世界遺産マラッカの観光・旅行記です。
マラッカ観光の見どころや撮りおろしの写真、首都クアラルンプールからのアクセスなど。
Contents
- マラッカ Melaka(世界遺産)
- マラッカの観光地図(マップ)
- オランダ広場 Dutch Square
- マラッカ キリスト教会 Chirist Church Melaka
- スタダイス Stadthuys
- セントポール教会跡 St. Paul’s Church
- サンチャゴ砦 Porta de Santiago(A Famosa)
- 聖フランシス ザビエル教会 St. Francis Xavier’s Church
- トライショー Trishow
- ババニョニャヘリテージミュージアム The Baba Nyonya Heritage Museum
- 海の博物館 Maritime Museum
- マラッカスルタンパレス Malacca Sultan Palace
- マラッカリバークルーズ Meleka River Cruises
- マラッカタワー Menara Taming Sari
- マラッカの夕日 The Sunset
- マラッカ海峡モスク Masjid Terapung Selat Melaka
- マラッカに宿泊・滞在する Where to stay
- マラッカの街角写真
- マラッカの場所・行き方・アクセス
- おわりに
マラッカ Melaka(世界遺産)
マラッカ(Melaka、Malacca、馬六甲)はマレーシアの首都クアラルンプールから約120km南東の場所にある、マラッカ海峡に面する都市。
2008年に「マラッカ海峡の歴史都市群」として世界文化遺産登録。
左上:1508年、マラッカ王国の統治時代
右上:1512年にポルトガル人が建築したマラッカ砦
左上:1668年、ダッチ統治時代のマラッカ砦
右下:1807年にイギリスにより破壊された後のマラッカ砦
1402年に初代スルタン パラメスワラにより成立したマラッカ王国。
マラッカの地は明やインドのグジャラート朝、ジャワなどといった他国との貿易で繁栄しました。
1511年、アジアに触手を伸ばすポルトガルの攻撃により占領下に置かれ、マラッカ王国は消滅します。
ポルトガル統治時代の名残はセントポール教会、砦跡、受け継がれたポルトガル料理店などに見られます。
1641年にはオランダの統治下に置かれ、現オランダ広場前にあるキリスト教会やスタダイスが築かれました。
1824年、英蘭協約締結により大英帝国の支配下に置かれ、マラッカはシンガポール、ペナン島と共に海峡植民地(Straits Settlement)の一角となります。
貿易の交差点であったマラッカには15世紀以降に多くの中国人が渡り現地の女性と結婚し、プラナカン文化という独自の文化を生みました。
ここマラッカにもプラナカン文化が今も息づいており、ニョニャ料理も名物のひとつ。
1942年には旧日本軍のマレー半島占領によりマラッカは日本の占領下に置かれます。
当時の名残はマラッカ現地のお土産屋さんで売られている軍票(大日本帝國が東南アジアで大量発行し、終戦後にただの紙切れとなる)に見られます。
マラッカの観光地図(マップ)
世界遺産マラッカの主な観光スポットをプロットしたマラッカ観光地図(マップ)です。
オランダ広場 Dutch Square
マラッカ観光のハイライト、オランダ広場(Dutch Square)。
イギリス統治時代に真っ赤に塗装されたキリスト教会やクロックタワー、スタダイスなどが面するマラッカ世界遺産観光の中心地。
記念写真を撮る観光客の声に、ズラリと並ぶ人力車トライショーの爆音が混ざり、昼夜賑わいます。
マラッカ キリスト教会 Chirist Church Melaka
1753年、オランダ人の統治100周年を記念して建築されたマラッカ キリスト教会(Chirst Church Melaka)。
イギリスの統治後、鐘楼の最頂部にウェザーコック(風見鳥)が追加されました。
静寂に包まれたマラッカキリスト教会から、喧騒をきわめたオランダ広場を望む。
スタダイス Stadthuys
オランダ広場に面するスタダイス(Stadthuys)。
