北海道富良野が舞台の名作ドラマ『北の国から』のロケ地を写真を交えてまとめます。
『北の国から』北海道・富良野 ロケ地巡り(聖地巡礼)
はじめに
脚本家の倉本聰氏が描いた北海道富良野を舞台にした名作TVドラマ『北の国から』の「ロケ地巡り」。
ここから先は、言い換えれば、ネタバレのオンパレードになります。
まだ作品を見ていない方、あるいはまだ視聴途中の方は、この記事の先を見るときっと後悔します。
ぜひ、「連続ドラマ24話」と「スペシャル8話」をすべて鑑賞してからご覧ください。
北の国から探訪マップを手にして
ふらの観光協会(JR富良野駅)で入手できる「北の国から探訪マップ」。
スタンプラリーになっているので、これからロケ地巡りをする場合は最初に入手してコンプリートしましょう。
探訪マップは、五郎の石の家、麓郷の森、拾って来た家、富良野ドラマ館(新富良野プリンスホテル)にも置いてあります。
スタンプのデザインは各所デザインが異なっており、押印した後に確認するのも楽しいですよ!
エリア別ロケ地スポット
エリア別にロケ地を分けました。
スポットのリンクをタップすると、各見出しにジャンプします。
布部駅
布部駅
『北の国から』連続ドラマ第1話、国鉄富良野線に乗った黒板五郎、純、螢が降り立った布部駅。
駅に迎えに来た草太の車に乗り、20年以上に及ぶ長い物語がスタートします。
始まりの地です。
布部駅「北の国 此処に始る」Nunobe Station, Furano
マップコード:550 723 675*06
空知川イカダ下りのスタート地点
『北の国から』連続ドラマ第18話の空知川イカダ下りスタート地点付近。
皆がはしゃいでいる姿が思い浮かびますが、結果、一番浮かれていたのは五郎さんだったのには、思わず笑ってしまいます。
マップコード:550 752 142*77
布部札幌軒
『北の国から ’83冬』にて、草太と沢田妙子が富良野から車を走らせて食べに来たラーメン屋さん。
後部座席にこっそりと身を隠していた純と正吉は、正吉の母みどりが背負った借金を五郎さんが肩代わりしなければならない話を聞いてしまい…。
2人の少年は、雪の中、布部から麓郷まで歩いて帰ります。
ちなみに、布部札幌軒から麓郷集落の交差点までの道のりは約12.2km、雪も加味すれば片道3時間弱かかる計算です。
残念ながら、布部札幌軒は既に閉業しています。
よく見ると「札幌軒」の文字だけは確認できます。
マップコード:550 753 068*78
麓郷
麓郷の森(丸太小屋、3番目の家)
鬱蒼とした麓郷の森の中にあるのは、五郎一家の住まい丸太小屋(2番目の家)と、3番目の家。
「丸太小屋(2番目の家)」は、『北の国から』連続ドラマの最終第24話で完成。
『北の国から ’84夏』では、純の火の不始末により盛大に焼け落ちました(実際に燃えたのは、あくまでも燃やすシーンを撮影するために組まれたセット)。
火の不始末について本当の事を言い出せなかった純が、ラーメン屋で五郎に告白するのは名シーン。
「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」
「3番目の家」は、『北の国から ’87初恋』で登場。
電化製品を分解しては新しいモノをつくる才能が開花した純、愛称「ペンチ」が自作した風力発電が屋根の上に乗っています。
マップコード:550 830 071*00
五郎の石の家、最初の家
『北の国から ’92帰郷』で五郎が着工した「五郎の石の家」。
五郎が当初描いた計画では、石を使用するのは建物の基礎とお風呂のみで、柱・外壁には丸太を使うつもりでした。
しかし、純が東京でタマコを妊娠させたことを発端としてタマコの叔父が発した「誠意って何かね?」の回答として、すべての丸太を売却。
五郎は、除礫作業で棄てられた石を使った家づくりを決意(屋根はカラマツ)。
石の家の初お披露目は、3年後の『北の国から ’95秘密』のオープニングシーン。
石の家の奥にあるのは、『北の国から』連続ドラマ第1話から登場・住み始める「最初の家」。
開拓時代に五郎の父親が建てた半分廃屋の家屋を修復し、電気・水道がないところから始まりました。
