ヘルシンキのエテラ港から船に乗り、片道15分の場所にある海上要塞。
かつて戦火を交えた島にあるスオメンリンナの要塞(Suomenlinna)を巡ります。
スオメンリンナの要塞 Suomenlinna
色とりどりの野菜や果実が並ぶ、ヘルシンキ エテラ港のマーケットスクエア。
屋根に脚をとめたカモメと海猫たちは、今か今かと鋭い眼光を放ちながら、人々の手元にある食事を狙っています。
エテラ港の船着場には無数の船が停泊しており、フェリーの行き先のひとつがスオメンリンナ(Suomenlinna Sveaborg)。
1748年、スウェーデンがフィンランドを統治していた時代に建造された海上要塞です。
第二次ロシア スウェーデン戦争(1808〜1809)でロシア帝国が勝利すると、スオメンリンナはロシアに引き渡され、その後110年にわたりロシア帝国の海軍基地となります。
1918年にフィンランドが独立。
スオミ(フィンランド)の城(リンナ)で「スオメンリンナ」と改称されて軍事基地として使用されたのち、駐屯部隊は島より撤退。
1991年には世界文化遺産登録され、ヘルシンキの一大観光地・史跡になっています。
スオメンリンナ北部の船着場(HSLメイン乗り場)より。
約2km先にあるヘルシンキ大聖堂、生神女就寝大聖堂を望む。
スオメンリンナ教会 Suomenlinna Church
帝政ロシア時代の1854年に築かれたスオメンリンナ教会。
建築当初はロシア正教会だったため、ドームの形状は玉ねぎ型。
フィンランド独立後に福音ルーテル教会に改宗し、現在の外観に。
昔の写真と比較すると、同じ建物とは思えません。
» スオメンリンナ教会(ヘルシンキ)|Suomenlinna Church
スオメンリンナ教会(ヘルシンキ)|Suomenlinna Church
スオメンリンナの観光ガイドマップによると、スオメンリンナの島々には約800人の住民が居住。
北岸のHSL船着場近くにはスーパーマーケットがありますし、フェリーは通年運行。
のんびりと暮らすのによさそうです。
ヘルシンキ市内でも見かけるカオジロガンの群れ。
ビジターセンター・スオメンリンナ博物館
スオメンリンナ中央部にあるビジターセンター・スオメンリンナ博物館。
ミュージアムにはスオメンリンナの歴史を紹介するムービー上映(約25分間)があります。
日本語を含む各国語の音声ガイドあり、入場料は€8.00。
海上要塞の建設を指揮したアウグスティン エーレンスヴァルド(Augustin Ehrensvärd)。
フィンランドの国章。
スオメンリンナの要塞に掲げられるフィンランドの政府公用旗の中心部にも描かれている。
コートヤード・エーレンスヴァルド博物館
海上要塞の建設を指揮したアウグスティン エーレンスヴァルドの墓。
エーレンスヴァルドが設計したコートヤードの中央で、ひっそりと眠る。
エーレンスヴァルドが当時住んでいた住居は、エーレンスヴァルド博物館に。
星型要塞 クスターンミエッカ
スオメンリンナの最南部に広がる星型要塞、クスターンミエッカ(Kusutaanmiekka)。
スウェーデン、ロシア、フィンランドと、3つの国の防衛に使われた星型要塞です。
縦横無尽に滑空するカモメ。
太陽に照らされキラキラと輝く青い海に浮かぶ、ヨット。
エーレンスヴァルドが築いた星型要塞に、帝政ロシア時代に設置された土塁と大砲が入り混じる。
複雑で変化に富む地形。
スオメンリンナ要塞 南東部の小高い丘から。
海越しには隣の島、ヴァッリサーリ島(Vallisaari)。
キングスゲート King’s Gate
東側の門、キングスゲート(King’s Gate)。
スオメンリンナ要塞が完成した際、スウェーデン王アドルフ フレドリクが訪れた際に船を停泊した場所。
第二次世界大戦時に使われたフィンランドの潜水艦ヴェシッコ。
島には、他にもおもちゃ博物館や軍事博物館、税関博物館などミュージアムが点在しています。
営業時間内にすべてを見学するのは不可能に近いため、優先順位をつけて効率よく周った方がよさそうです。
カフェ パイパー Cafe Piper
こちらはクスターンミエッカの手前の小高い丘にあるカフェ パイパー。
シナモンロールとスープをいただきました。
スオメンリンナ南部の要塞は起伏があるので、ランチ代わりに腹ごしらえしておくのがよいと思います。
» 海と要塞を見おろすカフェ パイパー(ヘルシンキ)|Cafe Piper
海と要塞を見おろすカフェ パイパー(ヘルシンキ)|Cafe Piper
スオメンリンナの場所・行き方・アクセス
スオメンリンナにはフェリー乗り場が合計3箇所(運行会社が2社)あります。
島の最北部にあるメイン乗り場はHSL(ヘルシンキ地域交通局)の運行。
エテラ港前から片道約15分。料金€5.00。
往路の乗船から12時間以内であれば復路でもそのまま使えます。
中央部にあるスオメンリンナ博物館前、南部のキングスゲート前の乗り場はJT-LINEによる運行。