1641年にオランダが統治した後、1651年に建てられ、オランダおよび後にやってくるイギリスの行政事務所として機能していたという。
元は白色だったが1820年代に赤色に塗り替えられ、現在もその姿を残します。
スタダイスの階段を駆け上がり丘へ上がった先にあるのは、セントポールの丘および教会跡。
セントポール教会跡 St. Paul’s Church
フランシスコ ザビエル像と朽ち果てた教会跡、セントポール教会跡(St. Paul’s Church)。
このカトリック教会は1521年、ポルトガル人の船長ドワーティ コエーリョ(Duato Coelho)により建てられ「Nosa Senhor(Our Lady of the Hill)」と名付けられたのが始まり。
1545年にフランシスコ・ザビエルがマラッカを訪問した後、1548年にイエズス会の教会となる。
ここマラッカにてザビエルが日本人の弥次郎(聖ザビエル教会の項で後述)と出会い、日本にキリスト教が普及するきっかけとなった場所であります。
なお、1552年ザビエルが明国の上川島で死去した後、インドのゴアに移される前の9ヶ月間遺体がセントポール教会で保管されていたという。
オランダの統治下になった後にプロテスタントの教会となり、セントポール教会(St. Paul’s Church)に改称。
1753年に現オランダ広場のキリスト教会(Chirst Church Melaka)が建てられた後、セントポール教会は廃墟となりました。
海の博物館(Marintime Museum)やマラッカのホテルに展示されている絵画に美しかった頃のセントポール教会が描かれており、現在の姿と比較してみるのも面白いです。
セントポールの丘からはマラッカ海峡の海が一望できる。
「海は遠い…。Excuse me, I’d like to see the sunset near by the sea, How can I get there?」
サンチャゴ砦 Porta de Santiago(A Famosa)
ポルトガル人が築いたマラッカ砦は1807年に大英帝国により破壊されたが、サンチャゴ砦(Porta de Santiago、A Famosa)のみ破壊されず唯一現存している。
近代になり埋め立てが行われる以前は、砦の外側に海岸線がありました。
数百年前は大砲と見張りがマラッカ海峡を行き交う船に睨みをきかせていたのでしょう。
聖フランシス ザビエル教会 St. Francis Xavier’s Church
オランダ広場の北側にあるフランシス ザビエル教会(St. Francis Xavier’s Church)。
1849年にフランシスコ ザビエルを偲んで建設された教会はネオゴシック様式で、汚れがこびり付いたクリーム色の外壁が印象に残る。
重要な像が教会の敷地内に2つ。
右がフランシスコザビエル、左が鹿児島出身の日本人弥次郎(やじろう、Angero)です。
1547年にザビエルと弥次郎はここマラッカの地で出会い、1549年に共に鹿児島に渡って日本にキリスト教を普及するきっかけを作りました。
(マラッカ現地ではその記載を見つけられなかったが)逸話として、武士の弥次郎は日本で殺人を犯し、失意のあまりポルトガルの船に乗ってマレー半島に乗り込んだという。
遠藤周作の小説『沈黙』の映画版にて。
キリシタン弾圧によりキリストの石板を踏まなかった家族を焼殺され、自分だけ踏み絵により生き残りマカオで廃人となっていた窪塚洋介演じるキチジローが、そこで出会った牧師2人と共に長崎に渡るシーンがあります。
遠藤周作が描くキチジローは弥次郎にインスピレーションを得たのかな?…などと空想する。
後日、鹿児島市にあるザビエル公園にも訪れました。
「鹿児島ザビエル公園 キリスト教伝来の地に建つ2人の日本人の像」

トライショー Trishow
トライショー(Trishow)はオランダ広場周辺で送迎してくれる人力車。
装飾や音響設備が年々派手になっているようで任天堂、サンリオ、ウォルトディズニーもびっくりのIP無法地帯です。
タクシーのように座席に運転手の顔写真と本名が記載されているので意外と免許は厳しいのかも?