純:「これがオレたちの住む家かよ!信じられんぜ!電気がなかったら暮らせませんよッ」
五郎:「そんなことないですよ」
純:「夜になったらどうするの!」
五郎:「夜になったら眠るンです」
五郎の石の家 Goro’s Stone House, Furano
マップコード:550 833 213*84
拾って来た家 やがて町
『北の国から 2002遺言』では、土台・柱・梁まですべて古材を使った家として、まずは雪子おばさんの家が登場。
車のホイールを土台、スキー場のゴンドラを出窓、冷蔵庫の収納を棚、電話ボックスを勝手口に使用。
屋根は屋上緑化を施すなど、五郎の無限のインスピレーションが炸裂・形になった建物です。
『北の国から 2002遺言』で建築途中だった中畑の娘夫婦の自宅も同様に、スキー場のゴンドラを出窓に使用したり、生卵のパックを屋根の断熱材として使ったりと、アイデア満載。
そしてTVドラマの以後の世界、純と結の家はバスの車両を半分に切り、それぞれを居住空間に仕上げています。
マップコード:550 798 021*52
中畑木材事務所
麓郷の町の中心部にある中畑木材工業株式会社。
連続ドラマからスペシャルまで、誰かが失踪騒ぎになれば深夜であろうと中畑木材の扉を叩く…、まるで黒板家の駆け込み寺的な存在だった、中畑木材。
『北の国から』連続ドラマ第7話では、純が居間の電話から東京にいる母 令子へ電話をかけます。
山仕事の打ち上げで盛り上がっている際も、事務所の電話から令子へ電話。
自宅に電話線はおろか電気もない純にとっては、中畑木材は心の支えだったのかもしれません。
中畑のおじさんといえば、『北の国から 2002遺言』終盤における、演技を超越したあの男泣きは、心打たれました。
マップコード:550 798 127*71
小野田そば
『北の国から』連続ドラマでは、小野田そばの1Fで宴会を催し中、雪子の帰りを布部駅で待つ草太を中川がからかったため喧嘩に発展。
雪の中での殴り合いは、なぜだか楽しそうにも見えました。
『北の国から ’87初恋』では、純との接し方について悩む五郎が、中畑にお酒を酌み交わしながら相談するシーンでも登場。
麓郷で飲む場所の代名詞だったのでしょう。
『北の国から ’83冬』においては、沢田松吉爺さん(豆まき爺さん)の歓迎会が2Fで開かれました。
マップコード:550 768 881*71
麓郷バス停
麓郷のバス停。
『北の国から』連続ドラマ第10話、やわらかい雪が降る中、正吉の母である笠松みどりを見送る五郎と正吉の姿が印象に残ります。
マップコード:550 798 008*07
開拓の木
『北の国から 2002遺言』のラストシーン、雪の中を歩く五郎を撮影した場所。
麓郷展望台近くにある開拓の木です。
『北の国から ’92巣立ち』で、東京から来た雪子おばさんが息子の大介、五郎と一緒に歩いた道もこちらです。
麓郷展望台 Rokugo Observatory, Furano
マップコード:550 803 148*24
五郎が熊に出会った所
『北の国から ’92巣立ち』にて、藪の中で羆に遭遇した五郎が転がり跳ねるように逃げ、中畑の車に駆け込むシーン。
万が一羆に遭遇した場合「羆に背を向けて走って逃げる」行為は最もやってはいけない対処法です。
藪から棒ならぬ、「藪から羆の状況になれば誰もが気が動転してしまう」という、五郎さんの身体を張った教えかもしれません。
麓郷展望台 Rokugo Observatory, Furano
マップコード:550 803 203*08
八幡丘
中の澤分校
『北の国から』の連続ドラマで幾度と登場する、純と螢が通う小学校。
既に廃校になり、現在は八幡丘地域の会館として使われています。
さて、自宅のあった麓郷の森から中の澤分校までは、直線距離でも片道5.8km。
麓郷地域から車で迂回して来たとしても、純と螢が通学にどれだけの時間をかけていたのかを体感できるのではないでしょうか。
マップコード:550 851 891*42
北村草太の牧場
『北の国から』連続ドラマからスペシャルまで度々登場する、北村清吉一家の牧場。
八幡丘の道の中腹付近、実は中の澤分校から徒歩10分の場所にあります。
