の川温泉。
温泉宿の宿泊・日帰り温泉・足湯も楽しめ、冬季に猿が温泉に入浴する函館市熱帯植物園、湯倉神社など見どころ多彩。
函館空港。
JR函館駅からバスで直通20分で行ける近さはやはり魅力的。
函館湾を隔てた先に、北斗市。
白いラインは北海道新幹線の線路。
五稜郭タワー展望台から見える景色の紹介パネルを、一枚の画像にまとめてみました。
箱館奉行所
箱館戦争後に解体された箱館奉行所。
約150年の時を経て、2010年に復元されています。
雪が積もる冬の五稜郭
クリスマスシーズンの12月下旬に函館へ再訪。
五稜郭タワーの展望台から、真っ白な五稜郭を撮影できました。
気温が氷点下のため、お堀の水は半分ぐらい凍っています。
この時期は夜間にライトアップもあるので、日没時刻の前後に五稜郭タワーを訪れるのもおすすめです。
五稜郭のお堀の周囲を2,000個の電球で彩る冬のイベント、五稜星の夢(ほしのゆめ)イルミネーション。
点灯時間になると一気に電球が付き、展望台の中に歓声が上がります。
館内スタッフさんの話によると、LED電球の値段は1個2,000円を超えるそう。
函館市民の方々の寄付により資金が集められ、電球はボランティアの方の設置。
函館といえば、150年以上の歴史を誇る函館公園も函館市民の寄付により作られた経緯がありますが、その精神は今も継がれているのですね。
桜咲く春の五稜郭
春にはソメイヨシノが一斉に満開となります。
五稜郭で撮影した桜の写真は別の記事にまとめています。
函館 五稜郭の桜 Cherry Blossoms in Goryokaku, Hakodate
五稜郭の場所・行き方・アクセス
函館市電「五稜郭公園前」から徒歩15分。
函館バス「五稜郭公園入口」停留所から徒歩7分。