ジョンカーストリート(Jonker Street)から宿泊先のザマジェスティックマラッカまで2人30リンギットで交渉したものの、遠いし2人なので40リンギットは譲れないということで40リンギットで手打ち。
タクシーよりも金額が高いですが思い出作りに。
運転手はタフそうな女性の方。
曲の選曲もイケていて出発前と到着後に写真も撮影してくれました。
ザマジェスティックホテルの駐車場に爆音を鳴らしながら停車した時はさすがに恥ずかしかったですが…。
ババニョニャヘリテージミュージアム The Baba Nyonya Heritage Museum
1861年にプラナカンのチャン氏が築いた私邸は、現在ババニョニャヘリテージ(The Baba Nyonya Heritage)として博物館になっている。
残念ながら入り口以外は撮影禁止となっていたが、当時の生活風景を切り取ったように家具やキッチンが保存されており、プラナカン文化の世界に浸ることができる。
お土産屋さんにはマラッカで使われていた古い硬貨や旧日本軍が発行した軍票、孫文や蒋介石が描かれている中華民国の紙幣が販売されていました。
土産物コーナーも楽しめます。
Adult | RM16.00 |
Child(5〜12才) | RM11.00 |
海の博物館 Maritime Museum
マラッカの海の歴史を紐解く海の博物館(Maritime Museum)。
ここへ行けば、「海の要衝マラッカの地が過去500年どのように変遷してきたのか」を時系列を追ってすべて把握できます
。絵画と補足の文面も充実しており、マラッカの歴史を紐解きたい方は必見です。
マラッカ王国時代のマラッカリバー河口。
Adult | RM10.00 |
Child(7〜12才) | RM6.00 |
マラッカスルタンパレス Malacca Sultan Palace
マラッカ王国に特化した博物館、マラッカスルタンパレス(Malacca Sultan Palace)。
かつてのスルタンパレスを再現した建物の中には、スルタン(王)の謁見のシーンや、中国やジャワ、アラブなどのトレーダーたちが取引していた物品を紹介しており、交通の要衝マラッカの歴史を探求できるでしょう。
マネキンの精度があまりにも可笑しく、本筋とズレて「笑えてしまう」のは、もはやマレーシアの魅力のひとつです。
Adult | RM16.00 |
Child(5〜12才) | RM11.00 |
マラッカリバークルーズ Meleka River Cruises
マラッカ海峡に注ぐマラッカリバー約3kmの道のりを船で進むマラッカリバークルーズ(Melaka River Cruises)。
チケットは往復のみで、曜日により異なる。
川沿いに立ち並ぶ住居や店舗の壁面アートが見れるが、これ!といった見どころは少ない。
片道20分で往復すると約40分。
片道(One Way)を希望する場合、乗船時にスタッフへ伝えると片道で降ろしてくれます。
Melaka River Cruises | 月〜木 | 金〜日 |
Adult | RM15.90 | RM21.20 |
Child(2〜12才) | RM7.50 | RM7.50 |
マラッカタワー Menara Taming Sari
セントポール教会跡の丘からも見える展望台、マラッカタワー(Melaka Tower、Menara Taming Sari、ムナラタミンサリ)。
円形の展望デッキが回転し、マラッカの町の360℃ビューが楽しめるというもの。
マラッカリバーの上流、世界遺産のオランダ広場方面を見おろして。
映画館やショッピングモール方面…。
しかし、なぜ歴史あるマラッカの町に作ってしまったのか。
つくづくもったいないと思います。
今まさに乗っているマラッカタワーも例に漏れず、ですが。。
シンガポールのセントーサ島にも同じ形状の回転式展望台「タイガースカイタワー」があります。
タイガースカイタワーの最頂部が131mに対しマラッカタワーは高さ80mのため、眺望のインパクトは弱めです。