富良野と麓郷を結ぶ八幡丘の道は、さまざまなシーンで描かれました。
『北の国から』連続ドラマ第10話、純と雪子が大雪で車の中に閉じ込められる場面。
『北の国から ’98時代』にて、草太が虹の橋を渡った場所もこの道です。
マップコード:550 850 559*18
れいの自転車のチェーンが外れたところ
『北の国から ’87初恋』の場面。
大里れいの自転車のチェーンが外れてしまい、それを純が直してあげるシーンで登場した八幡丘のカーブ。
当時は未舗装でしたが、現在は舗装されています。
車でこのカーブを曲がれば、純の「やったぜー!」の喜びのこだまが聴こえるかも。
マップコード:550 846 296*80
鳥沼公園
『北の国から ’98時代』にて、朝靄がかかる早朝に純とシュウが舟を漕いで会話をしたシーンで登場。
マップコード:349 007 742*13
富良野駅
富良野駅
行く人来る人、数々の出会いと別れがあった富良野駅。
『北の国から』連続ドラマ第17話、東京へ帰る令子との別れ。
空知川の河原を走る螢。
『北の国から ’84夏』東京へ向かう正吉との別れ。
プラットフォームを走って見送る純。
「正吉!顔出せ!正吉!」
『北の国から ’89帰郷』東京へ向かう和久井勇次と見送る螢。
和久井が螢への手紙を置いた白いベンチはありませんが、螢がその瞬間見ていた白い木枠の建物は観光協会の入り口として今も残っています。
雪道を走る螢。
『北の国から 2002遺言』
螢…というよりも、孫の快を見送る五郎。
マップコード:349 032 281*78
くまげら
『北の国から』連続ドラマでは、「今夜7時半、くまげら」と約束をした清吉と五郎が、日本酒をあおりながらお互いの悩みを吐露するシーンで登場。
清吉は草太が自分を無視することについて、五郎は純がビニ本を東京から隠し持って帰ってきたことについて。
『北の国から ’98時代』では、純と時夫、広介が螢と正吉の結婚式の打ち合わせをするシーンで登場しました。
富良野を訪れたら必ず行くお店。
和牛ローストビーフ丼と山賊鍋は鉄板です。
くまげら 富良野の郷土料理店 Kumagera, Furano
マップコード:349 032 101*73
へそ歓楽街
富良野随一の飲み屋街、へそ歓楽街。
『北の国から』連続ドラマでは、イカダ下りで出会ったこごみが働くスナック「駒草」として登場。
居酒屋の「炉ばた」は『北の国から ’89帰郷』の冒頭と終わりに出てきます。
泥酔した五郎が他の客に絡む、ワンカット長尺のシーンは圧巻。
その他にも度々登場する夜の街ですが、やはり『北の国から ’98時代』の草太の後ろ姿が目に焼き付いています。
マップコード:349 032 123*85
北海へそ祭り
富良野の夏の恒例行事。
7月末の土日に開催される「北海へそ祭り」は、『北の国から』連続ドラマや『北の国から ’92巣立ち』の中で登場します。
ドラマでは、商店街の敷地からオーバーハングして連なる「屋根付きのアーケード」が印象的。
しかし、現在はそのほとんどが解体されており、当時のアーケードの面影が感じられるのは富良野駅前にある勝山商店のみです。
マップコード:349 032 330*27
純のアパート
『北の国から ’95秘密』で、純と正吉が同居していたアパート。
2人が住んでいた2Fへ続く階段は、撮影当時よりも相当に劣化しているように見えます。
この場所を訪れた時だけ、フロントガラスにバチバチと音を立てる強い雨が降ってきました。
まるで当時の純の心情を表すかのよう。
マップコード:349 062 066*44
協会病院跡地(現フラノマルシェ)
『北の国から 2002遺言』に登場した協会病院。
螢が働き、五郎が人間ドックで検査を受け、中畑の奥さんみずえが入院しました。
建物は解体され、現在は複合商業施設の「フラノマルシェ」になっています。
マップコード:349 001 745*14
つるや金物店
『北の国から ’95秘密』で小沼シュウが働いていた、つるや金物店。
マップコード:349 032 129*27
財津病院(渡部医院)
『北の国から』連続ドラマ第17話にて、令子が入院した病院。