Adult | RM23.00 |
Child(2〜12才) | RM15.00 |
Senior(55才〜) | RM18.00 |
マラッカの夕日 The Sunset
沢木耕太郎の小説『深夜特急』にて、沢木が海岸線で見た真っ赤な夕日。
沖合の埋め立てと大規模開発によりかつての姿が徐々に失われつつある。
詳細は下記の記事にまとめてます。

マラッカ海峡モスク Masjid Terapung Selat Melaka
Pulau Melaka(マラッカ島)にある水上モスク、マラッカ海峡モスク(Masjid Terapung Selat Melaka)。
サンセットのスポットとして有名で、夕刻になると続々と観光客が集う。
マラッカ観光の中心となるオランダ広場やジョンカー通りから徒歩で向かった場合、片道40〜50分はかかります。
日が沈むとあたりは一気に暗くなるため、タクシーまたはUBERでの訪問、タクシーの場合は帰りのピックアップの場所・時刻・料金も交渉しておくことを推奨します。
マラッカ海峡モスクの西に沈む夕日。
マラッカに宿泊・滞在する Where to stay
世界遺産マラッカの町で宿泊したホテル「ザマジェスティックマラッカ」「ノボテルマラッカ」の宿泊記は個別記事にてご紹介してます。


マラッカの街角写真
マラッカの場所・行き方・アクセス
クアラルンプール・シンガポールからマラッカまで
世界遺産マラッカの町は、首都クアラルンプールの中心地から約120km南東、クアラルンプール国際空港から約85km南東、シンガポールから約200km北西の場所に位置しています。

TBSバスターミナル
クアラルンプール(TBS) – マラッカセントラル | RM15 | 約2時間 |
シンガポール – マラッカセントラル | S$15〜30 | 約4時間 |
クアラルンプールのTBSバスターミナルからマラッカセントラルバスターミナルまで料金約15リンギット、所要時間約2時間(KKKL Express、Mayang Sari Express、Delima Express社ほか)。
クアラルンプール国際空港(KLIAおよびKLIA2)からもマラッカセントラルバスターミナルまで料金約25リンギットの直通バス(TRANSNATIONAL社)があります。
シンガポールからも直通バスが出ており、料金はS$15〜30程度、所要時間は約4時間(KKKL Express、707 Express社ほか)です。
マラッカの行き方は下記記事をご覧ください。

マラッカセントラルからマラッカ中心部まで
マラッカセントラルからマラッカ中心部まではタクシースタンドのタクシーを利用しました。
宿泊したノボテルマラッカまで固定料金21リンギット。
試しに値切ろうとしてみましたが、日本語で「こちらが標準価格です」との返しでしたので、タクシースタンドから各ホテルまで固定料金と思われます。
マラッカセントラルからバスに乗る場合、17番線に乗り運賃1.5リンギット。
タクシー
マラッカで利用したタクシー料金のメモです。
区間 | 種類 | 料金 |
マラッカセントラル – ノボテルマラッカ | 固定料金 | 21.00リンギット |
ノボテルマラッカ – ザマジェスティックマラッカ | メーター | 12.20リンギット |
ザマジェスティックマラッカ – マラッカ海峡モスク | メーター | 21.80リンギット |
ザマジェスティックマラッカ – マラッカセントラル | メーター | 15.80リンギット |
マラッカのタクシードライバーはいい人ばかりで、わたしの警戒は杞憂に終わりました。
おわりに
海上交易の要衝であったマラッカの町。ポルトガルからオランダ、そしてイギリスとさまざまな国が築いた歴史的建造物は必見です。
マラッカ観光の所要時間は世界遺産周辺のハイライトだけであれば半日。博物館もじっくり見るなら1日~2日あるとよいと思います。
世界史でも重要な交差点であるマラッカの町を、今後も定期的に訪れて写真を残したいです。


Pinterestでブックマーク保存 ↓