当時は現実と同じ渡部医院として。
『北の国から ’92巣立ち』では、財津医院として登場。
医院の通りの影から、院長が来るのを煙草を吸いながらひたすら待っている五郎さんの姿が思い出されます。
補足として、こちらの建物は『風のガーデン』でも白鳥家の住まいとして登場しました。
マップコード:349 032 210*07
富良野神社
『北の国から ’98時代』にて、蛍と正吉が神前結婚式をあげた富良野神社。
『北の国から 2002遺言』では、真っ白な雪が降る中、純との富良野での暮らしを夢見た結が訪れました。
マップコード:349 001 819*70
三日月食堂跡(現コンシェルジュフラノ駐車場)
『北の国から ’83冬』にて、沢田松吉(豆まき爺さん)の娘 妙子が働いていたラーメン屋さん。
建物は解体され、現在はコンシェルジュフラノの砂利駐車場になっています。
マップコード:349 032 360*87
北の峰
富良野プリンスホテル
『北の国から』連続ドラマ第4話、純は、母の令子が依頼した本田弁護士と富良野プリンスホテルの客室で待ち合わせをします。
第17話で純、螢、令子(と招かざる本田弁護士)がファーム富田へ行く際に待ち合わせをしたのも、富良野プリンスホテル。
令子と本田弁護士が富良野へ滞在する際の定宿であったことが伺えます。
マップコード:450 028 525*41
新富良野プリンスホテル
『北の国から ’98時代』にて、結婚する螢と正吉を祝うために純が連れてきた新富良野プリンスホテル。
純がチェックイン手続きしたレセプションの白い大理石は、今もそのままです。
手続き中の純が後ろを振り返ると、螢と正吉がこちらを見ています。
しかし、どうにも場所が違うように見える。
新富良野プリンスホテルに宿泊した際にフロントの方に訊いてみたところ、「それは間違いなくここです。10年前に改装し、スロープがなくなりました。」との即答いただき、その応対にいたく感動しました。
一体、何に感動したのか。
それは、ホスピタリティだけではありません。
スタッフさんが作品を大切にしていることが伝わってきたからです。
新富良野プリンスホテル 宿泊記 Shin Furano Prince Hotel
マップコード:919 553 364*72
ニングルテラス
『北の国から ’98時代』にて、富良野に戻ってきた雪子おばさんが働き始めた、森の中の工房ニングルテラス。
雪子が働いていたのは「森のろうそく屋」で、当時はチュチュの家の前にありました。
現在の「森のろうそく屋」は、ニングルテラスの最深部に移転しています。
金を無心しに来た螢と、それを断る雪子が会話をしていたのはチュチュの家。
当時カフェとして営業していたチュチュの家は、2021年から「北の国から資料館」になっています。
純が「草太の突然の知らせ」を聞いたのは、森のろうそく屋の店内の電話でした。
富良野のニングルテラス Ningle Terrace, Furano
マップコード:919 553 364*72
北時計(現あかなら)
『北の国から ’95秘密』にて、純とシュウが待ち合わせた喫茶店、北時計(現あかなら)。
富良野の喫茶・ギャラリー「あかなら(元北時計)」 Akanara, Furano
マップコード:450 029 438*67
富良野の北エリア・上富良野
ふらのワインハウス
清水山にある洋食レストラン、ふらのワインハウス。
五郎は螺旋階段を登り、窓際のテーブル席へ。
本田弁護士から、離婚届を渡されるシーンが蘇ります。
「陽が長いんですね。北海道の夏って。
今、ラベンダーの季節なんですって?
遠いんですか?ここからラベンダー畑。」
五郎が回答するシーンはありませんでしたが、後日、令子と本田弁護士は純と蛍を連れて中富良野のファーム富田へ向かいます。
マップコード:349 060 365*34
ファーム富田
『北の国から』連続ドラマ第17話。
純と螢がお母さんとの最期の時間を共有した場所。
富良野で最も美しいラベンダー園、ファーム富田です。
中富良野 ファーム富田のラベンダー畑|Farm Tomita, Nakafurano
マップコード:349 306 050*05